投稿元:
レビューを見る
主人公・永吉があまりに報われないのが不満だ。江戸は深川で、上方豆腐のお店を起業して苦労しながらも繁盛させていく、前半の展開は読む手が止まらないくらい面白い。がしかし、後半の嫁・おふみや子供達との関係があーだこーだって展開は昼メロっぽくてつまらんっ。
夫婦や家族は波乱万丈あるもんだってのは分かる。分かるんだけど、めちゃ苦労したけど家族皆で力を合わせてお店も繁盛して、永吉とおふみも幸せに過ごしましたって物語を期待していたのに…。まあ、勝手な話なんだけど。
投稿元:
レビューを見る
山本一力さんの直木賞受賞作。とても面白く、特に終盤では途中で読むのをやめづらく、もう寝よう寝ようと思いながら1時間読み続けて夜更けに読了。読後感はすがすがしく、感動的。
投稿元:
レビューを見る
家族の愛情の深さがジンと染みるお話です。ストレートな愛情じゃなくて少し偏っていて、かつ素直には伝わらないもどかしさもあり、家族の絆について改めて考えてしまいます。
投稿元:
レビューを見る
永吉と、おふみと、永太郎、悟郎、おみつと、相州屋と、平田屋と。
それぞれの思いですれ違っていくもどかしさが丁寧に丁寧に綴られている・・・のかしら?
でも、おふみさんのやりようはいかがなもんでしょう?
ラストのあの説明じゃあ納得できませんでした。
え、それだけの理由でそこまで!?
投稿元:
レビューを見る
はじめは読んでいて、
なんとなく事実の羅列に近い表現が多く、
先の読めない小説だと思っていました。
読み進むにつれて、
小説を読んでいるといかに中心人物の主観に引きずられているのかということを実感していきます。
家族でもいわなくちゃわからないことがある。
家族だから言わなくてもわかってほしい。
いいたくても言い出せない。
依怙地になってしまったり
表面的にしか物事を判断できなかったりする。
江戸らしいなかなかいい小説でした。
満足。
投稿元:
レビューを見る
今年初めて読んだ小説かもしれない。
私は、本当は小説が大好き。
けど、今年は意識して、今まで読んでこなかったビジネス書や新書を中心に読んでいた。そういう意味では、今年は小説を避けていたかもしれない。
そんな中、お客様から、思いがけず小説を薦められた。しかも、ほとんど読んだことのない、時代ものだ。
けれども、そのお客様には「花ちゃんにはこの本がいいよ。ほろりとしちゃうかもなぁ」なんて言われて、読まないわけにはいかない。
それに、薦められた本は読むべし!の原則は守らなきゃ。
そうして読んでみたら・・・・
いやー、名作でした。
途中までは、豆腐屋として成功していくサクセスストーリーなのかと思っていたが、家族とは何か、を考えさせてくれる、めちゃくちゃ深い内容。
私は、「家族」を自分の価値観の一つにしていることもあり、かなりヒットした。
家族の歴史を追いながら、家族に亀裂が入っていく様が書かれている。
でも、筋の面白さや、豆腐やさん事業のサクセスストーリーもあって、読み進めるのがつらいほどドロドロではない。
かといって、他人ごとにも感じさせない。「そうよね、そうなることもあるよね」と身につまされる。
ものすごいバランス感覚で、書かれている。
どんなに想いあった夫婦でも、きっかけがあれば亀裂は入る。
ちょっとした誤解を解くことなく、家族それぞれがお互いを不信に思う。
だからこそ、家族に対しては、意志を持って思いやりを持とう。話をしよう。
そんなことを訴えかけられる。
すごい著者だと感じていたら、最後の「解説」に書かれていた著者の人生はやはりすごかった。
2度結婚して、2度とも女性問題が原因で離婚。
3人目の妻を迎えるにあたり、家族を大切にすることに目覚める。
しかし、事業が失敗し、借金は2億円に。
