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梨木さんというと、「西の魔女が死んだ」の評価が高いようですが、私はこちらの方が好きです。どこかキリスト教的倫理観を交えたような・・・最後はある意味”救い”なのかな 自分の汚れの部分を重ねたからかもしれない
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読んだ人にしかわからないと思うけど。
すごく泣きました。誰に宛てたとか、
どんなメッセージがとかそういうものではなく、
ただただ漠然と許される感じ。
ボケはじめたおばあちゃんを
夜中にトイレに連れて行くことで許された熱帯魚の飼育。
その女の子と、おばあちゃんの思いでと
水槽がリンクしながら話は、進む。
好みがあると思うけど、私は、この本が一番好き。
しかも、好きだから、あんまりおすすめしたくない位
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梨木さんの作品を色々読んで、梨木さんの文章がすきだなーと思ったころにこれは読んで欲しい!!
もうすべてが私好み。すきな小説BEST3には入るんじゃないかってくらい!
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簡単な設定の中に壮大なテーマがさらりと書かれていた。きれいでふわふわとした文章なのに、人間のずるさや醜さをきちんと書いて、かつそれを抱擁する世界が読んでいて救われる気持ちになった。
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おばあちゃんの娘時代の話が好き。キリスト教のことはよく分からないけれど、「神様が、そう言ってくれたら、どんなにいいだろう」「私が、悪かったねえって。おまえたちを、こんなふうに創ってしまってって」というところはぐっときた。それからおばあちゃん死後、ママがおじさんから労いの言葉をかけてもらったとき、『周囲が度肝をぬかれるぐらいの激しさで号泣した』というところを読んで泣いた。
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梨木さんには欠かせないキャラクター「おばあさん」。この作品も然り。私の祖母を介護した経験が重なりとても苦しく切なかった。
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梨木さんの本は殆ど読んでるんだが、一番好きなのは此
最後は涙が止まらなくて、読み終わってからも三十分ほど号泣してた
梨木さんの作品のおばあちゃんは本当に泣かせてくれるなあ・・・
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熱帯魚の残酷な映像が頭に残りそうですが、許すということ、恩寵ということ、の本かな。自分を許すのは自分しかいなくて、それはひとに許してもらうより大変なことなんですよね。
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短い話で読みやすかった。
・・・ただ、熱帯魚の描写がリアルで気持ち悪くなった。(その後、魚みるのが嫌になった)
そんなことより、もっともっと奥深い話なんだとは思うが、私には何も伝わってこなかったなぁ。
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梨木作品、実はこの本を最初に手にしていたんです。
キオスクで買ったのだけど、その時は何故か物語が入ってこなかったんだったっけ・・
そのまま積読にのっけて放置、なのに今回手にしたら、あらまどうしたんでしょう・・・
ぐいぐいと引き込まれた・・・
旧字体や旧仮名使いをものともせずに、どんどんと物語の中に入っていけたのでした。
そもそも、題名にひかれたんでした。
インターネットを始める前、熱帯魚の飼育にはまってて、数々の熱帯魚の子を取りました。
エンジェルフィッシュもその一つ。
ところがこのエンジェルフィッシュ、実に獰猛なヤツなのです。
水槽に1ペア飼育か、もしくは、縄張りもへったくれもないほどの多数飼いをしないと、たちまちやっつけはじめます。
文中のコウコとおばあちゃんの心境が手に取るようにわかりました。
発情してペアが生まれると、その二匹は実に仲睦まじいのです。が、他の魚に対しては悪魔と化し、執拗に追いかけては死ぬまでやっつけます。
そして産卵・産仔・育児と、ペアはとても仲良く共同で作業します。が、他の魚に対しては鬼になります。鬼子母神です。
あ・・これは熱帯魚の本ではありませんでした。
誰でも持ち合わせるであろう天使と悪魔の部分・・・
20年ちょっと前、私は所沢の郊外に、一時期住んでいました。
まなちゃんがあかちゃんの頃です。
周りには遊園地とモーテルしかないような所でした。
まなちゃんを乳母車に乗せ、それでも一番近いお店に買い物に行きました。
田んぼの横を歩き、農家の庭先を通って・・・
ある一軒の農家が母犬と子犬を放し飼いで飼っていました。
その家の前を通らないとスーパーには行けない・・・放し飼いの母犬は、子犬を守るかのように威嚇して吼え続けます。
そして乳母車のまなちゃんに足先にまで来て歯ぐきをむき出しにして威嚇するのです。
私だって母になったばかりです。大事ななまちゃんを守らなくてはなりません!
