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ローマ人の物語 12 迷走する帝国 みんなのレビュー

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みんなのレビュー22件

みんなの評価4.2

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22 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

帝国衰退の要因

2007/11/14 21:03

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本編で主として扱われるのは、ローマ帝国の衰退が顕著となった「3世紀の危機」とよばれる時代である。この頃、帝国内部は概して政争、内紛が絶えず、ゲルマン人や東方の新興国ササン朝ペルシャなどの外患に悩まされる。とりわけ50年足らずのあいだに19人の皇帝が入れ替わり、しかもそのほとんどが暗殺や戦死によるものという軍人皇帝時代(235-284年)には、混乱は頂点を極めた。
 この暗黒時代にも、身を削って真剣に国家に尽くした有能な皇帝はいた。ゴート族との戦闘中に息子とともに戦死したデキウス、そのゴート族を撃退し、ローマ市民から英雄視されながらも、陣中で病死したゴティクス、分裂したローマ帝国をふたたび一つにまとめあげたアウレリアヌス...しかし、これら名君の努力によっても、ローマの弱体化は避けられなかった。原因の一つは、ゲルマン人ら強大化した蛮族の侵入だが、それは外的要因にすぎない。もっと重要なのは内的要因、すなわちローマ人の精神に生じた変化であり、それは次の3点に要約されよう。
 1.カラカラ帝による、全属州民にローマ市民権を与えるとしたアントニヌス勅令。属州民にとってローマ市民権を得ることは、それまで長年の兵役を務めるなど、たいへんな努力を要するものであった。それが、何の努力もなしに手に入ることになったことで、市民権のありがたみが消え、社会の活力、流動性がなくなった。
 2.軍人皇帝の一人、ガリエヌスが定めた、元老院議員をローマ軍の将官クラスから排除する法律。これは軍人と文官の完全分離を促すものであり、どのような元老院議員も若いうちにかならず兵役の経験を義務付けられていたローマの伝統的人材育成法に反するものであった。この新たな法律によって、「以後のローマ帝国は、軍事のわかる政治家、政治のわかる軍人、を産まなく」なり、結果ローマの弱体化に拍車がかかった。
 3.キリスト教の浸透。建国以来、さまざまな宗教をもつ民族との融合をくりかえしてきたローマは、それらの民族の神々を同じ神殿に祭り、等しく崇拝してきた。いかなる民の神をも尊重し、宗教的には寛容でありつづけたローマ人が唯一共通の価値観として互いに課したものが法であった。そのような観点からすれば、自分たちの神のみを絶対と信じ、他の神といっしょにされることを厭うユダヤ人やキリスト教徒の態度は反社会的であり、宗教的信条を理由に兵役を拒むことは、法と秩序を乱す行為であった。マルクス・アウレリウス帝以来、断続的に行われたキリスト教徒の迫害なるものは、その多くが、ローマの法律に背いたために罰せられたケースで、しかも殉教者そのものの数は意外と少ない。
 むしろ、社会にとってより大きな問題は、このような秩序の破壊が増えることによってモラルの退廃が生じ、社会への帰属感が人々の心から失われてゆくことであろう。キリスト教徒は、あたかも腐食が果物に広がるように、伝統的なローマの秩序をじわじわと蝕んでいった。歴代皇帝で、名君と呼ばれる者ほどキリスト教徒弾圧に力を注いだという塩野の記述は、そのことを示唆しているように思われる。
 キリスト教の浸透がローマの衰退を促しただけではなく、帝国の衰退がこの宗教の発展をも助けた。すなわち、蛮族の襲来、農地やインフラの荒廃、社会福祉の弱体化...この世の希望を失った市民にとって、キリスト教は唯一の光と映るようになり、ますます多くの者が入信したわけである。
 このように、キリスト教の発展とローマの衰退とは深いつながりをもっているが、非ローマ的な信仰を頑なに貫きながら次第に数を増やしてきたキリスト教徒の性格を逆手にとって、それをうまく帝国支配の強化に利用したのが、キリスト教を公認したコンスタンティヌス帝であった。彼の下でキリスト教は一段と力を強め、古いローマはいよいよ姿を消してゆくこととなる。だが、それは次の巻の話である。

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紙の本

普通に無理でも続いてく

2012/03/05 23:01

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kc1027 - この投稿者のレビュー一覧を見る

かつて『坂の上の雲』をはじめとする司馬遼太郎の作品群は、高度成長期の志を下支えし、演出もし、体現もしたが、その司馬遼太郎賞を受賞した塩野氏は、失われた20年を下支えも演出も体現もしていないのに、時代に欠かせない作品群を書き残してしまったのだと思う。特に、迷走し、衰退するこの後半戦の記述によって。

