紙の本
雲をつかむ死
2020/10/12 20:20
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
雲をつかむ死とマダム・ジゼル殺人事件が同じ本とは思わず読んでしまいました。犯人の度胸に驚きましたが、クリスティーなら他のほうがもっと面白いのがあるかなと。
紙の本
このトリックは可能なのか
2002/04/04 21:43
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投稿者:呑如来 - この投稿者のレビュー一覧を見る
飛行機という完全な密室の中で起こったマダム・ジゼルの殺人の容疑者は11人。という設定からしても、今回はトリックの解明に焦点があることがわかるが、犯人の目星がついたあとは少々退屈であった。とはいえ、ポアロの人間観察眼の鋭さはこの作品にも良く表れている。
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「アガサ・クリスティ」の『マダム・ジゼル殺人事件』を読みました。
『エンド・ハウス殺人事件』に続く「名探偵ポアロ」モノです。
相変わらず愉しく読めましたね。
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「マダム・ジゼル」は死んでいた…。
パリからロンドンへ向かう定期旅客便プロミシュース号の後部客席で、なぜか蜂が機内を飛び回った後しばらくして、死体が発見されたのだ。
推理作家や伯爵夫人、考古学者父子らと乗り合わせていた「ポアロ」が捜査を開始した。
魅力的な若い娘「ジェイン」の恋愛は事件に絡んでどう展開するのだろうか?
飛行機内という完全密室の謎にポアロの推理が挑む。
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列車と旅客機という違いはありますが、、、
乗り物の中という閉ざされた空間の中で、偶然乗り合わせた人達が殺人事件に巻き込まれるところは、先日読んだ『ブルートレイン殺人事件』にも通じるところがありましたね。
あと、登場人物の設定も『ブルートレイン殺人事件』に似ていましたねぇ。
登場人物の名前も『ブルートレイン殺人事件』で「ポワロ」の捜査に協力する女性は「キャサリン・グレイ」、本作品では「ジェイン・グレイ」なんですよね。
こっちの方が好みでしたけど。
≪ちょっとネタバレ≫
犯人が登場人物のメイドとグルだったり、犯人が善良な娘(いずれも「グレイ」)に恋に落ちるところなど、『ブルートレイン殺人事件』との類似性が多く見受けられる作品でした。
トリックについては、、、
吹矢筒を機内に残したり、蜂を機内に放したりしたのは意図的だった… というところまでは、読みが当たりましたが、実際の犯行トリックはわかりませんでしたねぇ。
てっきり、持ち物の中にフルートやパイプが含まれていた乗客が怪しいと思ったのですが、これは外れでした。
あと、乗客の持ち物の中に「医者が着る上着」が含まれていたことは、ちょっと引っ掛かっていたのですが、トリックを暴くところまでは推理できませんでしたね。
まっ、予想が当たらないことが、期待通りなので、、、
それはそれでイイんですけどねぇ。
ちなみに、本作品、新潮社文庫で読んだので『マダム・ジゼル殺人事件』という邦題なのですが、、、
ハヤカワ文庫では『雲をつかむ死』、創元推理文庫では『大空の死』という邦題になっている模様です。
間違えて同じ作品を購入しないように気をつけなきゃいけませんね。
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クリスティの作品は、大学時代に一通り読み終えている。しかし、たまにふと読み返したくなることがあり、都度、本棚の奥から引っ張り出してくることになる。『マダム・ジゼル殺人事件』はもう4回目か5回目。当然、犯人のトリックは分かり切っているのだが、ポワロが推理を展開していく経緯、どこで真犯人の目星をつけたのか、何がヒントだったのかといった細かいところは大抵忘れているので、いつ、再読してもそれなりに楽しめる。
まだ飛行機での旅行が珍しかった、1900年代の始め頃。フランスからイギリスに向かう機内に乗っていた金貸しの女性、マダム・ジゼルが殺された。完全密室、しかもマダム・ジゼルの席に近づいた者がほぼ誰からも目撃されていない中、マダムは毒を注入されて死んでいた。マダムの傍らには、アフリカ大陸の先住民が使うような吹き矢が落ちていて、未知の毒物が検出された。果たして、マダムを殺したのは誰なのか。また、その動機は。
当時の飛行機に関わる「ある情報」を知らないと、真犯人を導き出すのは難しい。その点で、ほかのクリスティの作品と違い、21世紀の今となってはこの作品は著者との知恵比べをするというより、ポワロの推理の経緯を観客席から眺めていく、という形にならざるを得ない。この作品が出版された当時の読者たちは、このトリックを見抜いて真犯人を探し出せたのだろうか。それがちょっと気になる。
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定期旅客便プロミシュース号の後部客席で、なぜか蜂が機内を飛び回った後しばらくして、死体が発見されたのだ。飛行機内という完全密室の謎にポアロの推理が挑む。
クリスティの長編ミステリー。ポアロシリーズ。普段の文脈と違った表現方法。序盤は不思議な感覚だった。
今作は飛行機内という密室での殺人だが、密室である事がテーマではなく、フランスで金貸しをしているマダムジゼルがどのように殺害されたのかがポイントだ。当時の推理小説ではありきたりで古臭い印象があるであろう、未開の地住人の吹き矢、未発見の毒など、大げさに伏線を広げながらも二本のスプーンや黄蜂の死骸、乗客の持ち物リスト等実際の手がかりも十二分に描写し、きちんと道筋が立つ様にしている。
クリスティ作品は時代背景と海外ミステリーという側面から登場人物がこんがらがる事が多いが、今回は飛行機のスチュワード等登場人物に挙げられていない人物も多く、冒頭に挙げた様に少し変わった書き方をしていた為、序盤なかなか苦労してしまった。
クリスティは年寄りの描写も上手いが若くて魅力的な女性を描くのも得意で読者として感情移入しやすい。ジェィンについては犯人かどうかわからない中でポアロの「お節介」が始まった段階で犯人ではなさそうだと感じたが、ポアロの粋な計画もあり悲劇的であるがこれから希望に満ちていく女性としてとても印象深い人物だ。最後、あれ程ポアロが感心するなんて(笑)とてもチャーミングだ。
また、クリスティ自身、考古学が割と身近にある関係上、考古学者の冒険に割と肯定的なのだろう。
トリックとしては大味で、果たして3分程度で今回のトリックが可能かどうかは疑問だ。合わせて毒針を手で刺すにしても上手くできるかどうかは謎なのだが、ここはご愛顧で良いだろう。
人の人相なんて他人であれば気が付かないため、変装などについては納得のいくものであった。
ポアロ含め警察も関係者を洗いざらい巻き込むのはミステリー古典のお約束だが、なかなか今回は冒険があると感じている。ホーバリ夫人への脅迫然り、ジェィンを秘書として連れていく事然り。古典だからこそ許容できる面白さだと思う。
最後に、ジローは少しばかりでも登場し、皮肉の一つでも言って欲しかったが(笑)名前がでるだけでも楽しい気分になった。