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紙の本
故郷忘じがたく
2001/11/08 20:36
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投稿者:かがみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題作「故郷忘じがたく候」の他「斬殺」「胡桃に酒」の3作からなる短編集。
「故郷忘じがたく候」が一番面白かった。400年前に朝鮮南原(なもん)城で捕らえられ、拉致され、薩摩に連れてこられた朝鮮人達の話。いや、彼らは日本人によって帰化せしめられて以来、日本人として生きている。どの日本人達よりも優れた心を構えを持ったひとたちだ。
「斬殺」は維新の時、新政府が奥州を僅か200の兵で攻めようとする話。奥州の人の慌てぶりが愉快。
「胡桃に酒」は最低だった。たぶんこれによって後味がかなり悪くなったと思う。戦国時代、細川家に嫁入りした明智光秀の三女たまの話。つくづく思う。解った気になってる人間が一番始末に悪い。
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