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紙の本
世界初の推理小説
2001/02/17 11:05
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:55555 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ポー(アメリカ、1809−1849)が1841年に発表した世界で初の推理小説。密室殺人で奇想天外意外な犯人。名探偵オーギュスト・デュパンの明晰かつ正確で鮮やかな推理。さすが世界初の推理小説だけあって、100年以上前につくられても充分楽しめます。
紙の本
原点、その一言では語れないもの
2001/05/29 05:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:春都 - この投稿者のレビュー一覧を見る
なぜ今ごろ「モルグ街」を、と思う人もいるだろう。ミステリファンならば、読書体験のどこかでこの作品について語られるのを聞いており、ほとんどはトリックも含めたおおすじの内容までも知っているに違いない。「盗まれた手紙」もそうだろう。
あるいは、いわゆる古典を推奨する人たちのなかには「やはりこれを抑えておかないと」という観点から、つまり、後々までつづいてゆくミステリの「原点である」との理由のみで、この作品を勧める人もいるかもしれない。
どちらにせよ、そこには「ミステリの歴史」という作品外の評価基準、または価値が付され、『モルグ街の殺人』なる名前のみが前面に押し出されている。ミステリ史における作品の位置、すべての祖であるという揺らぐことのない肩書きが、いつだってついてまわるのだ。
僕が読んだきっかけは、なかの一編を学校での講義に使うから、にすぎない。期待感などほとんどなく、前述の2つの理由ぐらいしか、読もうという気分にさせるものはなかった。しかし読後の、いや読中の印象はそれとはまったく異なるものだったのである。
結論から言えば、僕は「小説とは読むものである」ことを再認識させられたのだった。『モルグ街』を形づくっている一文一文、そしてそれらの連なり。外側からでは見ることのできないそういった「構成要素」にこそ作品の魅力があるのであり、それに比べれば「開祖」や「原点」などという言葉は、まるきり余計な飾りにすぎない。なんら『モルグ街の殺人』を表したものではなかったのだ。
読むことによって、自ら手に取り触れることによって、初めて「知る」ことになる。あらすじやトリック、そして名前などをいくら聞いたところで、それは「その小説」ではないのだ。知った気になるのと、実際に知るのではおおいに違いがある。
では「知る」にはなにをすればいいかといえば、「作品を読む」以外にはあり得ない。そして作品には「ミステリ史」や「原点」などまったく付きまとってはいず、ただ作品のみがあるだけなのである。
おそらく僕と同じように、さまざまな付加価値の覆い越しに『モルグ街』を見ている人がいるだろうと思う。内容やトリックを知っているだけで、読んだ気持ちになっている人もいるかもしれない。
しかしそれは決して『モルグ街』そのものではないことに気づくべきだろう。百聞は一見にしかず、というわけだ。
ぜひ、一文一節を味わってほしい。語るのはそれから。
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