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中篇小説を2作収録した作品。
どちらも主人公は小学生で男の子と女の子。どうして江國さんは大人なのに、こんなにも子供の視点、世界を忘れずに表現できているのだろう?世界が子供視点で狭すぎず広すぎず。前半は舞台がアメリカなのだけれど留学した江國さんだから書ける表現だな〜って思うものが多かった。私の見たこと感じたことのない世界でも、想像ができてすごく楽しかった。それに、女の子は恋をすると何歳であっても「女」になるんだな〜って思った。どちらの話も甘くて切なくて本当に、こうばしい…という表現がぴったりのお話でした。
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きっと小中高生向き。「こうばしい日々」は、アメリカブレな私にとっては激萌。本の隙間からアメリカの匂いがこぼれてくるほど。今日これ読み終わった直後に無性にマックのハンバーガーとフレンチフライ…否、ポテトが食べたくなったのでふらりと寄ってみたところ八百屋さんの『いらっしゃいませ』と同じ発声の店員が白人の客の英語がわからずあたふたしている様を見て即萎。……江國さんの情景描写はどれも素敵だが中でもダイの「…それから一歩ごとにリズミカルに揺れるきゃしゃで威勢のいいうしろ姿を、全部目の中に入れて歩いた」…のところが一番好き。二作目「綿菓子」はちょっと少女漫画っぽすぎ。みを
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アメリカ育ちの大介とガールフレンドのジル。二人の日常を描く「こうばしい日々」。結婚した姉の昔のボーイフレンド・次郎に恋をするみのりの物語、「綿菓子」。
小学生や中学生を主人公にした中編二編。
今まで読んだ江國作品とは、なんだか違う印象。主人公が幼いせいか、心理描写が少なめだからかもしれない。
二編とも関係ないところで書かれたようですが、なんだか共通性が見えて一冊の本として読みました。
少女漫画っぽい「綿菓子」が良いと思う。江國作品は物語があと何行で終わるって意識がまるでなく終わるので好きです。
表紙絵の水平線と裏表紙の線が気になる。偶然だろうけど・・・
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恍惚っていう言葉、はじめてわかったと思った。
目をあけると、次郎君はちょっと困ったような、ちょっと心配そうな顔で私を見ていた。
「おいしかった」
私は小さな声で言い(その声がふるえていたので自分でびっくりした)、こんな風に好きな人にコーヒーを飲ませてもらえるのなら、女はすごくすごくいい、と思った。
(綿菓子)
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3回目。
もう、大好き。
たまらない。
ことばのリズム、描かれるおだやかな世界、
主人公たちのやわらかなもののとらえかた。
大好きで大好きで、こんな本が読みたかったんだ、って思う。
『こうばしい日々』
『綿菓子』
の2作の中編が1冊に収められてるんだけども、
そこから感じられるものが少しずつちがう、2つの話。
『こうばしい日々』の中には、本当におだやかな、
ごちゃごちゃしたもののない世界があって、
読みすすめるだけで人にも自分にも優しくなれて。
主人公が男の子だからかもしれないけどね。
日本とアメリカのちがいが、2つの文化の間にある世界が、
水彩画みたいにやわらかく描かれててね。
『綿菓子』のほうは、きれいなんだけれど切ない。
「哀しい」って言葉が、文中に何度も何度も出てきて、
みのりの気持ちに胸が詰まりそうになる。
年齢とか、関係ないんだね。
その気持ちを知っている人は初めから知っているし、
途中で気づく人もいるし、最後まで知らずに過ごす人もいる。
それがいいとか、悪いとか、じゃなくてね。
2つの話は、おだやかに過ごせた1日の内の昼と夜の物語、
っていう感じがする。
2つを受け止める気持ちに大差はないんだけど、
夜になると少しだけ、その日の自分を振り返って物哀しい。
そんな感じ。
前回は『こうばしい日々』のほうがお気に入りだったけど、
今日は『綿菓子』が手放せない感じがしています。
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まあ、予想してました。つまらないことくらいは、予想してました。『きらきらひかる』に引きずられてることくらい百も承知でした。
やっぱりつまらなかったというオチ。『こうばしい日々』の子どもはただムカつくだけ。基本的にあたしはアメリカとかいう国が好きではないので、こういう結論になる。かといって姉のことが好きになれるかと言ったらそうでもない。
ええと、もう一個の『綿菓子』ね。まあ、こっちはそんなに嫌いじゃなかった。全然好きではないし面白くも何ともないんだけど、少なくとも読んでてイライラすることはなかった。「アホやなぁ」と笑いながら読ませるという作者の意図はまあ、達成できたんと違うかな。ただ、あたしの場合はそれは微笑ましい笑いじゃなくて、ただの冷笑だったというだけで。
