紙の本
再販制がもたらす書店の甘え
2008/08/31 15:23
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナンダ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本は、再販制と委託返品制に守られてきたという。
売れなかったら返品してもよい、定価が決まっていて不当なダンピングがないから「良質だけど売れない本」を扱える。もし書籍独特のこうした制度がなければ、「売れる本」しか作らなくなってしまう--。
再販制撤廃に反対する出版者のそんな声をきいて、なるほどそんなもんかな、と思ってきた。
ところがそう単純ではないらしい。「売れなければ返せばいい」と思うから、売れる見込みのないものまで注文して、それをどんどん返品してしまう。だから書店から取り次ぎに本の注文が入っても「どうせ返品だろ」と取り次ぎは信用しない。その結果、店頭で本を注文しても消費者に届くまで2,3週間もかかってしまう。
流通という血管が目詰まりをおこしているのだ。
返品が可能だから、「仕入れ」に対して書店の甘えが生じる。売ろうと努力しない…
大型店のジュンク、老舗の海文堂、こだわり書店、ユニークな地方書店、取り次ぎ、出版社……。下流から上流まで徹底的にさかのぼって取材して、「本」の危機を浮き彫りにしている。
紙の本
本屋さんのことが良く分かった
2006/10/15 10:55
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:neko - この投稿者のレビュー一覧を見る
60年近く本とはお友達関係を持続していますので、とても興味深く、読むことが出来ました。本が手に入らなくても、そうなの としか反応しない私でしたが、この頃ほとんど図書館にも、本屋さんにも行かなくなっていました。でも本は欠かせませんから、そう ブックオフには、お世話になっていますね、助かっています
貸し本のお店は近場にないので、あれば利用すると思う
佐野さんは書き手の立場で書かれていると思いますが、読み手の立場から言えば、大変良い時代が来たと喜んでいます
書き手と読み手が双方良くならないと良い作家が生まれませんよね
良い解決方法が見つかると良いですね
本を愛する人はこの本をぜひ読んで、問題点を認識することが、とても大事だと思いました。それにはこの本がベストです
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発売当時から話題になっていて、私も確かに読みたいとは思っていたのだが、今の今まで読みそびれてしまった。文庫化を機に(尤も それも他人のブログで知ったという恥ずかしい話なのだが)購入し、追加分が(なんと下巻の大半がこれだった)あって得した気分を味わっている。本編の方もさることながら、この追加分も読み応えがあったのだ。もし今頃ハードカバーの方を買ってたら、追加分の存在をしって悔しい思いをしていたに違いない。厚めの文庫本2冊だが、あわせて1400円ってのは安い!
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過去に単行本で読んでいるのだが、読み返しても特に版元・取次・書店の三者に対する取材はスリリングである。
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友人のススメで手にとってみたのだけれど、面白いわコレ。読みながら疑問に感じたことが次のページでは展開されている感じ。ちょっとごちゃごちゃしている感もあるけど、膨大な取材数の賜物ってことで。出版社に勤めるって大変だ。
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こういうものは出てすぐに読まねばというのが反省点の一つ。
色々な立場の人に丹念に取材しているのはすごいことだと思うが、どの業界においても古き良きものが今よりはよい、という雰囲気が感じられるのがちょっと気になる感じ。
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ここに感想かいてます。http://blog.livedoor.jp/subekaraku/archives/746938.html
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本好きの自分としては、いかにこの業界が古い体質であるのか理解できるとともに、何かビジネスチャンスがあるのではと思いました。しっかりとして取材をもとに書かれているので面白いと思いました。
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近年活字メディアの衰退が叫ばれて久しいが、業界低迷の罪をはたして識者が決まってひき合いに出す「活字離れ」のみに着せてしまってよいのだろうか。といった視点を持って挑戦すれば、とても興味深く読める本。
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ノンフィクションでこんなにさらさら読めて、感動したのは初めて!この本に出会えて本当によかった。あたしの考えてたことのもっともっと深いところを的確に語っている。出版に絶望と同じだけの夢を感じた。下も楽しみ。
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これを読んでいる自分も、本を殺している一員だった。
佐野さんの著作は、今後なんとかOFFでなく書店で買い求めます。
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図書館司書の勉強をはじめるにあたり、手に取った本。
下巻をまだ読了できていないので、ちゃんと読みたい。
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ほぼ10年前に単行本で出版され、2004年に文庫化された本書はおそらく現在は通常の商流上には無い本である。
絶版ではないかもしれないが重版未定扱いなのかもしれない。
なので、ボクはこの文庫上下をアマゾンのマーケットプレイスでブックオフから古本として「1円」で購入した。本体価格上下2巻で2円、送料2冊で500円、計502円で購入した。
本書でもトピックとして語られている、「アマゾン」「ブックオフ」という国内既存業界にはない新手の侵略者からでに入れたわけだ。
出版年から10年も経ち、本書で述べられている出版流通業界の停滞はなんら改善されていないと思われる。
昨年の電子書籍ブームの仕掛け人が問題視していた業界の姿勢となんら変わっていないことに驚いた。
ほんとにこの出版業界というのは摩訶不思議な業界のようだ。
この川上から川下まで澱みきった業界への警鐘に満ちた本書はいまこそ再読するにふさわしい。
ちなみに、ボクは本書を入手するやいなや自炊して電子化しiPadで読了した......時代なんだろなぁ。
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山本義隆 磁力と重力の発見
小熊英二 民主と愛国
版元 70% 取次 8% 書店 22%
八重洲ブックセンター 鹿島がついている
平凡社 東洋文庫
山陰 今井書店
鈴木敏文 ヨーカ堂の前にトーハン
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読み始めてしまったと思った。10年以上も前に書かれた本ではないか!小説ならばいざ知らず、時の流れで刻々と状況が変わっていくこのような社会本を10年も経ってから読み始めるとは…。
冒頭、この文庫本が発行された前年2003年の出版物総販売額が2兆2278億円と記されている。ところが10年後の2013年には1兆6900億までさがっている。約4分の3だ。ところが、逆に新刊点数は8万2200点と、2003年の7万3000点に比べて増加している。
最近でブックカフェや個性ある本屋さんが増えてきて、本屋好きにとっては楽しい時代の到来のようにみえるけど、それはやはり一部のヤル気ある本屋さんと広告代理店のがんばりだけで、底上げにはなっていない。
再販制度(出版社が価格を決め、定価でしか売れない)と返品制度(売れなくても返品できる)が悪いのか。
図書館、ブックオフ、アマゾン、電子ブックの存在が業界を脅かしているのか。実際図書館以外は当時よりもさらにパワーアップしてますからね~、TUTAYAなんかではコーヒー飲みながらタダで本が読めちゃう。まともに買うのがばかばかしくなりますよ。
本屋がんばれ!これを読んで以来、街の本屋さんでもちゃんと本を買って読まなければと、反省した。