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グスタフ・アドルフによる軍制改革の完成、これを読みたくて手に取った本ですが、全体的にも非常に面白かったです。特にスイス傭兵やランツクネヒトがヨーロッパを席巻していたというのは興味深かったですね。
そして傭兵に代わって常備軍が、まず商業が発達していたオランダで導入され、マウリッツが近代的な軍制改革を行う。その流れを受け継ぎ、完成させたのがグスタフ・アドルフです。彼が作り上げたスウェーデン軍の強さは三十年戦争で実証されます。
傭兵という視点から見る中世~近代のヨーロッパ史もまた、味わい深いものがありますね。
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傭兵は人類最古の職業だとか。近代〜現代に至る常備軍制度が成立する前の戦争の担い手は、期間労働者である傭兵でした。つまり彼らが歴史を動かしてきたのです。本書はこの傭兵の歴史を簡潔にまとめた良書です。
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『傭兵ピエール』を読むついでに参考になるかと思いつつ読んでみた一冊。ヨーロッパにおける「傭兵」の歴史上の影響について論じる。
傭兵は娼婦に続いて世界で2番目に古い職業。ローマ帝国滅亡の要因の1つに、ゲルマン人傭兵の増加があったことは有名である。また、中世の宗教勢力と王侯勢力の対立、ルネサンスと宗教改革の時代、近代国民国家の成立といった歴史の転換期には必ずと言っていいほど傭兵が絡んでいたこと。
興味深かったのは「ランツクネヒト」という主に貧農の次男以降から構成される傭兵部隊について。兵士集会と呼ばれる現在の労働組合に似た民主主義的な傭兵の組織があること、現在のベンチャー起業家のような感覚でランツクネヒトを立ち上げる者が多かったこと、酒保商人という食糧だけでなく、武具や雑貨、女に至るまで提供する御用達商人が存在したというのは知らなかったので驚きである。
他にも興味深い記述はある。また、三十年戦争による中間層(領主、諸侯層)の没落で王権の絶対化が進んだ頃にも傭兵は深く時代に関わりを持っていた。
有名なボヘミアの傭兵隊長・ヴァレンシュタインが神聖ローマ帝国皇帝から徴税権を獲得し、略奪の合法化と効率化を進めた上に、ユダヤ人金融資本家から融資を受けて15万人の傭兵隊を組織する。また、ヴァレンシュタインと戦ったスウェーデン王であるグスタフ・アドルフも自国の人口100万人の内、13万人を徴兵しようしたところ、欠員が出たためにそれを外国人傭兵で補った。三十年戦争は傭兵同士の戦争でもあったのだ。
近代になると国家の一体化という観点から徴兵制を導入する国が増加する。一方で傭兵の出番が減り、20世紀以降、組織や兵器の専門化が進むと志願兵制の国が増えて、活躍する傭兵が再び出てくるなど、軍隊を取り巻く環境も目まぐるしく変化する。今後どうなるやら…
著者は日本史と対比させて語るのが好きなようで、わかりやすく解説してくれている。なかなか勉強になった一冊。
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高校時代が日本史専攻だから人名をすぐ忘れんなー。
現代の世界の動きを判断するのに歴史勉強は必須なのでー。
あとは個人の備忘録。
スイス誓約同盟
クオリフォン
フリードリッヒ一世 バロバロッサ 赤髭王
マクシミリアン一世
ランツクネヒト
ゲオルク・フォン・フルンツベルク
カルヴァン主義(改革長老教会)
ナントの勅令
ユグノー戦争
マウリッツ・オライエ
グスタフ・アドルフ
ヴァレンシュタイン
フリードリッヒ大王
マリア・テレジア
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傭兵史を俯瞰する形でコンパクトにまとまっていてよい。
ファンタジーで傭兵や傭兵団を出す人は、自分の書くものが
どの辺に近いのかを把握するとよいと思う。
私の書いているアレクトー傭兵団は、「血の輸出」と言われたスイスが
モデルですが、うん、傭兵史という流れの中で、どういうものだったのか
位置づけられているのを読むと、なかなか興味深かった。
スイスに時計産業が発達した一つの理由が、傭兵史に見えて来るとは
なかなか事実は小説よりも…。
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20120321-0326
旦那のお勧め。テンポよくまとめられている。世界史で習ったキーワード的な出来事(ドイツ30年戦争や農民戦争、神聖ローマ帝国の解体など)と、傭兵の活躍がうまくリンクしていてとても興味深く読めた。出来れば近現代の傭兵についてももっと詳しく触れてほしかったな。
