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日の名残り みんなのレビュー
- カズオ・イシグロ (著), 土屋 政雄 (訳)
- 税込価格:1,012円(9pt)
- 出版社:早川書房
- 発売日:2001/05/01
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文庫 ブッカー賞 受賞作品
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電子書籍
コインには表と裏がある
2018/02/03 21:48
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投稿者:ねずみごっこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
大英帝国の中枢部で活躍した伯爵に、忠誠を誓い勤め上げた執事が、新しい主人・新しい時代の風に吹かれながら、一瞬だけ過去を振り返る、そんなお話である。
それだけで十分面白く感動的なのだが、何か若干物足りなさが残る。
ネットで他の方々の感想を探ってみた。やはり一筋縄ではすまされない話のようだ。
「星の王子さま」は万人に愛される物語だが、大人こそ味わえる含蓄があるように、この作品にもいろいろとありそうだ。
「ー日の名残りーを識者が読み解く」ような特集本が出たら、拝読し咀嚼したいものである。
出口治朗・佐藤優・ヘンリー・スコット・ストークスあたりで…是非!
電子書籍
仕事へのプライドと品格
2018/01/03 17:37
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投稿者:ピーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
丁寧な描写で淡々と語られる。
仕事へのプライド、その根底には品格を重要視して。
その二つの存在をもっている人の存在に立ち止まり考えたくなるような気がした。
重厚な作品。
電子書籍
すごい
2017/12/09 17:57
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投稿者:さつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
あのかずおいしぐろさんの作品です
ノーベル賞をとっただけあってさすがと思うような作品でした
紙の本
真面目な夕暮れ
2017/11/26 01:37
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投稿者:海の方が好き - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつ頃からであるか確かでないのだが、カズオ・イシグロの『日の名残り』は書評で取り上げられはじめた頃から記憶の片隅で気になる存在であり、読むべきと考える事が何度も有った。
なぜ気になる作品だったかといえば、やはり日本にルーツを持つ英国の文学者の高い評価を受けている著名な作品というところに魅力を感じたからだと思う。
それにもかかわらずノーベル文学賞受賞という先頃の報道に接するまで、いつかはと気長に構えて食指も決定的に起こらず未読であった。
それを受賞の大報道に推されてようやく読み始めて十日余りかかって昨夜読み終わったのである。
イギリス上流社会の伝統ある日常が執事である主人公を中心として重厚に、多面的かつ客観的に古典的な語り口で展開される物語だろうという私の予想は読み始めてすぐに裏切られた。
主人公である執事のスティーブンスの一人語りの回想によって物語が延々と進んでいくのである。
予想を裏切られたわりには一日わずかの読書時間ですらすらと驚くばかりにつかえるところが全くなく読み終えられた事には正直言って驚いた。
カズオ・イシグロの他の作品を全く未読なので見当違いかもしれないが、作者は意識して難解な用語表現や文章の書き方を排除している様に感じた。
その為に読み進めている途中で青少年向けの小説、ジュブナイルを読んでいる様な感覚さえ覚えた。本作の解説で丸谷才一がカズオ・イシグロはディケンズに師事していると書いているのがその様な事かと考えた。
不快感なく読み終える事が出来たもう一つの理由はこの物語が主人公の執事スティーブンスがロンドン近郊からイギリス南西部をある目的をもって旅するという映画で言えばロードムービー的な構造の物語であった事だろう。
主人公の回想によって物語られるこの作品では全ての登場人物は強烈な個性を読者に与えずに
その役割を明確に読者に伝えるべく主人公のスティーブンスによって整理されていると言える。
登場人物以外の物語の重要な舞台である『お屋敷』でさえ壮大な印象とは程遠い家庭的な印象にまとめられている。
なだらかに起伏するイギリスの田園風景の様に物語もおだやかに、なだらかに起伏しながら主人公スティーブンスはこの物語における唯一の目的といえるかつての同僚ミス・ケントンとの再会をどの様に果たす事が出来るのか。
