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お母さんが地に足のつかない感じなんだけど、それも魅力的。
そんな母と娘の生活と思いを、双方の視点で描かれていて、おもしろかった。
曇った日の海と空の色みたいなイメージがあります。
最後が良くて、おとぎ話のようで印象に残りました。
江國さんの本は、結婚してから鋭さや不安定な感じが薄くなって、やわらかさや少し淡い明るい色みたいな感じになってすごく良くなった気がします。
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『骨ごと溶けるような恋』をした人じゃないと、この気持ちは分からないんじゃないかと思います。
恋愛未経験の私には、申し訳無いくらい理解できません。
表面上は甘く、でも本当は情熱・憎悪、そして狂気に満ちている恋。
恋は盲目、とはよく言いますが、この本ではその表現がピッタリのような気がします。
恋愛一つで、人間は大きく変わってしまうものなんですね。
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海の近くに住みたいなぁ。
葉子さんの真似をしてショートカットにしたいなぁ。
好きな人の背骨の形を確認したいなぁ。
・・・などと思った。
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読んでいて、苦しくなる本。シングル・マザーと、その娘の視点で、交互に語られる物語。彼女は「あのひと」が自分を見つけてくれるのをずっと待っている。娘に、彼女の父親のすばらしさ、自分たちの恋のすばらしさを語り続ける。でも、ふたりは決してひとつの場所になじむことなく、「神様のボート」に乗って旅を続けていく。
彼女の恋はとても美しい。でも、それは娘にとっては残酷だ。変わることのないものを心の中に持っている彼女の視点を、成長し続ける娘の視点が追い越していくところが、たまらなく悲しい。謎めいた、悲劇を暗示しているラストも切ない。作者自身が危険な本といっているけど、この物語が美しく読めてしまうところが、一番危険なんじゃないだろうか。もし、こういう人が身近にいたら、やっぱり許せないなって思うはずだ。
彼女の愛読書が推理小説というのが説得力があった。きっと彼女は、いつも犯人に感情移入して読んでいるんだろうな。
2004/12/10
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母と娘の物語ですが、母親の気持ちがよくわからない。性別が違うからなのか恋愛経験が不足しているのかはなのかはわかりませんけどね。文章的には上手で読ませる小説になっています。
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江國香織さんに出会った初めての本
狂気とも思える愛を貫く母親と
それを見て育った父を知らない娘のストーリー
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のんびりとしたムード。
しして母親と娘の話でありながら
これは狂気の恋物語です。
「娘視点」と「母視点」が
うつりかわりながら物語が進むところが
今までの江國作品との大きな違いです。
静かな恋愛の炎を感じることができます。
おしゃれな気分に浸るのにもピッタリです。
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いろんな景色をみせてくれる作品。
甘く緩い物語。
『1度出会ったら人は人を失わない』
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江國香織は短篇より長篇が好み。
子供だった草子が自我に目覚め、「
あのひと」を待ち続ける母親から
逃れるすべを探す。最後は船着場を
見付けたようだけど、案外草子も
母親と同じ道を歩みそう。
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たまにすごいボロボロ泣いちゃったところがある。草子の成長ぶりがすき。これもホリー・ガーデンとおなじぐらいすき。
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好き嫌いが分かれる話みたいだけど、わたしはすごく好き。
彼女の書く女性というのは、現実に生きている感じがしない、いつでも今いる場所を捨ててしまえる危うさや淡々とした狂気、こそが何よりの魅力だと思う。
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昔、ママは、骨ごと溶けるような恋をし、その結果あたしが生まれた。――1人の男を待ち続けるが故に、転々と住処を変えて暮らす葉子。その純粋な愛は、ある意味狂気でもある。葉子って、母親っていうよりも、女なんだろうな。きっと、子供の中に見ているのもその男の人なんだと思う。こんな優しい狂気に満ちた母親に育てられる子供ってどうなんだろう…?草子が大人になってどんな恋愛をするんだろうなって思ったりした。生活感のない不思議な空間の物語。
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前情報なしで読んだら、すごく怖い話でびっくりした。周りの人たちにとって、自分はもう「箱の中」のことだったと気づくのは怖い。
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土地に慣れずに、転々と引越しを繰り返すことで自分を保っていた葉子と、それに振り回されていることにだんだんと気付きだす草子の心の変化が如実に現れてて、すばらしい作品だと思う。ただ、葉子は好きになれない…
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切ない。やりきれない。一度ボートに乗ってしまったからもうもどることはできない。ラストにホロリとホッとしました。