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高い評価の役に立ったレビュー
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2009/04/07 21:29
家族っていいですね
投稿者:朝ぼらけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
江國さんの作品は、いつも不思議なふんわりとした雰囲気をまとっている。
色で言うと真っ白という感じ。
誰の手垢も、日焼けの跡もまだ無い、真っ白な壁をなぜか思い出す。
この作品は、両親と四人姉弟の六人家族の、ある晩秋から春までの日常を描いた作品。
それぞれに個性的で、ちょっと変わってる家族です。
日々いろんな出来事が起きるのだけど、あまり起伏を感じることなく実に坦々としている。
もし自分がこの家族の一員だったら、姉や弟の心配で気が休まらず、胃のキリキリするような毎日だろうと思う。
なのに読み進めれば進めるほどに、この家族が羨ましく見えてくるのだ。
それは多分、この家庭に居心地のよさのようなものを感じるからなのだろう。
この六人にしか作り出せない、この家庭ならではの居心地のよさ。
だからか、自分はこの家庭には絶対に入り込めないと感じる妙な疎外感に、少し寂しい気持ちにもなった。
家族って、家庭っていいなと改めて感じる本当に素敵な作品。
何があっても、最後には自分を丸ごと受け止めてくれるのはやっぱり家族なのだろう。
家族という絆は、不思議で面白いですね。
ミステリーを匂わすこのタイトルは少しずるいなあと感じますが、
本書を手に取るきっかけをくれたから良しとします(笑)
本当に読んでよかったです。心が温まりました。
低い評価の役に立ったレビュー
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2001/09/07 02:38
変な家族の話、だからかちかち山なのか?
投稿者:takumi_y - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者みずから変な家族が書きたかったと仰っているとおり、変な家族の話。
一年前に結婚して家を出た一番上の姉そよちゃん、短大を卒業後就職して、給料を貰うたびに家族みんなにプレゼントを贈ることを常としている次姉ことちゃん、そしてフィギュアを作ることを(あくまでも作成することを)趣味にしている弟の律。深夜の散歩を唯一の日課にしている、主人公。母は、食卓に野趣溢れる装飾を施し、誕生日のプレゼントにと9ヶ月前からハムスターをねだる。父は規律正しくあることを頑なに自らに課している人だし、とかくこの家族誰をとってもちょっと変だ。家族それぞれに家族の形態とか兄弟関係が存在しているというのは興味深かった。互いにあるがままを受け止めているこの姉弟に流れている特殊な空気はとても好ましい。
でも他人の家庭を覗き見する以上の面白味は感じなかった。やっぱり向かないのかな、こういう日常物語は……。みんなちょっと特殊なので、何やっても傍観者の位置でしか見られなかったからかな。こういう人と付き合ってる深町君は一体何考えてるんだろうというのに一番興味を引かれました。
ちなみに表題はかちかち山の狸が隠した骨の事なのだそうですが、いまのかちかち山は残虐性を薄められて、狸の悪戯がとてもかわいくなっているのであれ読んでる人には意味わかんないんだろうなーと思ったのでした。こうしてジェネレーションギャップは作られる………?