そもそもませた子供が嫌いだから仕方ない。自分だってませた子供なくせにね。
あと、やっぱりターゲット層は明らかに女性だと思った。そもそも男性が読んで面白いと感じる要素が何一つない気がする。ここら辺はやっぱりなんていうか、あたしの嫌いな「女流作家」だなという気がした。
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「こうばしい日々」と「綿菓子」の2編を収めた文庫。
「こうばしい日々」は、父の仕事の関係で2歳の時からアメリカにいる、今11歳の主人公「ダイ(大介)」の話。ガールフレンド、年の離れた姉貴、学校での友達、などの日常を描く。
姉貴のボーイフレンドのデイビッド、ダイの友達のウィル、父の知り合いの島田さんなどが登場する。ダイとガールフレンドのつきあい方や大人の世界をかいま見るダイの感じ方がほほえましい。
「綿菓子」は連作短編である。一応、筋はつながっているが、一編だけ読んでも分かるような書き方をしてある。
主人公のみのりは小学校6年生。物語の中で中学生になる。年の離れた姉貴、姉貴の付き合っていた次郎君、おばあちゃんやおばあちゃんの友達の絹子さん、友達のみほ、などが登場し、やはり、日常生活を追っている。
姉貴は3年付き合った次郎君と別れてお見合いをし、半年で結婚してしまった。みのりには理解できない。じつは、みのりは次郎君にほんのり恋心を抱いていたりする。おばあちゃんと絹子さんと死んだおじいちゃんの関係、おとうさんとおかあさんの関係、姉貴と次郎君と島田さん(結婚相手)との関係、みほの両親の関係など、みのりには理解できないことばかりだ。
やはり、みのりと次郎君の関係や、みのりから見た大人の世界がほほえましい。
「こうばしい日々」は、アメリカとの文化の違いなども随所に表現されていて、面白い。作者のアメリカ留学時代の経験が元になっているのだろうか。そして、どちらも11,2歳の子供が主人公で、年の離れた姉貴がいて、大人の世界にとまどったり不思議に思ったり。
どちらもほんのりする小説です。
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外国に住む日本の家族という設定が斬新だった。文章の雰囲気がのびのびとしていて明るく、ダイの真っ直ぐな考え方、生き方に元気を貰った。
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江国さんの作品は大好きだけど、これは退屈だと思っちゃった。この穏やかな感じは素敵だけど、うちにはまだ早すぎたかなって思う。
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同世代の江國香織さんのエッセイ
「こうばしい日々」って題もいいよねぇ
デラウェア州って合衆国最初の州なんだねぇ
日本人の家族だけれど、会話はほんとは英語という設定だけれど
英訳されたら読み直してみたいきもする・・・エッセイ
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ほんわかした雰囲気がよかったです。でも話も文章もとくに好きでもなく嫌いでもなく。江國さんは合わないのかな?
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本人にとっては色々起こった非日常な日々は、他人からみれば単なる日常にみえるくらいのもので。こう、日常を描くということができるのは江國さんのすごいところだと思う。
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ピュアな物語。
綿菓子の方が感情移入できるかな。
人を好きになるとみんな哀しい。
それに気づくのはすばらしいことだ。
誰かに愛されたら、
それに報いるだけの生き方をしなくちゃいけない。
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「こうばしい日々」はアメリカ在住の11歳の男の子が主人公の話。ガールフレンドや大学生の友達、姉とその彼氏、学校の先生や友達、たくさんの人が出てくる。ほんとうに何気ない日常を描いたような作品で、なにか大きな事件が起こるわけでもなく、彼の人生の一部をちょっと覗き見したようなお話でした。「綿菓子」は姉の昔の恋人に片思いしている小学生の女の子のお話。女は哀しい。結婚なんてどうでもいい、わたしは真実の愛に生きる。あどけなくって、切ないお話でした。
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10代に入ったばかりの少年と少女をそれぞれ主人公にした中編と連作短編集。少年のほうはアメリカ生まれの日本人で父親から「アメリカ人になれ」と言われて育っている子。なんだかマシオカを思い出しちゃった。(笑)少女のほうは、姉や親の結婚生活を見て、「私は結婚しないで、恋に生きる!」と思う女の子。昔の気持を思い出って、甘酸っぱい気持ちになりました。ラストはちょっと好きでないけど。