北アフリカ属州出身の軍人皇帝セプティミウス・セヴェルス没後、ローマ帝国は本格的に衰退を始める。ローマ市民権の大盤振る舞いによってローマ人になりたいという価値観が薄れ、実力と正統性という価値観が入り乱れた三世紀のローマは、73年間で22人の皇帝を生んでは殺した。この領土を治めるなんて、皇帝にだって普通に無理、という感じだろうか。

やがて帝国は反乱により分裂の憂き目にも遭い、時の皇帝が敵方に捕えられもする。大帝国の首領が捕囚されるとは、日本人には到底体感出来ないものであるけれども、それでも帝国は帝国としてそこにあるから、皇帝はリメスという名の防衛線で体を張らざるを得なかったわけで、それにも関わらず帝国を取り巻く情勢は悪化の一途を辿り、その歴史は迷走の歴史として残酷にも残った。

さすがに22人もいれば優秀な皇帝もいた。特に分裂した帝国を就任速攻で再統合したアウレリアヌスの活躍は見事で、だからこそ見事な皇帝ですらあっけない最後をむかえたことに呆然ともする。この呆然とする感じがどうしようもない諦念につながって、再浮上の気配を蝕んでいく、そんな12巻だ。

やがてそんな厭世観にキリスト教がじわじわと浸透してくる。皇帝の就任とあっけない最後が繰り返される12巻は、嫌になるほどどこかの国の情勢を想起させる。皇帝って肩書きがついててもやっぱり人間だから普通に統治とか無理でしょ、という感じに対抗するには、それでも人間性に基づいて現実的に対処するしかないはずだけど、人間はそれを続けられるほど強くもなく、そんな強くない人間が大量に出現する12巻は、坂の上の雲の向こうの世界の果てでもある。この見たくもない人間性の現実を直視すること、ローマ人の物語の醍醐味は、そこにこそある。

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紙の本

塩野七生をずっと読み続けてきた私としては、正直、このローマ人の物語で、彼女が評価されてしまうことは、いやなんだね。やっぱり、ボルジアでしょ。それにしても、塩野の視界にはいつも日本の政治があるんだね

2004/02/01 21:01

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

全体は大きく二部構成で、第一部が三世紀前半、第二部が三世紀後半を扱う。具体的には紀元211年から284年までの73年間で、ローマの歴史では「三世紀の危機」と特筆されるらしい。第一部は、さらに三章に分れ、第一章では名のみ有名な皇帝カラカラの失脚の経緯と、ローマ経済の危機が中心。第二章は、あの誰もが知っているササン朝ペルシア、第3章は一年に五人の皇帝が立ったことやキリスト教徒弾圧などが描かれる。

第二部第一章は、ペルシア王国と帝国の三分、第二章は皇帝アウレリアヌスとペルシア戦役、第三章がローマ帝国とキリスト教という具合である。

塩野は、三世紀の危機の要因として
・帝国指導者層の質の劣化
・蛮族の侵入の激化
・経済力の衰退
・知識人階級の知力の減退
・キリスト教の台頭
が、多くの研究者から上げられている、としながら、「これらは、歴史の上では、はじめて起こったことではなかった。」「これまでは克服できていたのに、この三世紀からは克服できなくなってしまうのか。この疑問の解明を年代を追って詳述することで試みよう」とする。

やはり、この巻73年で22人の皇帝、というのはあまりに多いだろう。それが「迷走」の由来なのだが。で、ともかく、日本人にとって馴染みのない名前ばかりなのだ、皇帝たち。当然、親しみは湧かない。辛うじて知っているのが、浴場のカラカラだけというのも情けない。お、と思うタキトゥスにしても、あのタキトゥスとは同名異人である。とはいえ、血の繋がりはある。そして13年と在位がもっとも長いセヴェルスにしても、全く知らないのである。

しかし、この混迷の期間に、ローマは建国1000年を迎える。その時の皇帝が、アラブ出身のフィリップスで、祭儀の先頭に、ローマ式のトーガの端で頭部をおおった姿で立ち、それに対して元老院議員・市民のだれからも不協和音が聞こえなかったというのは、まさに多民族を市民として囲い込んでいったローマの面目躍如といったところだろう。