紙の本
どの家族にも、何かしらの事情はある
2015/08/27 02:24
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投稿者:夜メガネ - この投稿者のレビュー一覧を見る
というと、当たり前すぎるのだが、少し嫌なことがあると大抵の人は他人の方が幸せに見える。
江國さんの作品は結構読んできたのだが、レビューを書こうと思うとあまり感想が浮かばなかった。
理由は、これ以外の作品の主人公はたいてい、
恵まれ・守られ・思い込み・退屈し・過去と恋愛に生き・受動的な女性ばかりだったと気付いた。
つまり、印象が似たり寄ったりだった。
今作では末っ子長男の律なくしては精彩を欠く。
(律っちゃん=フィギュアは今でもしっかり覚えている。)
家庭内にスポットが当たった温かい作品。 恋愛もの以外が読みたい方にお薦め。
紙の本
江國的(?)視線と感性にあふれた作品
2002/01/27 19:04
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投稿者:トシ - この投稿者のレビュー一覧を見る
女の人の書いた小説をあまり読まないせいだろうけれども、江國香織の小説は僕にはとても新鮮な感覚を与えてくれる。ものごとを見る視線というのがとにかく僕はもっていない視線なのだ。女の作家でも、柳美里や田口ランディなどはどちらかというと観念的に書く部分があるので僕としては馴染みやすい。しかし江國香織は観念ではなくもっと感覚的なところで書いていて僕の感覚とのズレというのがとても面白いのだ。
たとえばこの本では母親と子供たちが午後にお茶を飲むシーンがたくさんでてくる。「母の入れるコーヒーはとても濃い。だから私はすこしずつ、ゆっくり時間をかけて飲む」などという描写。お昼にゆっくりお茶を飲むなんて僕はいつからしていないのだろうか。しててもそんなこと僕には心に残らないような気がする。でも江國香織はこういうところから描いていくのだ。僕にはそういうところが新鮮で、それでいて少し懐かしいような好ましい気分にさせてくれる。
この本は、ある家族におこったいくつかの出来事を描いたものだが、全体としてのストーリー展開が明確にあるわけではなく、それぞれの人物とその家族のありようそのものを描いている。この家族は母親も、子供たちもそれぞれ少し変わっている。でもそれは決してエキセントリックなものでも、屈折したものでもなく、とても自然なものだ。外から見れば変わっているが、本人たちにしてみれば当たり前のことなのだ。そういう人たちの素直なありようや、そんな個性的な人たちが衝突することもなく互いに認め合って暮らしているこの家族のありようの面白さ、好ましさ、さらにはそういう人達に対する江國香織の暖かい視線がこの小説の面白さだろう。
紙の本
普通ってなんだろう
2023/03/16 11:12
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投稿者:みみりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
江國香織さんの本は、いつもみんな変わっているなぁと思う。
それは江國香織さんご自身が変わっているのだろうか。
それとも、江國香織さんも「この家族って変わっているな」と思いながら書いているのだろうか。
うちの家族なら、例えば律のようなフィギュアを作ったら許されない。
こと子みたいに、大学にも行かずに就職もせずに、は許されない。
それが普通だと思っていたけれど、この本を読んでいると、
「普通ってなんだろう」と思わせてくれる。
紙の本
変な家族の話、だからかちかち山なのか?
2001/09/07 02:38
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投稿者:takumi_y - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者みずから変な家族が書きたかったと仰っているとおり、変な家族の話。
一年前に結婚して家を出た一番上の姉そよちゃん、短大を卒業後就職して、給料を貰うたびに家族みんなにプレゼントを贈ることを常としている次姉ことちゃん、そしてフィギュアを作ることを(あくまでも作成することを)趣味にしている弟の律。深夜の散歩を唯一の日課にしている、主人公。母は、食卓に野趣溢れる装飾を施し、誕生日のプレゼントにと9ヶ月前からハムスターをねだる。父は規律正しくあることを頑なに自らに課している人だし、とかくこの家族誰をとってもちょっと変だ。家族それぞれに家族の形態とか兄弟関係が存在しているというのは興味深かった。互いにあるがままを受け止めているこの姉弟に流れている特殊な空気はとても好ましい。
でも他人の家庭を覗き見する以上の面白味は感じなかった。やっぱり向かないのかな、こういう日常物語は……。みんなちょっと特殊なので、何やっても傍観者の位置でしか見られなかったからかな。こういう人と付き合ってる深町君は一体何考えてるんだろうというのに一番興味を引かれました。
ちなみに表題はかちかち山の狸が隠した骨の事なのだそうですが、いまのかちかち山は残虐性を薄められて、狸の悪戯がとてもかわいくなっているのであれ読んでる人には意味わかんないんだろうなーと思ったのでした。こうしてジェネレーションギャップは作られる………?