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読んだことのない人でも、第一篇と第二篇のストーリーを知っている人は多いはずです。
映画化もしましたし。
もちろん前半の二篇も面白いですが、それ以上にこの作品の特長は、右肩上がりに増していく「風刺」です。
ストーリーとしても、とにかく奇想!
そのスケールの大きさと細かな描写は圧巻です。
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もうビックリ。ガリヴァは4回も航海に出ている。有名な、小国(リリパット)に行くのが第1編。大人国(ブロブディンナグ)に行くのが2。雲の上の国(ラピュタ)が3。馬が最高権威である国(フライヌム)が4.後半になるほど、ガリヴァの人間に対する嫌悪感があらわになってくる。時代背景もふまえて読み込みたい1冊。
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物語としては有名だけど、ちゃんと読んでみるとただの冒険小説じゃないし難しい言葉もいっぱいでてきてびっくり。
当時のイギリスは愛国心が強いのかなあと思います。
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主人公が第一章から第四章まで、それぞれ小人国、大人国、ラピュタ、フウイヌムの国を巡る話。
旅行記として、小人や巨人や空飛ぶ島などが登場し、それらの国での一風変わった生活も面白かったが、それよりも主人公にとって全くの異国で、人間の悪徳に貶められそうになったり、ことさら人間の悪い部分が強調されているのが印象的だった。
特に第四章ではフウイヌムという美徳のみを備えた生き物が登場し、それらと共に生活することによって主人公が人間への嫌悪感を強めていく様は強烈だった。
最後の解説には、作者は「この本は人を怒らせるために書いたのである」という旨の事を手紙に書いているとある。
一方で、作者は主人公ガリヴァに、この本によってほんの少しでも人間の悪弊が改善されることを期待するという旨の事を言わせている。ただ改善される様子は依然見られず失望している様子が書かれているので、作者は人間の悪徳は改善の余地のないものと考えていたのだろうか。
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(1997.09.02読了)(1979.11.18購入)
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船員ガリヴァの漂流記に仮託して、当時のイギリス社会の事件や風俗を批判しながら、人間性一般への痛烈な諷刺を展開させた傑作。
☆関連図書(既読)
「宝島」スティーブンソン著・坂井晴彦訳、福音館書店、1976.10.20
「ドン・キホーテ」セルバンテス著、岩波少年文庫、1987.11.18
「西遊記(上)」呉承恩著、岩波少年文庫、1955.02.20
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第三章、第四章がおもしろい。
風刺、厭人などで形容される作者だが、
それを旅行記という形のファンタジーに消化して
純粋に物語として数百年たっても楽しませてくれるから流石。
第三章の不死の幻想に対する諦念の流れも
うまく舞台設定を作ってその辛さが伝わるようになっている。
また各国へたどり着くと必ず言語の習得経緯の描写がなされる。
随所で細かいリアルな設定を丁寧に施しているのに
冗長にならないように描いているから読みやすかった。
最後の国に出てくる醜穢な生き物ヤフーの描写からは
スウィフトが本当に人間が嫌いなのが伝わった。
それでもそのヤフーがいまのyahooの語源であり、
また家畜人ヤプーズを通して、
大好きなバンドヤプーズの語源にもなったことを思うと
本当読者に愛される良い創作をしたと思う。
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再読。いやはや、これを児童文学に置換した人ってすごいな。見事のほどの風刺文学。イギリス風のシニカルな視線が痛いぐらいである。
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幼少期に児童文学で読んだ記憶ではこびとのいるリリパッド小国のみ紹介されていた気がして、他の巨人の国やラピュタやヤフーの世界観は初めての体験。これを児童文学にまで落とし込んだ方も物凄いと思うけれど、完訳版を読むと大人であればあるほど強烈な風刺描写に、こんな物語だったの?と驚かされると思う。
当時のイギリスの人間や風潮や文化が批判的に表現されていて、世界史を勉強した当時の自分が“当時のイギリス人って野蛮であまり好きになれないな”と感じていたそのものを著者と共感できる部分が多く感じた。
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イメージと違ってゴリゴリの風刺小説だった。
スウィフトの時代から300年経った今でも人間が理性的な種族なんてはたから見たら言えるわけないよなあと感じた。