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一人の男が飛行機から飛び降りる みんなのレビュー
- バリー・ユアグロー (著), 柴田 元幸 (訳)
- 税込価格:825円(7pt)
- 出版社:新潮社
- 発売日:1999/08/30
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文庫
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高い評価の役に立ったレビュー
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2004/01/13 15:13
イマジネーションをかき立てられる一冊
投稿者:pon-michael - この投稿者のレビュー一覧を見る
一人の男が家に帰ると、妻がリスと一緒にベッドに入っている。床に落ちた妻の服の上には木の実がいっぱい落ちている。/つらい一日を終えて家に帰り、バスルームに入ると、浴槽がカブで一杯になっている。暗澹たる思いでキッチンに向かうと、今度はキリンがエプロンを着てレンジの前に立っていて…。/一人の男がレンタルで熊を二頭借りる。「あんたたちどっちでもいいから俺とセックスしないかね」と熊に持ちかける男。持参した輪で遊ぶのを止めて、互いをちらっと見やる熊たち…。
この本の中では、動物たちもまた何ともユーモラスで重要な役割を占める。悪夢であればあるほど、その存在は滑稽であり、時に吹き出してしまうほどの可笑しさがある。
本書を読み終えた後、偶然にもアメリカ人の友人からPotter社から出版されている英語版「A Man Jumps Out of an Air-plane」を借りることとなった。その裏表紙にはこう書かれている。
「バリー・ユアグローは、ディビッド・リンチのシュールな日常とモーリス・センダックの月夜との間の何処かに横たわる、未知の世界を持つ作家」。
読まなきゃ損!の楽しい一冊である。
低い評価の役に立ったレビュー
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2003/06/16 12:02
ストーリーよりもムードを楽しむ本
投稿者:PNU - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題作含む前半は、一瞬の場面のみ描写する超短編がつづき、いささか退屈してしまった。夢のように、まさにヤマなし、オチなし、イミなしなのである。しかし、これが「自らの夢を題材にしない」ポリシーで書かれたことは、驚嘆に値する。なぜなら、或る精神疾患や、健常人でも夢の中に特徴的な妄想着想がこれでもかと描かれているからだ。
後半の「父の頭をかぶって」は、親と自分に焦点を絞った奇怪な物語が多く、そこそこ楽しめた。
紙の本
イマジネーションをかき立てられる一冊
2004/01/13 15:13
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:pon-michael - この投稿者のレビュー一覧を見る
一人の男が家に帰ると、妻がリスと一緒にベッドに入っている。床に落ちた妻の服の上には木の実がいっぱい落ちている。/つらい一日を終えて家に帰り、バスルームに入ると、浴槽がカブで一杯になっている。暗澹たる思いでキッチンに向かうと、今度はキリンがエプロンを着てレンジの前に立っていて…。/一人の男がレンタルで熊を二頭借りる。「あんたたちどっちでもいいから俺とセックスしないかね」と熊に持ちかける男。持参した輪で遊ぶのを止めて、互いをちらっと見やる熊たち…。
この本の中では、動物たちもまた何ともユーモラスで重要な役割を占める。悪夢であればあるほど、その存在は滑稽であり、時に吹き出してしまうほどの可笑しさがある。
本書を読み終えた後、偶然にもアメリカ人の友人からPotter社から出版されている英語版「A Man Jumps Out of an Air-plane」を借りることとなった。その裏表紙にはこう書かれている。
「バリー・ユアグローは、ディビッド・リンチのシュールな日常とモーリス・センダックの月夜との間の何処かに横たわる、未知の世界を持つ作家」。
読まなきゃ損!の楽しい一冊である。
紙の本
悪夢のカタログ
2002/07/07 10:51
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あおい - この投稿者のレビュー一覧を見る
超短篇179本を収録した傑作集。
「賭けをした男が牛の体内にもぐり込む。もぐり込んでみて、結局そこに居座ることにする」(牛乳)
「二人の娘が大きな水槽に閉じこめられている。鍵を開けてやりたいと思うが、どこをどうしたらいいのかわからない」(水族館)
「私の父が魔法の絨毯に乗ってやってくる」(魔法の絨毯)
など、冒頭を読むだけでわくわくするが、これらがすべて文庫本で一〜二頁の分量の掌編として描かれているのである。作者はパフォーマンス・アートで名を挙げた人物なんだそうで、なるほど即興性に溢れたストーリーテリングは、とても透明な音楽を感じさせ、とても短い物語であるにもかかわらず、読後感はしっかりしていて、一気に通読するよりも、年代物の洋酒のように、一篇づつゆっくり楽しみたい気分にさせる。
紙の本
ストーリーよりもムードを楽しむ本
2003/06/16 12:02
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:PNU - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題作含む前半は、一瞬の場面のみ描写する超短編がつづき、いささか退屈してしまった。夢のように、まさにヤマなし、オチなし、イミなしなのである。しかし、これが「自らの夢を題材にしない」ポリシーで書かれたことは、驚嘆に値する。なぜなら、或る精神疾患や、健常人でも夢の中に特徴的な妄想着想がこれでもかと描かれているからだ。
後半の「父の頭をかぶって」は、親と自分に焦点を絞った奇怪な物語が多く、そこそこ楽しめた。