投稿元:
レビューを見る
嗜好品をテーマにした8名の作家による短編集。
どの作品もそれぞれ楽しめた。
個人的には,東野圭吾の「栄光の証言」,
阿刀田高の「ギャンブル狂夫人」が良かった。
投稿元:
レビューを見る
◆この子誰の子・・・宮部みゆき(「我らが隣人の犯罪」より)
・・・雷雨の夜に突然現れた女性と赤ちゃん。その女性は父の不倫相手で、赤ちゃんは父の子供だというのだが、そんなはずは絶対に無いことを僕は知っている。
◆サマーキャンプへようこそ・・・重松清(「日曜日の夕刊」より)
・・・変に冷めていて大人っぽいと言われている僕は、パパと2人でサマーキャンプに参加することになった。
◆栄光の証言・・・東野圭吾(「毒笑小説」より)
・・・近所で起こった殺人事件。その重要な現場を、もしかしたら俺は見ていたかもしれない。
◆ギャンブル狂夫人・・・阿刀田高(「冷蔵庫より愛をこめて」より)
・・・ホテルで偶然知り合った老婦人が、利きタバコが得意だというのだが、話の流れで30万円の賭けをすることになってしまった。
◆男の小道具・・・北方謙三(「コースアゲイン」より)
・・・30歳年下の女に手を出している俺に、男が乗り込んできた。
◆香水・・・森瑤子(「招かれなかった女たち」より)
・・・交際中のショージの部屋から、かすかに香る花粉のような匂い・・・
◆不可抗力・・・結城昌治(「葬式紳士」より)
・・・酩酊状態での殺人は、責任能力がないとみなされ無罪になるということを知った忠市は、女房を殺す計画をたてた。
◆棺の中・・・勝目梓(「アフガンハウンドの眼差し」より)
・・・何度かベッドを共にしたことのあるホステスの由美子が死んだ。葬式にも顔を出した中岡だったがその後、由美子の旦那から会いたいという連絡が入った。
以上8編のアンソロジー。正直、読むのは前半の4編だけでよかったな~と思ってしまった。後半4編はいまいち話が理解できなかったり、終わりが納得いかないものが多かった。
◆栄光の証言・・・最初は事実だけを正直に語っているはずだったのに、聞いてくれる人の反応が欲しくて、知らず知らずのうちに脚色されていく。ある瞬間に真実に気づくのだが、今までの証言を今さら間違いだったともいえず、証言を本当にするために殺人現場を偽装して捜査の邪魔をする本末転倒な結末。さすがに殺人現場に関する情報についてはないだろうが、似たような経験をしたことのある人は実は多いのではないか。。毒がきいていて、いい。
投稿元:
レビューを見る
作家陣が豪華なのに釣られて購入。
北方謙三さん選ということで もうちょっとハードボイルドなものを期待していたんだけれど、ちょっと風合いが違いましたね。
投稿元:
レビューを見る
人間の倫理観に潜む闇を描いた短篇集と個人的には思ってる。
闇の香りは常に自分の周りをひっそりと漂っていて、それは引火し、爆発するきっかけをまっているようでもある。
読み進める度に自分を取り巻くその香りが巻きあげられる。危険、恐怖、猜疑心、罪悪感、嫌な香りが鼻を通過し脳を圧迫する。
「この子誰の子」宮部みゆき
夫を亡くした妻の狂気が引き起こした出会い。夫のDNAを見事に受け継いだ少年。しかし彼は出会ってはいけなかった他人。
AID(人工授精)で生まれた子とその精子提供者の妻、知り合ってはいけない2人が出会ってしまった。これは幸か不幸か。
「サマーキャンプへようこそ」重松清
インテリ小学生と内弁慶の父が社会のつくりあげた理想の父子を演じてみるもあえなく挫折。
ぎこちなくも、なにげない仕草から父子の関係を確かめあう姿に思わず笑みがこぼれる。
他人には理解できないところに父子の絆を感じることができるのは、まぎれもなく家族だからだ。
など全部で8つの物語が入っている。
「ギャンブル狂夫人」の結末の皮肉たっぷりの処世術が個人的にすごく好きだ。
投稿元:
レビューを見る
2011.10.3 嗜好品をキーワードに、8人の方の短編集。ジャンルが様々で、どの話もおもしろい。キャンプの話が好きだった。
投稿元:
レビューを見る
短編集。
この子誰の子: 宮部みゆき(我らが隣人の犯罪:文春文庫)
サマーキャンプへようこそ:重松清(日曜日の夕刊:新潮文庫)
栄光の証言: 東野圭吾(毒笑小説:集英社文庫)
ギャンブル狂夫人: 阿刀田高(冷蔵庫より愛をこめて:講談社文庫)
男の小道具: 北方謙三(コースアゲイン:集英社)
香水: 森瑤子(招かれなかった女たち:集英社文庫)
不可抗力: 結城昌治(葬式紳士:角川文庫)
棺の中: 勝目梓 (アフガンハウンドの眼差し:角川文庫)
東野圭吾の栄光の証言は,証言者の思い違いの発生する仕組みをうまく表現している。
投稿元:
レビューを見る
なにが「闇」なのかよくわかんない。。
大御所のただのアンソロじゃねえかと
思いましたがいかがか。。
投稿元:
レビューを見る
嗜好品を絡めた短編小説集。
作者は、宮部みゆき、重松清、東野圭吾、阿刀田高、北方謙三、森瑤子、結城昌治、勝目梓のミステリの名手8名。
面白かった。
読みやすい。
投稿元:
レビューを見る
有隣堂のYouTubeでブッコローがおススメしていた「檻」を探したけど見当たらず、北方健三を読みたいと思っていた所に短編があったので購入。YouTube面白かったです。
宮部みゆきと東野圭吾しか読んだ事なかった…どの話も次が気になり、とても面白かった。
この子誰の子(宮部みゆき)
なるほどなあ。明らかに泥沼になりそうなのにハッピー?エンドでよかった。
サマーキャンプへようこそ(重松清)
どちらかというと主人公側だった幼少期&今の状況なので、感情移入できた。いるよねこういう人~って読む側は少ないんだろうな…
栄光の証言(東野圭吾)
短編だけど読みごたえあり。
ギャンブル狂夫人(阿刀田高)
最後のオチが最高。金は無くてもその経験が宝。
男の小道具(北方健三)
代表者というだけあって、一番「嗜好品」を感じた。この本は全体的にじっとりした感じで、それを代表する感じがとても良い。
香水(森瑤子)
女はこわい。
不可効力(結城昌治)
あれ?鈴子はどこいった?(国に帰った)良心が最後に出てきたのは流石。
棺の中(勝目梓)
本人にしか分からない事があり、それは墓まで持っていくつもりにしていても、ふと話したくなる時があって、でも解答はもう出ない…すごくよかったです(語彙力)
複数作家の短編集ってハズレがあったりして当たり前なんですけど、どの話も凄く良くて、こういう当たりは大歓迎。これだから本屋巡りはやめられない。