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凍える牙 みんなのレビュー

文庫 115(1996上半期)直木賞 受賞作品

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みんなのレビュー325件

みんなの評価3.8

評価内訳

311 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

ハヤテのファンになりました。

2008/08/16 17:31

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る

凍える牙 乃南アサ(のなみ) 新潮文庫

 わたしは、主人公オオカミ犬「疾風(ハヤテ)」のファンになりました。アラスカの大自然を描いた星野道夫著「長い旅の途上」を読んだあとだったので、アラスカの寒い風景とハヤテの姿が重なりました。「長い旅の途上」には、アラスカにいるオオカミの記事もありました。
 いくつかの視点でこの物語を語ることができます。そのひとつに女性差別があります。12年前の作品で、今となっては記述の古さが感じられます。白バイ刑事、音道貴子(おとみちたかこ)さんの相方である滝沢刑事(40代)のような男性像は、今はもう見受けられません。そのように女性を扱う男性は定年退職をして現役の世界に別れを告げました。わたしは49歳ですが、女性に気軽に何か話そうとするとその内容はすぐにセクハラ発言と直結してしまうので、若い女性には話しかけません。仕事の世界では、そういう中年男性ばかりになりました。
 推理小説、警察物語なのですが、文章のかなりの部分に女性のつぶやきが挿入されており違和感があります。優柔不断な女性心理、女性週刊誌的記述がサンドイッチになっています。事件の進行とは無関係な貴子さんの経歴が延々と語られます。作者自身の紹介かと受け取りました。
 人間が燃え出すところから物語はスタートします。伊坂幸太郎著「ガリレオ」にもありましたが、どうして人間が燃えたのかは思い出せません。化学薬品のことはちんぷんかんぷんです。
 ところどころにある貴子さんと男性刑事とのやりとりは、銭形平次のセリフのやりとりのようでもあり、江戸時代の岡っ引きを思い出させます。291ページで殺人事件の犯人が分かってしまいました。このあと512ページまで、どのような記述をしていくのでしょうか。
 20年ぐらい昔に見たNHK大河ドラマ「足利尊氏」で楠正成(武田鉄矢役)が語ったセリフを思い出しました。その言葉がオオカミ犬ハヤテの意志です。「戦(いくさ)とは勝ち目があるからするとか、勝ち目がないからしないとかではなく、自分が愛する家族や一族を守るためにただひたすら戦うことです。」というような趣旨でした。ハヤテは家族を守るために戦い、だれひとり家族がいなくなったから姿を消したのです。

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紙の本

バツイチ女刑事の行方は…

2004/08/22 02:25

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:なかちん - この投稿者のレビュー一覧を見る

この著者の本の中では、かなりキリっと登場人物像が
描けている本です。

バツイチの女刑事が一緒にチームを組む羽目になった
典型的な今時オヤジ刑事。
初めは心を開かなかった二人が、仕事を通じて
何となくお互いを認め合っていくのが気持ちいいです。

世の中まだまだ男性社会。この中で戦っていくには
ある程度突っ張らないといけないのだな…と思い知らされます。

でもこの女刑事がかっこいい。
冷静沈着でなおかつバイクも操る。
クライマックスのカーチェイス(片方は動物なのだが)
の描写も見物だ。

「鎖」を読む前に読んでおきたい一冊です。

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紙の本

男社会の中で闘う女刑事貴子が見た真実

2002/06/07 00:20

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くろねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

なんて衝撃的なスタート。
深夜のファミリー・レストラン。
突然、燃え上がる男の体。
さらに、男の体に残されていた野犬の噛み傷。
けれども、それは、単なる始り。
よく似た噛み傷で致命傷を負った殺人事件が連続するなんて。
いったい、誰が、なんのために、犬にそんなことをさせるのか?
被害者の間のつながりは?

