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そこまで書かなくてもいいじゃないかと思うほどの描写はとても素敵で僕の拙い想像力でもしっかりとイメージできるのです。正直、ヘミングウェイとその周りのバブリーな話しはあまり好きじゃないから、退屈な気持ちがあったことも否めない。
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面白かった!
ヘミングウェイは老人と海の良さがあんまりわからなかったからあんまり期待せずに読んだけど、ばっちり楽しめた。もう一回老人と海読んでみるのもいいかもしれない。
スペインの闘牛を見に行った男女が繰り広げる恋愛劇?こういうと全然おもしろくなさそうやけど…。
割とみんな経済的にも性的にも享楽的で、後先のことを考え無い感じ。
そういう世代をロストジェネレーションの作家たちっていうらしいけど、同じロストジェネレーションの作家でもフィツジラルドとかとは大分感じが違った。もっとクールだった気がする。ギャッツビーとコーンの描かれ方の違いを見てもそう思う。
どちらももう時代遅れになってしまった価値観や夢を信じている人物だと思うけど、ギャッツビーがあんなに魅力的だったのに対して、この小説でのコーンは悲しい間抜けだった。
あと、主人公が性的に不能なんだけど、それで女性たちとの関わり方がすごく新鮮に見えた。どうやっても報われない雰囲気がずっと漂っていてそれは結局最後まで続いた。
別に性的に不能でも幸せに女性と結ばれることは全然可能だと思うけど、作中の退廃的な雰囲気と相まって「どうしようもない」って言う感覚が妙に説得力を持ってた気がする。
印象に残ったシーンはビルが酔っぱらって犬の剥製のジョークをいうところと、ブレッドが闘牛士とどこかへ出かけた後の男三人の雰囲気、そしてラストシーン。あとはブレッドがワイワイ騒ぎの最中にふいにみじめな気分になるところとか。
闘牛についての説明はなんかくどくてうんざりした。これはまあ単なる好みの問題か。
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第一次世界大戦の終結とともに訪れた理想の消滅、どこに進むべきかもわからないまま享楽に沈む若者たち、これを文学ではロストジェネレーションと呼びなし、それに属する作家も多く生まれたわけだが、ヘミングウェイはその代表格といえる作家だ。同世代の作家では、フィッツジェラルドは大好きなのだが、ヘミングウェイはどうも肌に合わない。若者たちの間に彼が描くような心のよどみを持ち、それでいて自分の生き方に妥協をしていなかったものたちがいて、彼らにとってヘミングウェイの小説は、ノスタルジーとして熱烈に支持されたことは想像に難くない。ただ、それが今の日本に生きるぼくに響くかというとそうでもない。時代と場所を越えて読まれるような作家ではないと思う。主人公のジェイクとブレッドの間には普通の男女には見出しがたい友情がみられるけれど、それはジェイクのインポテンツを媒介にしているようで、なんだか爽やかではない。
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その時代のアメリカの若者のことは何も分からないけど、きっとうまく表現されているのだろう。馬鹿騒ぎの中の虚無感。何年も前に最初に読んだ時は浪費を淡々と描いただけぐらいにしか思わなかったけど、読み返すことで味がでた。
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失われた世代の悲しみを表現した文体としてのハードボイルド、というのは、実は私は『老人と海』を読んだときには殆ど感じず、むしろ映画的な外面による描写と、肉体に対する感情移入感覚を組み合わせ、かつてないダイナミズムを表現したやり方なのではないかと思ったのだけど、こちらを読んで多少納得がいったような気がする。
中心となるのは戦争によって性的不能となった主人公ジェイク、その主人公に惹かれているらしい女主人公ブレットの二人だ。彼らは友人たちと共にスペイン旅行に行くのだが、その先々で主にブレット巡って小さな騒動が起こる。旅行先のスペインは祭りの真っ最中であり、騒動はその盛り上がりにあわせて作者によって仕掛けられている。祭りのクライマックスでは、ジェイクの友人でありまたブレットに強く惹かれているコーンの爆発のシーンも重ねあわされ、ブレットはとうとうある一人の若い闘牛士と駆け落ちしてしまう。だが祭りが終わるとその恋も終わったらしく、ジェイクの元にブレットから迎えに来てくれと電報が届く。最後にブレットは自分とジェイクなら楽しくやっていけるはずなのに、というが、ジェイクはそれに対して、「そう考えるだけでも楽しいじゃないか」とだけ答える。その一言を以って、物語の幕は下りる。
結末もそうなのだけど、この小説においては倫理的な着地点というのが取り払われている。結論まで言わない、というよりも、その先は「ないよ」と言いながら進んでいくような感じ。ハードボイルドといわれる文体も、一見緊密で緊張感あふれる文体であるかのように見えるけれど(実際読んでいて感じるのはそういう効果だけど)、その実意味がひどく欠落した文体なのではないか、とも思えた(決して悪い意味ではないので、勘違いしないでほしいけど)。ぽつり、ぽつり、とつぶやかれるような言葉は、うまくつながってくれない。文脈を形成する前に、一文一文が手から零れ落ちてしまうような感じがする。だから落ち着くところを知らない。落ち着くところは知らないのに、前進だけはやめない。その運動の様子は物語の展開とも連動しているようで、たとえばジェイクとブレットはジェイクが性的不能であるがゆえに絶対に結ばれ得ないのだけど、一方でブレットはジェイクという存在があるからこそ無限の放蕩が可能になっているとも見えなくない。ジェイクの喪失が、ブレットを放蕩に追いやる。だけどブレットは常に失われたジェイクという実存を中心に持っているから、結局その運動はジェイクへの着地を試みざるを得なくて、他の着地点を見出すことができない。喪失が熱狂を可能にしている構造。ヘミングウェイが描こうとしたのはこれであって、このためにこの文体が発明された。予備知識も参考資料も一切なしに独断と偏見でいってるけれど、そんな気がします。
