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- カテゴリ:一般
- 発売日:2022/08/25
- 出版社: 文藝春秋
- サイズ:20cm/284p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-16-391584-5
紙の本
噓つきジェンガ
著者 辻村 深月 (著)
見栄、不安…。ほんの出来心から積み上げてしまった噓。一線を越えたら、もう戻れない。騙す側、騙される側、それぞれの心理を巧みに描く小説集。『オール讀物』掲載を単行本化。【「...
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商品説明
見栄、不安…。ほんの出来心から積み上げてしまった噓。一線を越えたら、もう戻れない。騙す側、騙される側、それぞれの心理を巧みに描く小説集。『オール讀物』掲載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
詐欺をめぐる3つの物語。
『2020年のロマンス詐欺』
まさか、こんな2020年の春が待っているとは思いもしなかった――大学進学のため山形から上京した「加賀耀太」だったが、4月7日、緊急事態宣言が発令されてしまう。入学式は延期され、授業やサークル活動どころか、バイトすら始められない。そのうえ、定食屋を営む実家の売り上げも下がって、今月の仕送りが半分になるという。地元の友人「甲斐斗」から連絡が来たのはそんなときだった。「メールでできる簡単なバイト」を紹介してくれるというのだ。割の良さに目がくらんで始めた耀太だったが、そのバイトとはロマンス詐欺の片棒を担ぐことだった。早く「実績」を上げるよう脅され、戸惑いながらもカモを捕まえようと焦る耀太は、「未希子」という主婦と親密なやりとりを交わすようになる。ある日、未希子から「助けて、私、殺される」というメッセージが届く……。
『五年目の受験詐欺』
「紹介は、詐欺だったんです、私たち、騙されていたんですよ」――電話口でそう告げた女の声に「風間多佳子」は驚愕した。詐欺と言われてもにわかには信じられなかった。なぜなら、「大貴」は志望校に合格したのだから。教育コンサルタントが受験生の親向けに開く完全紹介制の「まさこ塾」に多佳子が通っていたのは、次男・大貴の中学受験に際してだった。頑張っても頑張ってもなかなか成績が上がらず苦しむ息子の姿に心引き裂かれていた多佳子は、息子を信じようと決意しながらも、つい、まさこ先生に持ち掛けられた、100万円で受けられる「特別紹介の事前受験」という甘い誘いに、夫にも内緒で乗ってしまったのだ。あれが詐欺だったなら、息子は自力で合格したのか。混乱する多佳子のもとに、「まさこ塾」で親しくしていた「北野広恵」から連絡がある。「多佳子さんにも、当時、まさこ先生からその……お誘いはあったの?」
『あの人のサロン詐欺』
「紡」はオンラインサロン「谷嵜レオ創作オンラインサロン オフ会」を主宰している。最初は漫画原作者・谷嵜レオとファンとの非公式な交流イベントだったが、谷嵜のようなクリエイターに憧れる彼らの質問を受けるうち、いつのまにか創作講座がメインとなった。紡が発する言葉を熱心に書き留める参加者たち……谷嵜レオになるまで、紡は自分がこんな風に話せる人間だとは知らなかった。自分の作品を熱心に愛してくれる皆が、紡の話に真剣に耳を傾けてくれる高揚感で、オフ会の時間はあっという間に過ぎる。しかし、じつは紡は谷嵜レオではない。谷嵜が覆面作家なのをいいことに、創作サロンの参加者にも、自分の家族にもそう偽っているのだ。これは詐欺なのだろうが、全身で谷嵜レオを生きてしまっている紡には、その考えはしっくりこなかった。ほんものの谷嵜が逮捕されてしまうまでは。
【商品解説】
収録作品一覧
2020年のロマンス詐欺 | 5−96 | |
---|---|---|
五年目の受験詐欺 | 97−190 | |
あの人のサロン詐欺 | 191−284 |
著者紹介
辻村 深月
- 略歴
- 〈辻村深月〉1980年山梨県生まれ。「冷たい校舎の時は止まる」でメフィスト賞を受賞しデビュー。「ツナグ」で吉川英治文学新人賞、「鍵のない夢を見る」で直木三十五賞を受賞。
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紙の本
詐欺がテーマだけど
2023/10/31 14:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mk - この投稿者のレビュー一覧を見る
詐欺に関わってしまった人たちのなんだか切ないけれど、少し元気も出てくる短編集です。詐欺がテーマのお話ですが、読後感が嫌なものにならないのが素敵でした。
紙の本
さすが
2023/09/07 11:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:302 - この投稿者のレビュー一覧を見る
どの話も、絶望から浮上する勢いがすごい。
罪悪感や後悔の部分は読んでいても苦しく辛いのに、読後感は清々しい。
感情のジェットコースター。
紙の本
だますだまされる
2023/07/17 13:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わかめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
騙されているかも?という場面では、何だか暗くて追い詰められている気分になる。しかし、最後はちゃんと浄化されて安心した気持ちになるようになるのが、辻村ワールドだと思う。
紙の本
詐欺縛りという変わった趣向の短編集
2023/05/30 15:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
詐欺にまつわる短編三編です。久しぶりに夢中で読めた辻村作品でした。一話は現代とマッチした題材で良かったし、二話は母親の思いに共感しきりでとても感情移入してしまいました。
紙の本
読後が意外と
2023/01/25 12:09
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のほほんと - この投稿者のレビュー一覧を見る
うそつきな主人公による短編集です。うそつきでフィクションだけど、どこか共感する人物たちで、一気に読みました。読後は意外と爽やかです。
紙の本
どの嘘つきさんたちにも 共感してしまう
2022/12/15 00:41
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
あぁ、終わった…‥と思う瞬間がある。
でも、終わらない。
「超えてはいけない一線」の手前に、
自分のボーダーが設定されてたから。
どの嘘つきさんたちにも
共感してしまう部分があったから、
希望を残す終わり方に救われた。
紙の本
プロ
2022/10/27 18:38
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「詐欺」を主テーマにした3作。オレオレ、お受験、そして人気漫画家のなりすまし。それぞれに面白いが、とりわけ最後の「あの人のサロン詐欺」がいい。まさに読者も詐欺にかかった如く騙されるのだが、しかと布石が打ってあることに気づく。こうした展開は、さすがにプロである。
紙の本
極度のドキドキハラハラ
2024/02/23 16:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:どらやき - この投稿者のレビュー一覧を見る
3話目のサロン詐欺以外は、一体どうなってしまうのと、読者が自分の事のように感じてしまうのは、流石、辻村先生です。 サロン詐欺の紬は、余りにも独りよがりで、親に責任を押し付け過ぎている気がして、お父さんを特に気の毒に思いました。
紙の本
辻村深月ファンです
2022/10/01 04:08
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:リンドウ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「オーダーメイド殺人クラブ」でハマり、「ツナグ」で感動し、「かがみの孤城」でさらに感動して、「琥珀の夏」で唸り、辻村深月ワールドにドハマリした者です。敬愛する芦田愛菜ちゃんが、「神」と崇める理由も納得です。
辻村深月作品は積読がたくさんあるので、読むのは先になりそうですが、とても楽しみにしています。