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古代ギリシャからナポレオンの時代に到るまでの傭兵の歴史の概説。基本的には封建制度の中で、ニッチ産業として発達した傭兵が近代には巨大な勢力となったけれども、国民国家の誕生によって意義を失っていく……ということが書かれている。ただ、傭兵という業種は滅びず、現代のイラク戦争にまで伝統は続いている。
私が思うに、兵隊の活用が制限されると、制限外の活動を金で請け負う「傭兵」が栄えるのかな。現代のアメリカ軍が雇う傭兵的な警備会社や、フランスの外人部隊なんかは、そういうイレギュラーなことを遂行するのが主な目的になっている。士気と規律で雁字搦めになった軍隊とは別の「傭兵」という枠組みから目を逸らしてはいけないと思う。
ヨーロッパの傭兵の歴史がこの一冊でだいたい分かるので、その点ではお得な一冊だとは思うものの、アジア(中国と日本)についての記述がないのはマイナス点。この辺りの研究が立ち後れているからかもしれないけれど。
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一昔前、柘植久慶という元フランス傭兵部隊の人のノンフィク本を結構読んでいて、そんなイメージを持って読んだのですが……。あ、あと、新潮文庫で出ていたA.J.クィネルの『燃える男』とか。
2000年前のギリシア時代の傭兵とか、ローマ時代の傭兵とかの殺伐とした背景をざっくり切り取った内容で、大まかすぎて面白いやら何やら今ひとつな印象です。近世に入ったら、面白くなることを期待。
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流れを掴む程度で良いので傭兵の歴史について知りたい。と思っていた時に出会えたこの本は読みやすくわかりやすく、ヨーロッパ軍事史に深く食い込む傭兵という存在を知る入口が欲しかった私の要望に十分応えてくれました。そういえば『アルプスの少女ハイジ』の原作ではアルムおんじが傭兵稼業をやっていた設定があったような? なんて事も思い出し、ハイジの舞台となったスイスでは傭兵輸出が国家産業だった時代が長い間あった歴史背景を改めて知り、無茶に思えたその設定が実は自然な成り行きだったという事も今になってようやく理解できました。
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中世から近代にかけての戦争をマイルストーンとする歴史を、傭兵という仕組み・制度を通して概観できる。最終章が少し軽んじられた印象。
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弟くんからの紹介本、というか強奪本。
『民間防衛』について熱く語ったら紹介してくれました。
相変わらずよく分からん引き出しを持ってる子である。
まず、言いたい。
巻末に年表が必要だと思うの!絶対。
時代感覚が分からんまんま読んでしまったよ…。(調べろよ。)
今まで概観で歴史を見てきてるので、ひとつの視点から見直すのは面白いよね。
「宗教」という視点ではやってみたことあるけど、「軍事」から見るのも面白そう。
まあそのためには概略の知識が必要だけどさ。
スイスの永世中立国としての固い決意は、400年にわたる「血の産業」を経た故なの…か?
惜しむらくは。
軍事(傭兵)の変遷から近代ナショナリズムを考える、ッてゆうテーマは凄く面白いと思ったけど、その割にはソコについての内容が少なくない?というコト。
フランス革命が端緒、という結論…?
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傭兵の歴史について簡潔にまとめた本。
スイスはユグノー戦争でフランスから時計職人が逃げてくる前までは、傭兵しか産業がなかったとか、へぇと思うことが多かった。
近代軍の父がルイ14世と言うのも意外だった。
傭兵の兵站とか徴収とか以外と判らない部分も明らかになっていて、非常に面白かった。
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ハプスブルク家12の物語と並行して読んでてあの戦争の裏でこんなことが!と舞台裏の一幕を覗いたようで中々楽しかった と思ったら参考文献に本書が
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「ナショナリズムの成立の仕組みをそのナショナリズムとは無縁の傭兵たちの歴史を見ることで逆説的に探った」一冊。
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傭兵の歴史を追うことで近代ナショナリズム成立を探る、は面白い視点なんだけど。
ヨーロッパ通史を前提に進むから、その辺がうろ覚えな私は「この時代のこの国、どこと仲良しだっけ?」「なんでこの王様、この国にしゃしゃって来るんだっけ??」とストレスフル。いい復習になりました。。。
「ナント勅令」で追い出されたユグノーがスイスの傭兵産業から時計産業への転換契機となった、ってのが印象的だった。