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みんなのレビュー28件

みんなの評価4.2

評価内訳

高い評価の役に立ったレビュー

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2014/06/01 14:57

明治の矛盾と美とがここにある

投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る

泉鏡花の代表作なんだそうだが、おかげさまで1960〜70年代の幻想ものブームで「高野聖」などの評価が高まり、「婦系図」はもう誰も覚えてない気もする。いや舞台化されて「別れろ切れろは芸者の時に」という台詞でも有名らしいが、それと「高野聖」を結びつけるのはむつかしい。
しかしその美しきものの描写、艶やかさには通じるものがありそう。まず生地や柄の説明から入る。帯やら足袋やら髪型やら、振る舞い、仕草に続いてようやく口をきき、伝法な口調で可愛らしげなことを言うのだ。
男は身請けした女と暮らしながら師匠の娘にも未練の残るだめ男で、そんな男の強さも弱さも知り抜いて、心底尽くしてしまう女心が感情移入して泣けるポイント、それが舞台で凝縮されて生まれたのが有名な台詞なのだろう。ここまでが前篇。
後篇は一転、東京を離れた男は、だめ男ならぬ色男の実力を果敢に発揮して、女性の人格を軽視する既成の価値観を指弾するという挙に出る。
なんだって急にそんなことを思いついたのかよくわからない。ただ彼は色男なりに、女性達の怨念を背負っている。その女性達を巻き込むドラマがまた、はらはらどきどきで目が釘付けなのだ。
家のために女性を犠牲にするという江戸時代のような価値観が、この明治にどのくらい残っていたかよく分からないが、メロドラマの結末には説得力ありありなのには違いない。尽くしきった女性を振り切った男、その後も煮え切らない態度でいらつかせることおびただしいが、実は積もりに積もっていた悲しみを振り切って大逆転する姿にほろりとするものもあるのかもしれないが、よく分からない。
どろどろの恋愛ドラマに、社会ドラマ要素を盛り込んで、とにかく大ヒットしたのだから、構想は大成功。だけど読後感としては、登場する女性達の、華麗でもあり、時に泥にまみれても執念深く、生き抜こうとする清々しい姿に、時代の過渡期の捻れた世間に負けない、しなやかさを感じる。それが時代の生んだ強さなのかもしれず、作品も主テーマであったと言われれば、その方が強く納得できる。

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低い評価の役に立ったレビュー

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2018/12/28 20:18

演じられたものも見てみたい。

投稿者:ROVA - この投稿者のレビュー一覧を見る

見たことがなく、前知識無しで『泉鏡花』にだけひかれて拝読。
やはり泉鏡花作品を読む時は内容そっちのけで音読してしまう。
全編は無論無理だけれども、ページを繰る度にいちいちどこか声に出してしまう。
どこを読んでもリズミカルで、美しい響き。泉鏡花のここが大好き。
ちょいちょい読めない字が出てきてもリズムで音数が想像出来る。
・・・さておき、本編はこれでもかと言わんばかりの悲恋もの。
訴えたいことも堂々たる語り口で見事なものだけど、個人的にオチが悲しくてなあ。

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28 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

演じられたものも見てみたい。

2018/12/28 20:18

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ROVA - この投稿者のレビュー一覧を見る

見たことがなく、前知識無しで『泉鏡花』にだけひかれて拝読。
やはり泉鏡花作品を読む時は内容そっちのけで音読してしまう。
全編は無論無理だけれども、ページを繰る度にいちいちどこか声に出してしまう。
どこを読んでもリズミカルで、美しい響き。泉鏡花のここが大好き。
ちょいちょい読めない字が出てきてもリズムで音数が想像出来る。
・・・さておき、本編はこれでもかと言わんばかりの悲恋もの。
訴えたいことも堂々たる語り口で見事なものだけど、個人的にオチが悲しくてなあ。

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紙の本

明治の矛盾と美とがここにある

2014/06/01 14:57

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る

泉鏡花の代表作なんだそうだが、おかげさまで1960〜70年代の幻想ものブームで「高野聖」などの評価が高まり、「婦系図」はもう誰も覚えてない気もする。いや舞台化されて「別れろ切れろは芸者の時に」という台詞でも有名らしいが、それと「高野聖」を結びつけるのはむつかしい。
しかしその美しきものの描写、艶やかさには通じるものがありそう。まず生地や柄の説明から入る。帯やら足袋やら髪型やら、振る舞い、仕草に続いてようやく口をきき、伝法な口調で可愛らしげなことを言うのだ。
男は身請けした女と暮らしながら師匠の娘にも未練の残るだめ男で、そんな男の強さも弱さも知り抜いて、心底尽くしてしまう女心が感情移入して泣けるポイント、それが舞台で凝縮されて生まれたのが有名な台詞なのだろう。ここまでが前篇。
後篇は一転、東京を離れた男は、だめ男ならぬ色男の実力を果敢に発揮して、女性の人格を軽視する既成の価値観を指弾するという挙に出る。
なんだって急にそんなことを思いついたのかよくわからない。ただ彼は色男なりに、女性達の怨念を背負っている。その女性達を巻き込むドラマがまた、はらはらどきどきで目が釘付けなのだ。
家のために女性を犠牲にするという江戸時代のような価値観が、この明治にどのくらい残っていたかよく分からないが、メロドラマの結末には説得力ありありなのには違いない。尽くしきった女性を振り切った男、その後も煮え切らない態度でいらつかせることおびただしいが、実は積もりに積もっていた悲しみを振り切って大逆転する姿にほろりとするものもあるのかもしれないが、よく分からない。
どろどろの恋愛ドラマに、社会ドラマ要素を盛り込んで、とにかく大ヒットしたのだから、構想は大成功。だけど読後感としては、登場する女性達の、華麗でもあり、時に泥にまみれても執念深く、生き抜こうとする清々しい姿に、時代の過渡期の捻れた世間に負けない、しなやかさを感じる。それが時代の生んだ強さなのかもしれず、作品も主テーマであったと言われれば、その方が強く納得できる。

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2006/06/10 15:27

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2007/02/03 02:20

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2007/10/13 03:03

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2008/06/23 17:17

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2008/10/18 02:36

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2009/05/30 21:29

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2009/12/12 01:24

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2010/09/27 15:23

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2011/04/03 00:05

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2012/02/01 01:21

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2012/03/22 17:36

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2013/02/10 17:37

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2013/05/18 10:38

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