そのスーパーに行けなければ、20分に一本の電車に乗って3つ先まで行かないと大きなスーパーはありません。
それまで動物は大好きだと思ってた・・とくに犬は大好きだと思ってた・・・
なのに私がやったことは・・・
ちゃんとところ住まいと名を名乗り、役所に電話を入れたことでした。
暫くして恐る恐るその農家の前を通ると、犬は鎖に繋がれていました。
嬉しかったけど、後味が悪かった・・・
以来20年以上、私は『犬が好き』って言えなくなりました。
あの時7ヶ月だったまなちゃんは21歳になり、やっとそんな封印もとけて我が家にすずを迎えられる心持になりました。
心の中に一緒に住む天使と悪魔・・・
なんかそんなこと、思い出しましたよ。
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作者得意の最後に「あぁ」と思わされる2重構造。
おばあちゃんの少女時代とコウコの現在が交互に繰り返され、
最後に一つになる。
キリスト教的価値観の中で、やっと「さわちゃん(おばあちゃん)」は救われる。
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ぼけたおばあちゃんと孫の女の子とのお話。ぼけたせいか孫と同年代のように可愛らしくお話する姿が不思議だがほのぼの。死に近づくにつれ、不思議な感覚をもって孫に話しかけるおばあちゃん、そして飼っている水槽の熱帯魚の凄惨な生存競争。全く悲惨さ、悲しさを感じないけど、生と死が良く描かれている。
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新潮文庫: 156 p
コウコとおばあちゃんの、話が交互に入れ替わります。
私が持っている本は、まだ文庫におちてなかった時に買った為、原生林という出版社から出ている、ケースつきのグレーのハードカバー。
一章ごとに、語り手が入れ替わります。おばあちゃんの少女時代の、友達と過ごしたあかるくてやさしくも、つらく、苦い記憶と、孫であるコウコの「いま」の話とが、淡々とからまって、ひとつになっていく。
タイトルのエンジェルは、ただ単純にこの物語のキーワードが「天使」だから。
途中でヨハネの黙示録が引用されたりしてました。(そのへん私は深くわかりませんでしたけど)
熱帯魚、ポンプの音、トイレ、ばあちゃん、「コウちゃん」
さらりと読めました。
おばあちゃんの記憶は、ちゃんと「いま」につながっている。
児童書、なのか微妙なところですが。
私にとってこれは「小説」。
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熱帯魚がどうしても飼いたかった。カフェインを過剰摂取してしまう情緒不安定が、少しは治まるような気がするから。寝たきりになったおばあちゃんの夜のトイレの世話を買って出ることで、コウコは憧れだった熱帯魚を飼うことを許された。するとおばあちゃんは、まるで少女時代に戻ったようにコウコと話しをするようになる…。
梨本香歩さんの本は、『西の魔女が死んだ』以来。
少し印象が変わりました。『エンジェル・エンジェル・エンジェル』という題名からは、少し想像のつかない陰を落とす作品。まるで熱帯魚の水槽みたい。でもそんな雰囲気が私は好きです。
「私は天使なんかじゃない。」
おばあちゃんの苦しみは、コウコの言葉によって救われたのだと思う。
最後には物語のそれぞれの糸が一つになって、静かに読み終えることが出来ました。
『エンジェル・エンジェル・エンジェル』三回も“エンジェル”と繰り返す理由が分かった気がします。
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彼女の書くキリスト教は、生活的な空気をまとっている。慣れない世界なのに、違和感がない。それって凄いことだ、と思う。