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NHKBSプレミアムで放送されたドラマ「植物男子ベランダー」が面白かったので、原作のこの作品を読んだ。
植物が育ったり育たなかったり、花が咲いたり咲かなかったり。
ただそれだけの話がここまで面白いのはとてもすばらしいこと。
いとうせいこうさんのファンになりました。
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アロエが道端に落ちていて拾う、ポトスが成長し過ぎて困る、枯れた植物が混じった土は栄養になるだろうと思っている、などなど共感できる事が多くて思わず笑顔で読んでしまいます。せいこうさんと違い「観葉植物派」ですが。
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ガーデニングとは明確に一線を画す
と著者が言うところの
ベランダにて植物を愛し育む
”ベランダー・俺”と植物たちの生活記録。
一つ一つの話は短く
どこから読んでも良いし
また好きな所を何度でも
読みたければ読めばいいじゃないの、という
気楽に読みやすい本だけれど、その気安さが罠なのか
こうも楽しそうに、植物との生活を読まされて
「江戸の時代の長屋の前に並べた鉢の延長」とか
世界観を提示されたことにグラグラきちゃったからなのか
これを読んで以降目にする植物たちがつい、気になる。
一時期よく時代小説を読んでいたのだけど
その中で見た
江戸の変わり朝顔比べだとか
出てくる話はやけに”熱い”もので
熱狂といっていいくらいの”狂い”があった。
人と植物なのに。
これは熱い本、というのではないけれど
そういう
どこかおかしな
多分常識的に考えて「植物を育てる」という言葉から
想像される穏当さとはかけ離れた「植物生活」に
いつの間にか
心惹かれ始めて
語り口に載せられて面白く読んでいるうちに
今まで別に淡白を気取ってたわけでもなく
名前なんかはどうでもいいんだ、と
思ってたのが花の名前なんか知りたくなってきたり
いとうせいこうの本を読んでると
この人が100書いてたとしたらそのうちの
私は3くらいしかワカッテナイんだろうな、
という気がしてくるのだけど
その3でも引っ張り込まれていた。
読んでてちょっと驚いたのは
芍薬の切り花が一番好きで
しかも10本20本と大量にあるのを見て
幸福感でイッパイになるという一文。
思い切りがあって情熱的な人なのかもしれない。
あのちょっとビックリするくらいの
大きさの蕾や (本当に饅頭のように大きい)
花が開いた時の姿の絢爛
そっと触った時のやっぱりハッとするような感触…
それははとてもよく分かるのだけれど
あれを切ってしかも何本も
飾る勇気のようなものはわたしにはナイなと思った。
花に関わるのは思うより男らしさがいるもの
なのかもしれない。
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著者とは好む花の種類が違うにもかかわらず、面白くて読みながら電車の中で思わず笑ってしまったり。ベランダで植物を育てているだけでこんなにあれこれ妄想出来る人は他にいないと思う。私も集合住宅に住んでいた頃の方が色んなものを育てていた気がする。パンジーに大量発生するグロテスクな謎の虫(ツマグロヒョウモンの幼虫だった)やラディッシュの葉についたたくさんのモンシロチョウ?の幼虫を育ててみたりもしたっけ。
もちろん直接庭に植えた方が植物は立派に育つのだけれど、ベランダにはベランダにしかない楽しみがあるなぁと改めて思った。
20140727
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毎回めちゃめちゃ楽しみにしてました!植物愛!ベランダー!新感覚のドラマ!日々の生活を丁寧に、ちょっと楽しむ(^^)
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どの本もなんとなく読む気になれないときに、この本を手に取って適当なところから読み始めることが多いです。
一つ一つの話が短めな上、とても読みやすい文体だからなのか、気付くと活字から遠ざかりかけてた気分がすっかり回復。
いとうせいこうさんの本はこれが初めてですが、他のも読んでみたくなりました。
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タレント・小説家・ラッパー等と多彩な才能を持つ作者が1996-99年にHPに掲載したベランダー生活のエッセイ集。「植物男子ベランダー」の原作だけど、全然違います。エッセイだから当たり前だけど。楓ちゃんも隣の田中さんも盆栽の茂木さんも出てきません。
作者は田口トモロヲの「勝手に育てるベランダー」と言う設定よりは、「かなり一生懸命育てるベランダー」という感じですね。
でも、成功もすれば失敗もするわけで、枯らしてしまったり、殺してしまったり。そして、その中から世の中の理を探っていきます。気軽に読める小品ばかりだけど、端々に印象的なフレーズが出て面白い。
ベランダによる都市生活という環境変化に適応しながら、同じ成果を出すという植物たちへの愛情あふれる作品。
1996年
1997年
1998年
1999年
第15回講談社エッセイ賞
著者:いとうせいこう(1961-、葛飾区、タレント)
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以前から読みたいと思っていたのだが、
NHK-BSの「植物男子ベランダー」があまりに面白すぎて
これは!と思い、文庫版を購入。
単行本発刊後の執筆分も入っているので
これから読む人は文庫版がおすすめ。
いや〜〜これはもはやMyバイブルだ!
いとうせいこう氏、バンザイ!マンセー!
