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ガリヴァ旅行記 改版 みんなのレビュー

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みんなのレビュー28件

みんなの評価3.8

評価内訳

  • 星 5 (6件)
  • 星 4 (10件)
  • 星 3 (9件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
28 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

人間愛に満ちた風刺文学

2009/01/30 20:36

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

 小人国、巨人国、空飛ぶ王国、そして馬王国と、不思議な国を次々に旅をする船乗りガリヴァの荒唐無稽な冒険奇譚。空想力豊かな児童文学と思いきや、さにあらず、実は古今東西を通じて最も鋭い社会批判・人間風刺を行った文学の一つである。
 小人国のリリパットは、ミニチュア化されたイギリスそのものである。巨人となったガリヴァが火事を消すために宮殿に向かって放尿するくだりは、王政への痛烈な当てこすりともとれる。巨人国のブロブディンナグでは、逆に虫けら同然の大きさになった彼が、巨大な人間の肉体を間近で眺め、そのあまりの醜さに嫌悪感を覚えるが、われわれ人間もみな同様な姿であることを悟る。空飛ぶ王国ラピュタでは、不死というわれわれが無条件にあこがれる状態が至福どころか絶望であることが語られる。無意味な研究や議論を続ける衒学家たちの様子も、戯画風におもしろおかしく描かれる。
 そして、高度な理性と教養をもつ馬族、フウイヌムの章で展開される文明論こそ、本書中における社会風刺の白眉であろう。そこでは、飽くことを知らぬイギリスの海外への侵略や社会の中のさまざまな矛盾が批判されている。個人的には、弁護士を法と正義を蹂躙する存在と定義しているくだりが特におもしろかったが、やはり最も強烈な個性を放つのは、その国における人間種、すなわちヤフーと呼ばれる野蛮かつ醜悪な生物だろう。(ガリヴァは、これの祖先をイギリス人だと分析している。)
 ガリヴァ物語はこのように、当時のイギリス社会、あるいはもっと進んで人間性一般を徹底的に風刺した書物である。これは、同時期に出版され、同じく不朽の名作となったデフォーのロビンソン物語が、イギリス人気質を肯定的にとらえているのとまったく対照的であるし、架空の社会を題材に社会批判をしている点では、トマス・モア以来イギリスの伝統であるユートピア文学の代表作ともいえよう。
 かくも人間を醜く描くことに長けた書ではあるが、美しい人間性も描かれる。巨人国で献身的にガリヴァの世話を続けた少女グラムダルクリッチや、巨人国とフウイヌム国それぞれの国を脱出した際にガリヴァを救出してくれた船の船長たちは、特に印象深い心やさしい人々である。だが彼らだけでなく、本書に登場する者たちには悪人はおらず、どれも憎めないユーモラスなキャラクターばかりである。ラピュタ、ヤフーという現代人に馴染みの深い名前がこの本から生み出されたものであること自体、これらの空想的産物が人々に愛されていることを示しているといえよう。辛らつな風刺物語は、案外人間批判とともに人間愛に満ちた文学なのかもしれない。

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紙の本

おとぎ話ではない、痛烈なペシミズム

2015/06/04 08:36

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:アトレーユ - この投稿者のレビュー一覧を見る

何度目の再読だ? いろいろ見比べて中野くんの訳を選んだが、訳者によってイメージが変わるかも。「格式を加えて敢えて古めかしい訳で読む」のがアト的なこの本に対するイメージ。おとぎ話だけでは終わらないあたりが、一般的なイメージと違う…のは読んだら多くの人が思うかも。誰しもがふと思うような感覚・感情を集合体にまで拡げるとこんなに奇妙な国ができあがる。集団の力は恐ろしい。個人的にフウイヌムのお話が好きです♪

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紙の本

諷刺小説の傑作

2001/05/31 23:13

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読ん太 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 『ガリヴァ旅行記って、あの「小人国」に流されてえらいこっちゃ、それでもって、「大人国」に流されてえらいこっちゃ、最後は「めでたし、めでたし」の、あのガリヴァ旅行記?』
 『えぇ、えぇ、あの「ガリヴァ旅行記」ですよ。』

 しか〜し!である。子供の頃に読んだ「ガリヴァ旅行記」にノスタルジアを抱いて本書を手に取ると、痛いしっぺ返しを食らうだろう。
 ガリヴァは「大人国」の後も、浮島(ラピュタ)や、不死身の人間が存在する「ラグナグ王国」、馬の支配下にある「フウイヌム国」などなど、たくさんの奇国?に身を寄せる運命にあったのだ。
 そして、最後は「めでたし、めでたし…」とはいかないのである。

 これは、実際のところ、痛烈な諷刺小説である。
 「小人国」でガリヴァが火事を消し止めるのに、ジャージャーと放尿する場面などでは笑ってしまったが、その内、イギリス政府に関する諷刺が混ざってくる。「おやっ?」と思いながらも、「昔の話だし、それに遠いお国のこと…」とゴクリと飲み込んでしまおうと思っているところに、およそ人類の大多数が望んでいるだろう「不死」についての痛烈な一撃。また、歴史上の偉大な人物の皮を、とうもろこしを剥くように剥いでいって、「偉大」のなんとも貧相な姿を見せつけられる。はたまた、思考による無生産を諷して、哲学者を拒絶。最終章では、馬(フウイヌム)の国に存在する野蛮なヤフーが登場して、人間の本性をえぐり出す。
 ゴクリと飲み込むどころか、口中なにやらゴワゴワしたものでいっぱいになり、窒息しそうである。青息吐息。

 頭の切れる敗者が小説を書くと、「ガリヴァ旅行記」のようなものが生まれるのであろう、と思った。そして、読み手は、これを踏みつけにしてこそ、敗者とともに、いや、敗者を乗り越えて昇華できるのではないだろうか。そんな気がした。

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紙の本

ガリヴァ旅行記

2001/05/23 08:50

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:55555 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ガリヴァ旅行記は小人国のところだけ有名だが、実際にはガリヴァは大人国、飛島、馬の国にも行っている。そして、この島でのガリヴァの体験のほうがおもしろいのだ。なかでも、馬の国は人間が馬に飼われていて、人間が醜いものとして描かれている。 スウィフトの諷刺文学の傑作。

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2004/10/04 09:24

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2005/07/30 04:21

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2006/02/15 22:21

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2007/07/18 22:39

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2007/05/25 22:05

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2008/04/23 10:20

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2008/05/24 09:47

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2008/05/25 12:43

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2009/01/06 09:06

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2009/11/06 10:54

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2010/01/01 16:00

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