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楡家の人びと 改版 下巻 みんなのレビュー

文庫 第18回毎日出版文化賞 受賞作品

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みんなのレビュー16件

みんなの評価4.1

評価内訳

16 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

楡家の人びと(上下)

2005/04/04 21:53

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:rfuruk - この投稿者のレビュー一覧を見る

 三島由紀夫の推薦文が載っているのが読むきっかけだったんですが、以前にドクトル・マンボウ・シリーズを読んでいたので、愛着のある作家でした。

 読後感は上下二巻の長編を読み終えたという充実感もありましたが、観念性の無い小説の面白さを堪能しました。思想とか啓蒙とかいった押しつけがましいところが無く、ただ単に楡脳病院を中心とした人びとの、喜悲劇を時間の流れとともに記述されていく物語は、市井に生きる市民の日常を目の当たりにでき感動的でした。

 楡基一郎をはじめとし、魅力的な登場人物が嬉々として、または傷つき挫折しながら紙面に登場しては消えていく。それでいながら、明治から終戦直後までの社会情勢や生活の息吹までが感じられる描写は、現代の小説では味わえられないものがあります。

 北杜夫氏の父親が斎藤茂吉であることは、周知の事実ですから、それらのことも理解した上で読んでいくと一層趣が深くなりますし、著者がトーマスマンの「ブッデンブローク家の人びと」を意識して執筆したというのも、この小説を理解する上で重要になるかもしれません。

 しかしそんなことはどうでもいいのです。読んで夢中になれ、残りページの少なさに涙し、いつまでもこの物語に没頭したくなる小説。それが「楡家の人びと」です。

 僕にとって生涯大切にし、何度でも読み返すこと必定の小説です。

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紙の本

小説を読むことの醍醐味を知ることができる長編

2004/12/04 14:04

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る

 明治・大正・昭和という激動の時代を生きた三代に渡るある医家の物語ですが、登場人物たちがこの大部の小説の中で何かを成し遂げることはありません。滑稽さをまじえながら、そして物語の途上でその何人かを実にあっけないほどに殺してしまいながら、市井の人々の姿をじっくりと著者・北杜夫氏は描き続けています。幕切れもまたありふれたある日の茶の間風景の中にまぎれて訪れるほどです。

 しかしこの長編小説は全く飽きさせることなく読者をぐいぐいと引っ張り続けます。それは登場人物が魅力的だから? いえいえ、登場人物たちはあきれるほど身勝手だったり、さかしかったりして、他者の範となるような者はひとりとして現れません。それにもかかわらずこの小説が魅力的なのは、その登場人物ひとりひとりの人間くささに読者である私自身の様々な側面を重ねて読むことができるからです。

 それはウッディ・アレンの映画の魅力にも似ているような気がします。彼は自身の作品の中で、どうしようもなくだらしなく、だからこそ人間的な人々を執拗なまでに繰り返し描いてきました。決して観客の多くが共感できるわけではないのに、なぜかやるせないほど人間的な人々の姿を倦むことなく綴り続ける。

 この「楡家の人びと」の尽きせぬ魅力とはまさにそういうところにあるのだと思います。

 終章を読み終えてページを閉じるにあたって、この物語にはもう本当に続きがないのかと実に惜しい気持ちにとらわれたのは私だけではなかったようです。巻末に作家・辻邦夫が綴っている解説にも同様の記述を見つけ、わが意を得たりという思いをしました。

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紙の本

長くなければいけなかった小説

2001/01/05 10:38

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:白井道也 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 上下巻合わせて1000ページ弱の巨編。無意味な長さが蔓延するのは最近のハリウッド映画だが、この『楡家の人びと』の長さには意味がある。あるいは、これほどまでに長くなければいけない小説であった。
 過去の栄光と繁栄が嘘のような楡脳病院の頭打ち、あるいは楡家の面々の覇気の無さ。そこに、大戦の影が迫ってくる。戦争に参加する者、若年で参加出来ない者、傍観するしかない者、恋人の生還を待ちわびる者。楡家の面々は、それぞれの形で第二次大戦を体験する。それぞれの書き込みの精緻さ、あるいは生々しさには、著者の力量を感じずにはいられない。戦争の推移や兵士の絶望的な飢餓の様子は、一種のルポルタージュとしても読める。
 敗戦となり、呆然とするしかない楡家の面々。かつての繁栄と幸福は完全に遠いものとなってしまった。膨大な量の文字を読んできた読者には、その楡家の人びとの虚無感がひしひしと伝わって来る。そんな中、楡家を復興せんとひとり強い意志を持つ龍子は、最期の一文において未来へ向けての第一歩をがっしりと踏み出す。楡家の魔的な力を表現する、力強いエンディングであった。

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2007/08/18 13:13

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2011/07/16 09:16

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2010/06/29 11:16

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2011/02/12 22:17

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2010/08/15 15:36

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2012/10/11 19:43

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2013/09/22 18:58

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2015/05/31 16:43

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2015/05/23 19:07

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2018/05/11 08:47

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2019/06/18 21:00

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