「そうなんだよ〜!」と何度膝を打ったことか。
植物や、植物的な小動物(メダカとか)を一生懸命、
ではなく、なんとなく育てることで
私たちは何がしたいのか、何に気づくのか、何を知るのか。
平たく言えば
植物とのつきあいは哲学、そのものである。
私はベランダーではなく、ガーデナーだがきわめてゆるい。
肥料も適当。植物には腐葉土が一番いい、
と何の根拠もなく思っていたりする。
しかし、それなりにこだわりはある。
例えば、いまどきの新しいおうちでよく見られるような
パンジー・ビオラ類や、サントリーフラワーズ系の
サフィニアといった、簡単お手軽なものは(もう)やらない。
確かに彼女たちはかわいい花たちだ。
でもあまりにもメジャー過ぎるし
「とりあえず花で飾っています」感が強くて
育てている人の個性がまったく感じられない。
かといって、難しいものやきわめて珍しいものに
挑戦するわけでもなく、メジャーじゃないが
近くのホームセンターに売っている程度のもので
美しい!と思ったものを育てている。
そんなゆるさだからこそ、ちょっとした「事件」が起きると
ことのほか感激するのである。
もう何年も縁側でしぶとく生きているゼラニウムの枝の先が
数ヶ月前、なぜだかポキンと折れて転がっていた。
捨てるにはあまりに存在感があったので、
鉢の空いている部分の土に何となく差しておいた。
どうせ枯れるんだし、今捨てなくても、てな感じだ。
それがですね!
昨日ふと気づいたら、つぼみをつけているではないですか!
なんと折れた枝が根付いたのだ。
花が咲いたらFacebookに載せるつもりだが、
ことほどさように
おそらくあまり知識がないだけに感動することも多い。
もう枯れた、と鉢から出して土の上に放置していた
ハイビスカスが復活してきて、あわてて鉢に戻したこともあった。
だからいとうせいこう氏の想いがかなり重なるところがあって
彼がこれを書くきっかけになったカレル・チャペックの
「園芸家12ヶ月」よりも私はずっと面白かった。
(でもチャペックのももう一度読んでみるつもりだが)
おお、こんなに長くなってしまった。
植物のことになると私もかなり入れこみがちだ。
そもそも私は言葉もよく話せない頃から
「ハナ、ハナ」と言って、お花を見ると駆け出した
生粋の「お花好き」なのである。
改めて、植物とのこんなつきあい方ができる幸せを
認識させてくれたいとうせいこう氏には感謝である。
せいこう氏は花々以上に、この上もなくラブリー��人だ
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再読。
ドラマ化されててびっくりした。しかしドラマのサイトで見る限り、あの部屋&ベランダは、原作と随分雰囲気が違わないか?
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NHKドラマを観たことがあって、それがなかなか面白かったので読んでみた。
いとうせいこうの文章って苦手だ。
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せいこうさんの植物愛がビンビン伝わってくる。
ハードボイルドでいて繊細、豪快なようでいて純粋な自称ベランダー(ベランダで植物を育てている者)が、圧倒的に植物たちに振り回されている様が面白くてヤメラレナイ。
早くも今年のベスト3に入りそうな本。
植物が好きな人も好きでない人も楽しめます。
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これだけ植物のことだけ書いて、面白いからたいしたものだ。毎日違うが、毎年繰り返すって、よく考えれば、人間をはじめとする動物だって同じようなものだが、ライフサイクルや生き死にが植物と動物では全く違うから、より感慨深いのかもしれない。
昔鉢植えの花を持っていたとき、蕾が少しずつ膨らんでいく時の期待と不安を思い出した。今は猫が何でもかじるので、植物を家の中に置くことは諦めているが、また置いてみたいな、と思った。しかし、猫飼っても病気になったり、蚤がついたり、大事なものの上に嘔吐されたりするように、いきものと共に生きるというのは、きれいごとだけではすまされない。たとえ植物でも、虫がわいたり、カビが生えたりする。そこを乗り越えてのベランダー。案外大変だ。
「オリヅルラン」が、「オリズルラン」になっているところが、非常に気になった。何か理由があるのか?どう考えても「折り鶴蘭」だと思うんだけど。
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私も、ミニバラを育てています。作者と同じベランダーです。植物の育てかたに共感するところもありますが、それよりも、季節はグラデーションを描いて変化するものではない、永久は半分でも永久ではないか(半永久)といったところにより共感を覚えます。
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やはり、面白い。あのドラマを思い出しました。そして、800円で買った胡蝶蘭を例えるのがまたすごい!!
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1996~1999年の間に、いとうせいこうさんがホームページに掲載していた鉢植え育ての日々を載せたもの。ベランダで育てている。
随分前のものだから出てくる植物が地味なのか、いとうさんの趣味なのか分からないけれど、植物の趣味は私とは違ったのであまり内容的には参考になることは少なかった。けれども、ひとつひとつの植物に対してこれだけの文章が書けて、かつクスッと面白いお話しになっていて、当時このような面白いブログのようなものは少なかったと思うので単純にすごいなぁと思った。
いとうさんのことは、名前は知っているけれど詳しくは知らない。けれど、遅まきながら、約20年遅れで私は彼のことを”ベランダー”だと認識した。