ただし、それこそがローマの「迷走」の原因でもある。塩野が繰り返し描く皇帝の失脚劇の背景にあるのは、相も変らぬ皇帝と元老院との対立、いやそれより、この時期に関して言えば、元老院からの一方的な皇帝に対する忌避であり、その原因は、やはり本来のローマ人ではない皇帝への不満なのである。ただし、というか、だから、と書くべきかは分らないが、いわゆる根深い動機、例えば外交をめぐっての意見の対立であるとか、重税に対する怨嗟であるとか、そういうところから発するものではない。

辺境出身の皇帝が、自分たちに顔を向けていない、或は、言葉遣いに配慮が欠ける、或は戦陣に立とうとしない、同性愛者であるなどなど、どちらかと言うと嫌いだから、という感情的なものによる失脚である。しかし、その政治的な混乱、僅かな空白、それを安易に埋めようとする隙に、異民族が、キリスト教が、そして経済の破綻が忍び込む。

それを、きちっと回避しローマの危機を乗り越えさせる指導者は、現れない。それは元老院にしても同じである。帝国の版図の拡大がもたらす政治・経済の希薄化。どうも、現在のアメリカ支配を思わせないか? いや、身近に言えばわが国の政治体制を思わないか。これは、やはり繁栄を謳歌した世界の必然の結果なのかもしれない、そう思わせる巻である。

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この国を危うくするものは何か?

2004/01/06 20:11

3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:jupitorj - この投稿者のレビュー一覧を見る

この国を危うくするものは何か?


私が11巻の書評で明らかにした
「帝国の紐帯としてのローマ市民権の喪失」という概念を
12巻で著者は、「取得権の既得権化」として説明しています。
そして、著者は「ローマ帝国の一角が、この法によって崩れたのだ。
まるで、砦の一つが早くも陥ちた、という感じさえする」(32p)
と言っています。
私は、11巻で著者が
マルクス・アウレリウス帝に帝国衰退の責任があると批判したことに対して、
歴史が一般的な心性によって大きな影響を受けるという
「歴史心理学」(ゼベデイ・バルブー著、1971年法政大学出版局刊)を適用して、
11巻の書評でカラカラ帝によるローマ市民権の開放が
帝国の衰退に決定的な影響があったと指摘しました。
「帝国の紐帯としてのローマ市民権の喪失」が
帝国の組成に与えた影響も指摘しました。
著者も重大な影響があったと認めるなら、
マルクス・アウレリウス帝に対する故無き非難も再検討して、
11巻の記述を変更して欲しいものです。
そうすれば、高校の歴史教科書にもなりうる
「ローマ人の物語」の大きな瑕疵が消えると考えられるのですが。
もっとも、著者はこの解釈を導いたのは
カラカラ帝前の皇帝がなぜカラカラ帝と同じことを考えなかったのかという疑問と
「アントニヌス勅令以前のローマ市民」とわざわざ断った碑文によるものであったと
言っています。
著者は書評を見ないのでしょうか。
しかも決定的な書評には目を瞑って見ないのでしょう。
だから、マルクス・アウレリウス帝に対する不当な非難を
訂正する必要性も感じていないのでしょう。
同時代の声は「増税策」としか言っていないと著者は述べます。
歴史心理学の概念など存在するはずもなかった古代に
表面は善政であるアントニヌス勅令を
論理的に批判することは極めて難しかったからでしょう。
同時代人はその帝国に与える重大な影響と不当性を感じ取りながらも
増税策としか言えなかったのでしょう。
著者の言う通り、カラカラ帝は善政だと信じて切っていたとも考えられますが、
周囲に悪政であることを知って勧めた人物が居るとも考えられます。
「カルタゴの復讐」である可能性は否定できないでしょう。
そして、ローマ市民権の喪失が
ローマ人の心性と現実の帝国機構に与えた決定的な影響は徐々に帝国を蝕み、
巨大な影響となって帝国を衰退させて行くのです。


