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商品説明
戦前から高度成長期に、巨大な政治的磁場を作った日本共産党は、政権を担える社会民主主義政党になったのか。一貫して「革命」を目指しつつも大きく変化した100年の歴史を追い、国際比較と現状分析を交え同党の全貌を描く。【「TRC MARC」の商品解説】
戦前から高度成長期にかけて多くの若者や知識人を惹きつけ、巨大な政治的磁場を作った日本共産党。東欧革命・ソ連崩壊などで深刻な打撃を受けたが、しぶとく生き残り、近年、野党共闘による政権交代を目標に据える。政権を担える事実上の社会民主主義政党になったのか、今なお暴力革命を狙っているのか。本書は、一貫して「革命」を目指しつつも大きく変化した百年の歴史を追い、国際比較と現状分析を交え同党の全貌を描く。【商品解説】
著者紹介
中北 浩爾
- 略歴
- 〈中北浩爾〉1968年三重県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科教授。東京大学博士(法学)。専門は日本政治外交史、現代日本政治論。著書に「自民党」「自民党政治の変容」など。
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紙の本
400頁超の分厚い1冊!でも勉強になりました。
2022/06/28 09:52
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史ある日本の政党・日本共産党のこれまでの変遷について、著者が調べ上げ、この新書1冊にまとめたものです。
当書は400頁を超える、大変分厚い1冊です。値段も張りますが、正直この政党について皆無だったので、教養を付けようと思い切って購読しました。
大変読みやすい文章で、著者ご自身が作成した巻末のデータや年表が充実しています。よくぞここまで調べ上げたと驚きました。
当書を読み切り、大変勉強になりました。
紙の本
100年の通史
2022/05/25 08:38
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今年は日本共産党が結党してから100年なので出た本。80年党史が出てから、日本共産党は党史を出していないが、100年党史は出るだろうか?
外部の出版社が出した一般の読者向けの日本共産党史となるとないもので、日本共産党が目の敵にしていた立花隆の「日本共産党の研究」なら手に入るが、これは実質的に袴田里見が逮捕される昭和10年までしか書いていない。
通史としては出来ているとは思うけれど、戦前のスパイリンチ事件や戦後の「極左冒険主義」時代の記述が甘い感じがする。
野坂参三の除名についても言える事だ。「闇の男」を暗に批判しているようだが、この本に書かれているように元々、野坂が山本縣蔵の粛清に何らかの関わりがある事が党内外から指摘されている。
著者は野坂を庇うが、志賀夫妻や袴田里見が内心、やましい気持ちを抱きながらも、ソ連から帰国したがっていた関マツを見捨てた事を、どう思っているのだろうか?
転向についても何か気になる。水野成夫の労働者派が転向の中でしか出て来ない。予防拘置所には転向した三田村四郎がいたし、戦後、復党した転向者の中には戦時中は戦争協力をした人がいるのに口を拭っていた人もいるではないか。全連邦共産党内の権力闘争や「ソ連防衛論」で「無謬」のコミンテルンの方針が揺れ動く上に日本の事情など知らないボリシェヴィキが成功体験であれこれ指示を出す事やソ連の実体に気がついたという面もあるだろう。
「戦前の指導部には女性は皆無であった」とあるが、中央委員だった児玉静子や獄死した飯島喜美はどうなるのか?
中でも気になるのは在日朝鮮人党員がほとんど言及されない点だ。戦前は朝鮮人が党員や全協の活動家となり、戦後も昭和30年までは党の要職を務め、また朝鮮人部・民族対策部の指導下で朝聯・民戦が存在していた。印貞植のように転向して「内鮮一体」の旗振り役となった人がいるが、何よりも北朝鮮で粛清された人が数多いるから書けなくなったのだろうか。コップに関わり、転向してからは「親日派」となり、光復後は左翼陣営に復帰せずに韓国で戦時中の言動を批判されながらも天寿を全うしえた金龍済本人に取材して書かれた「愛する大陸よ」のような本を読むとそう思う。あと、ソ連共産党のような「総本山」や中国共産党のような「老舗」と違って、国際共産主義運動史では目立たないにしろ、朝鮮労働党と朝鮮総聯との関係は日本共産党のあり方において無視出来ないものがあると思うが。六全協で離党したとは言え、朝鮮総聯の活動家は日本共産党員にとって旧知の「同志」だったではないか。
筆坂秀世が共著者の「日本共産党vs.部落解放同盟」に他の元党員が書いた昭和40年代の支持者の点描がある。徐々に日本共産党が選挙と赤旗拡大に軸足を移すからか、「Z革命」のヤマギシ会と「1975年ハルマゲドン説」のエホバの証人に移る人がいたようで、実際に「現代こころ模様」のような本もある。