事件を追うのは、音道貴子。
バツイチの女性刑事。
物語のもう1つの核は、「警察」という男社会の中での彼女の孤独な闘い。
女であるというだけで受ける不当な扱い。
ましてや、それが、行動を共にする相棒の刑事からのものだとしたら、
なんて救われない。
なにしろ、その滝沢ときたら、貴子とうまくやっていこうという意識が
まるでないんですから。女と組まされたことを、貧乏籤としか思わず、
相手を思いやることをしない。
普通なら、何日も、何日も行動をともにしていれば、多少なりとも打ち解け、
「女」としてでなく、「音道貴子」として見るようになるものでしょうに。
一緒に歩いても、まるで無視。
聞き込みで、自分と同類の男の元へ行けば、本人を目の前にして貴子を
侮辱する。
いったい、あんた、何様のつもりだよ。
何度、心の中で叫んだことか。
分かるから、それが、決してフィクションではなく、警察だけであることでなく、
まだまだ、社会は「そう」であることが。
この作品が書かれたのは、5年前。
でも、いったい、どれだけの進歩を、この社会は遂げたのでしょうか。
男と女の「絶対的」な違いなんて、結局のところ、妊娠・出産について
以外にあるのでしょうか。「男の大部分」がそうであり、「女の大部分」が
そうであることは、「男と女の違い」なんかではないでしょうに。

おまけに、そういう差別をもたらすのが、異性だけでなく、同性からも
だとしたら、いっそう、やりきれない。
ましてや、それが、肉親からだとしたら。

でも、それでも、そんな社会で、なんとか上手にやっていこうと、
貴子は奮闘します。
どんなにがんばっても、誰からも、認めてはもらえないけれど。
自分だけは、自分のがんばりを知っているから。

事件の裏にあるのは、哀しい思い。
でも、だとしても、忠実な犬をそんなことに使うなんて、許せません。
犬は、ただ、大切な人間の命令に従うだけ。
彼は、ヒトの持つ善悪の観念とは別の次元で生きているから。
それを、利用するなんて。
信頼する人間を見る犬の瞳。
真っ直ぐで、曇のない瞳。
あんな瞳で自分を見詰めるものを、どうして!
逃げて!
逃げ切って!
そんな鎖から、自らを解き放って!
祈るような思い。

私は、お前の瞳を忘れない。

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紙の本

働く女性の前に男性に読んで欲しい一冊です!

2001/08/18 21:24

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:高城 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 仕事をもつ現代女性像をいま、一番リアルに描けている本だと思います。この本に共感する女性、それは仕事をもっていない女性にも一杯いるでしょう。でも何よりもまず、男性に読んでほしい一冊です。主人公の音道貴子刑事がペアを組むことになった典型的オヤジ刑事について、あなたは「こんな男は今時いない」と思いますか? それとも「おれも本音をいえば…」? 貴子みたいな女性はやりにくいって思いますか?
 当たり前の仕事をもつ社会人としての女性、それが簡単に受け入れられない現状をバーチャル体験してみてください!
(P.S.続編「鎖」も五つ星です!)

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紙の本

警察・犯罪物というより美しい作品と感じた。

2022/04/29 21:39

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る

警察・犯罪物というより美しい作品と感じた。意表を突く人間発火事件から巨大犬による絞殺事件へと凄惨な展開。しかし、中盤でオオカミ犬“疾風”が登場することで雰囲気は一転。事件よりも疾風を応援したくなってくる。終盤での疾風とヒロイン:貴子の追跡劇は、何故かそのまま何処までも誰もいないところまで走って行けと掛け声をかけたくなる。短い登場だが十分に風を感じさせてくれて物語の主役の座を独占した疾風に拍手。あ、もう一つの主題である女性の生きずらい“女性蔑視社会”の描き方も男女双方の感じ方を微妙に表現していて興味深いものありでした。

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2004/10/25 21:05

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2004/10/16 11:13

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2004/11/02 13:11

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2004/11/12 21:59

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2005/05/14 01:12

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2005/05/24 19:42

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2005/07/05 23:29

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2006/12/19 20:21

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2005/07/06 21:55

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2005/07/30 14:49

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