私が11巻の書評として2003年頭頃に発表した「ローマ帝国衰亡の原因」
の全文はこちらから読めます。

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今、この時読むべき本である

2004/01/04 13:10

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ひゅうが - この投稿者のレビュー一覧を見る

何が良いって、著者は現代の世界や日本のあり方に対して多大な示唆を与えていながら、それを今回は(多分意識的に)明示していないところが素晴らしい。題名からして読み手が現代に重ね合わせてしまうので、ここで著者が更に「これでもか」と明示してしまったらさすがに読者層の主流であるところのおじさまたちもちょっと辟易するかもしれないが、今回は淡々と当時の史実を書くことによってかえって読者に深く考えさせる内容になっている。まあ、著者も冒頭に書いているように「幸福な家族はみな似ているが不幸な家族にはそれぞれの不幸がある(トルストイ)」といったことを考えれば、この本から現代への示唆を取り出そうとするその試み自体がいやらしいのかもしれないが、それでも様々に考えざるを得ない内容であった。特に印象的だったのは、「ローマの衰退の大きな原因は、都市の過密と地方の過疎」であった、と指摘している部分である。2004年の政治経済における大きな問題が地方問題であることを考えると、あまりにタイムリーな指摘といえよう。
また、これも著者が意図して抑え気味に取り扱っているのではと思えるほど本来重要かつ時期を得た内容として、ローマ帝国の東方政策及びキリスト教の問題がある。ローマ帝国東方政策とは、チグリス・ユーフラテス、つまり今のイラク地域のことである。イラク、イラン、アフガニスタン、シリア。これらが強大なひとつの国であったら…。また、多神教が当たり前の世界に、拡大を明らかに意図した一神教が入り込んだら…。詳しくはじっくり読んで頂くしかないが、「歴史に学べ」ということの真の意味が理解できるという意味では、シリーズ随一かもしれない、という気さえするのであった。おすすめ。

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現代日本に対する示唆に富む

2023/11/20 11:06

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る

タイトル通り混乱迷走を極めるローマ帝国の話である。作者塩野七生はその要因をいくつか上げているが、その要因の多くが現代日本にも当てはまりそうな気がして仕方ない。ハンニバルやカエサルの巻のように読んでいて楽しい巻ではないが、現代日本に対する様々な示唆に富む巻だと思う。

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乱立する皇帝たち

2024/02/18 00:47

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:DB - この投稿者のレビュー一覧を見る

三世紀に入って、ローマを支配するのはセヴェルス朝だった。
前半ではセヴェルスの息子カラカラ帝と、その甥にあたる2人の皇帝について語られる。
内乱を制した北アフリカ出身の皇帝セヴェルスと、シリアの神官の娘ユリア・ドムナのあいだに生まれたのがカラカラ帝です。
カラカラ浴場の遺跡が世界史に載っていたのを記憶しているが、その両親を見ても帝政初期のローマ皇帝の姿とは随分と変わってきたことだけはわかる。
共同統治者であった弟を殺し、皇帝としての自負も高らかなカラカラ帝が行ったのは、帝国内に住む自由民をすべてローマ市民としてしまったことだった。
人類平等の宗教家から見れば賛美すべき法案だったはずだが、税収のアップが目的だっただろうこの法は目的を果たさなかっただけではない。
それまでのローマの社会を支えていたローマ市民としての誇りと、非ローマ市民の持っていた向上心を奪い去ったのだ。
よかれと思ってやってみたことが最悪の結果になってしまういい見本です。

謀殺されたカラカラ帝のあとに皇帝となったのは、近衛軍団の軍団長だったマクリヌス。
しかし戦後処理の不手際と、カラカラの叔母ユリア・メサの陰謀でマクリヌスは退場。
ユリア・メサの陰謀で皇帝となった孫たちも、ヘラガバルスはローマ皇帝になってもシリアの神官としての振舞いが目についたという理由で暗殺される。
そして弟のアレクサンデルもそれなりに努力はしたものの、経験と力不足によって軍団兵に殺された。

ここから軍人皇帝たちが乱立し、さらにローマのリメスが破られる「三世紀の危機」と呼ばれる不安定な時期に突入していく。
西では二百五十年もの間ローマを守っていたゲルマニア防壁が破られてゲルマン民族が侵入してくるし、東ではウァレリアヌス帝がササン朝ペルシアとの戦いに敗れて虜囚の憂き目にあい、パルミラの女王ゼノビアが皇帝属州だったエジプトを奪取した。
ローマ皇帝は絶対権力者というよりはローマ帝国の舵を取る将軍か首相のようなもので、不信任案が通れば死ぬしかない。
それが二十人から僭称も含めると四十人もの皇帝が乱立する結果となった。

途中でアウレリアヌス皇帝のような有能な皇帝がローマを建て直そうとした時期もあり、蛮族を叩きパルミラ問題を解決するも奴隷の策略で謀殺された。
その後も次々に現れては消える皇帝たちの治世のもとで、迫害を受けなお組織を強化していったキリスト教が勢力を伸ばしていく。
国教化もすぐですね。

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2009/04/29 20:26

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2007/09/25 15:12

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2008/11/22 18:08

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2009/12/12 21:28

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2010/06/28 15:17

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2013/02/14 22:38

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