その借金の返済方法として考えたのが「小説を書くこと」-それまで短編すら書いたことのないのに。。。
奥さんもすごい。あなたなら絶対できるとためらいもせず賛成したという。
著者のことば。(「解説」より)
・世の中は大不況だといわれている。未曾有の逆境に暮らすいまこそ、『家族力』を結集して強固な一枚岩を築きたい。
・両親。兄弟姉妹。連れ合いと、その身内。そしてわが子。これらのひとが、難局に際して力を分散させず、ひとつに結集すれば・・・・。ものごとの大半は片付けられると確信する。思い返してみると、わたしはしてはいけない、人の道に外れる振る舞いを幾つも重ねてきた。その結果、みずからが苦境に落ちた。それらを何とか乗り越えていまがあるのは、家族に支えられたからだ。
投稿元:
レビューを見る
2回目。
上方から江戸へ上がり、自分の豆腐やを開く。
食感や固さの違いで苦しむが、自らの努力や周りの助けにより成功。
子供の代までの成功談。
投稿元:
レビューを見る
初めての山本一力作品。
話があちこち行くことなく、とても読みやすかった。
内容がとても濃いわけではないが、身近な内容なだけに入り込みやすかった。
人の繋がりが上手に書かれているなと。
投稿元:
レビューを見る
湿めっぽくじっとりした感じでなく、からりとして時にほろりと、時に我が意を得たりと話の運びが実にいい。
途中に出てくる話が後になって効いてくる伏線も、後で読み返してみるとなるほどと思わせる。読み返しても涙が溢れ出てしまうほど夫婦愛、兄弟愛、家族の絆そして人情の機微がよく出ている。 さすが直木賞作品と思わせる。
特に鳶の政五郎の話の持って行き方には自然と涙が溢れてしまった。
投稿元:
レビューを見る
面白かった!
久し振りに、先が知りたくて知りたくて状態で一気読みでした。
読み終わるのがもったいないくらいでした。
山本一力の作品は他にも読んでるけど、これが一番かも。
投稿元:
レビューを見る
学校の課題で読みました。
時代物ってあんまり読まないのですが、これはけっこうすんなり物語に入り込めました。文章が読みやすくていいです。
投稿元:
レビューを見る
はじめての時代小説カテゴリだ、合わせて歴史小説にも今後挑戦したい。一冊目は第126回直木賞受賞『あかね空』、この作者短髪でよくTVで見かける、みかけは江戸っ子風できっぷが良さげだ。時代小説はちょっと敬遠していたが今回この作者の顔を思い出し手に取って見た。上方の豆腐職人が江戸深川を舞台に繰り広げる細腕繁盛記だ、当時の江戸の風情、人情どれも新鮮に感じられる。
投稿元:
レビューを見る
★4.2。山本一力2作目。
おもしろいんだけど、栄太郎とおふみにイライラ。
しっかりしろよ長男(笑)
投稿元:
レビューを見る
3月10日読了。第126回直木賞受賞作。上方から江戸・深川へ単身出てきて豆腐屋の商いを始める永吉。やがて結婚し家庭を作る、彼らと子供たちとそれを見守る人々の物語。まさに「江戸」を感じさせる描写、人情味あふれるせりふ(意に感ずると一肌脱がずにはいられない江戸っ子たちの心意気、とくに源治の言葉一つ一つと終盤に栄太郎が切る啖呵には思わず涙)、簡潔だがうまそうな食べ物の描写などがとても美しく、温かい・・・。読みながら「ああ、この人々にいい事ばかりがありますように」と願わずにはいられない気分になってくる。前半部で生じる数々の不幸、すれ違いを後半部がときほぐしていくという構成も非常に功を奏している。とても愛おしい小説だった。
投稿元:
レビューを見る
山本一力さんの作品で読んだ中では、一番好きです。展開が気になって気になって読み止められず一気に読んだ記憶があります。
江戸下町、商い、家族、義理人情。このどれもがいまの私たちの礎になっているし、粋な日本人像だと、私は思います。