そのクライマックスはあっけなく、しかし満足感を読者に感じさせながら自らの人生を振り返る事の意味を優しくおだやかに読者に語りかける。
紙の本
一番好きな本の一つ
2017/11/18 16:29
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投稿者:やもり - この投稿者のレビュー一覧を見る
この何とも哀惜/愛惜に満ちた語りが良い。引き込まれて離れない。
電子書籍
祝!ノーベル文学賞受賞。とても品のある話のように思えました。
2017/10/28 18:15
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投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
世間の騒ぎにはあまり乗りたくない性格をしているのですが、カズオ・イシグロのノーベル賞受賞というのだけはなぜか引っかかるものがあり、これを機会に読んでみることにしました。
1989年にブッカー賞を受賞したという本作が、カズオ・イシグロを知る上で適当な作品かどうかはよくわかりませんが、とりあえず手にした作品としては良かったのではないかと思います。
第二次世界大戦後のイギリスにある邸宅で働く執事スティーブンスが小旅行をする合間合間でのエピソードと過去の思い出の1人語りで綴られている本作は、始めから終わりまで「静かな」印象が漂っている話でした。
旅行中のエピソードはどれも良きイギリス人たちをあらわしているようで、今からわずか60年ほど前の時代であってももう感じることができない人と人との交流が描かれていたように思えます。
その間に語られるスティーブンスの元主人である伯爵が第一次世界大戦後のイギリスでとっていたヨーロッパ政治を舞台とした行動の数々や、スティーブンスの父親とのある種の葛藤、女中頭ミス・ケントンとの職務とプライベートの狭間で揺れるコミュニケーションの数々といった思い出話。こちらの方がこの小説のむしろメインであるのだろうとは思いますし、実際読んでいるとそこには一執事でありながら政治の世界を垣間見ていたり、少し足を突っ込んでいるという緊張感が伝わってきたり、ミス・ケントンとの一見他愛のないようなビジネスライクな会話の中に漂う情緒的な交流が伝わってきて、ついつい読み進めてしまいました。
こうした語り口も含めて、この作品全体に感じられるのは「品格」のように思えます。
この作品中にも何度かこの言葉は出てきますし、スティーブンスや他の人の口を借りて「品格」というのがいかなるものなのかということも語られていますが、そうしたことも含めて「品格」と呼ばれるものが人のありようとして大切なものだと思われていた時代の話なのではないかと思えました。
そして、21世紀の今、この「品格」がどこかへ行ってしまっているのではないかと思えたりもするのです。
ノーベル文学書は作家に与えられるものであり、ある特定の著作に与えられるものではないので、今回カズオ・イシグロがどのように評価されたのかはわかりませんが、少なくともこの作品を読むと何となくどこを評価されたのかわかったような気もしました。
もう少し他の作品も読んでみようと思います。
紙の本
ジーン
2017/10/26 09:09
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投稿者:HIRO - この投稿者のレビュー一覧を見る
イングランドの美しい光景が目に浮かんでくる。
表現が非常に美しい。
電子書籍
印象的な作品
2017/10/21 21:46
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投稿者:ポッター - この投稿者のレビュー一覧を見る
味わいのある作品。イギリスの執事の目線からの小説でありますが、仕事に対する考え方、又それに連なる生き方は、非常に参考となった。
伝統の重みを感じると共に、だからこその率直な苦悩が見られた。最後も映画のラストのような印象的な場面であった。
紙の本
品格のある執事の物語
2017/10/19 17:39
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投稿者:ME - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者がノーベル賞を受賞したと聞き、書店では売り切れが続出したが、電子書籍はこのような時非常に便利と思った。早速読んだが、主人公の語りによって進まれる物語は、品格があり、戦前のイギリスの古きよき時代や思い出が語られていると感じた。日本では明治時代?であろうか。古い郷愁にばかり浸っているのはよくないが、それが似合うのがイギリスであろうか、と感じた。最後になるが訳書で読んでいるので、素晴らしく格調高い訳文だったことも付記しておきたい。
電子書籍
たられば
2016/01/30 20:49
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:満点 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人生は一度きり。「たられば」はいかんですね。