で、そのうちにこの文体が、一つの倫理的着地点を定めることに気がついた。それがありのままの自然に位置づけられた人間の存在であって、ここで文体の効果はその方向性をがらりと変える。人間倫理的な意味が取り払われた文体は自然倫理的な意味を呼び戻し、それによって綴られたのが、『老人と海』であった……なんてストーリーが成り立ったら嬉しいなあ。���論その他全然読んでおらず、作品そのものもまだこれでようやく二作読み終えたというところだから、多分覆されるでしょうけど。
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自堕落というか、野放図というか。とにかく憧れは抱けなかった。コーンの酷い扱いも、単純になぜ友達を続けているのか不思議。気分が悪かった。
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明けない夜はない、とよく言いますが、
明けてほしくない夜もまたあります。
一生デスヴォイスを聞いて過ごしたい朝があるように、
常に同じことをしておきたい時間が誰しもあります。
でも、永遠に続くものはないのです。
戦争によって破壊された街は復興するのと同じように、
日はまた昇るのです。
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自分にとってのヘミングウェイのベスト3の1つ。
スペインに行ったときに,ヘミングウェイの足跡をたどる時間がなかったのが残念。
一見、暗そうな話の中に、希望が見えて来るのがヘミングウェイの人間性の証しなのだろうか。
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1920年代のヘミングウェイの実体験とも言える作品。
禁酒法時代のアメリカを逃れパリに流れてきた奔放な
男女がフィエスタで沸き返るスペインへ流れる模様。
その中の酒場、闘牛、そして釣りのシーンは他の短編作品
でも見られる目前に浮かぶかのごとく迫ってくる。
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名前は聞いたことがあった。
ヘミングウェイの小説はどれも面白いやつばかりだったので、今回も期待していたが、何か不完全燃焼に終わってしまった気がする。
結局最後まで話の方向性が見えなかったというか・・・。
単純に自分が合わなかっただけかもしれないが。
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正直、よくわからなかった。未熟だなぁ。
解説を読んでなるほどなぁと思った部分はあったが…
要するに時代背景とか、その時代にこういう話を書いたヘミングウェイという人を知っていれば、もっとこの作品の意義も感じ取ることができたのかもしれない。そういう意味では、解説から読むのもありなのかも。本人を投影しているジェイクの心情を振り返ると、さすがだなぁとわかるところもあった。
『老人と海』のほうが純粋に楽しめた。
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面白かった。
つらつらとパリの生活とスペイン旅行が綴ってあって、それこそハラハラドキドキみたいなものはないんですが。
もちろんタイトルは知っていたけど読んでいなかったのだけど
夏にTVで「モヒート(ラムベースのミントが爽快なカクテル)を飲みながらバーで一人で読む」という企画で紹介されていて、
「旅に出たくなる」らしいので、興味湧いて。
(そのおかげでこの夏は何度かモヒートを飲んだ)
ヘミングウェイの本はほかに「The Old Man and the Sea :: 老人と海」を読んだことがあった。
でも当時(中学だったかな)はとっても退屈で、、、( ̄(工)  ̄;)
あんまり心惹かれる作者ではなかったんだけども。
んー、この本は好きですね。
何度も読み返したくなる。
訳も好きです。
新潮文庫だしね、そこは心配してなかったけど。
もう表紙がすでにボロボロ、、、
主人公を通してその友人たちとの日常。
ブレッド。
ブレッドみたいな女性、知ってる気がするんだけどなー。
この本のために、読み終えてからブックカバー買いました。
持ち歩いて時間できた時にちょっと喫茶店やバー(!)なんかで読むために。
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正直、時代が違うかなと。
細かい描写力とさくさくと読ませる筆力はサスガかもしれない。
でも、のめり込ませる何かがなくて。
旅ものにありがちな、この手の話は、
時代背景的な前提の共有か、それに対する憧れがないと難しいかも。
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グレート・ギャツビーにそっくり、と思ったら、
作者がお友だちなんだね。
何事も起こらず、
飲んで、食べて、
喧嘩して、赦して。
ちょっと場所をかえてみたりして、
ぐるぐる同じことを繰り返す。
ただ、終わったときには、
螺旋のちょっとだけ高いところにいるような。
こういうストーリーを描くのって、すごく難しいのだろう。
とりとめもない他人の日常を、最後まで読ませたんだから。
こんな日常に共感し、あるいは憧れる時代に生まれたかった。
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ヘミングウェイ自身が「失われた時代」と言われたことから起因した小説。フィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」を読んでいたので、多くの方が指摘するように、作風などが似ていると感じました。
「6人もの人間が欠けてしまったような感じがした。」