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泳ぐのに、安全でも適切でもありません みんなのレビュー
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高い評価の役に立ったレビュー
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2009/11/02 20:36
女性向です。
投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る
泳ぐのに、安全でも適切でもありません 江國香織 集英社文庫
短編集です。この本は、やはりおじさんのわたしには向きませんでした。
「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」夜遅くまで働いたあとの帰宅途中の電車の中で読みました。書き出しはうまい。あざやかです。本から顔をあげると電車の窓の向こう、暗い夜の街を走りぬける新幹線の車窓が目に入りました。
「うんとお腹をすかせてきてね」鹿料理には、奈良公園の鹿を思い浮かべました。つい先日「鹿男あをによし」万城目学著を読んだばかりでもあります。愛し合うことに没頭する男女に食べられてしまう鹿やら他の動物が哀れな気持ちになりました。
「サマーブランケット」この短編集には、平凡な恋愛話はないのですね。
「りんご追分」言い回しがうまい。詩のようです。心に満たされないものをもった女性がいます。呑(の)み屋であるバーの空間は、無法地帯と感じました。
「うしなう」ボウリング場風景の描写から、作者の孤独が伝わってきます。
「ジェーン」若い高校生さんたちは、なぜ心理学に強い興味をもつのか。118ページ付近はなぜかしら主語と述語だけの小学生の作文になっています。遠い過去の作品を引っ張り出してきたのでしょうか。
「動物園」「犬小屋」標準化できない人間たちがいます。彼らは法令の外で自己責任のもとに暮らしています。
「十日間の死」作者と主人公は誰に向かって語っているのだろうか。女性は、男性に頼らず自立してほしい。
「愛しいひとが、もうすぐここにやってくる」ワンパターン化した一定の筋書きに登場人物をあてはめながら、自分の個性を出していくという手法で、各短編が作成されています。個性とは人間の本能である性欲となっています。前記の作品で、女性は自立して欲しいと書いたのですが、深く考えると、全体の作品をとおして、登場人物の彼女たちは、彼女たちなりに自立しているのです。
低い評価の役に立ったレビュー
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2016/02/13 17:31
好き嫌いにわかれそう
投稿者:夜メガネ - この投稿者のレビュー一覧を見る
これを読んでまず思ったのが、
「あんな短編(「つめたいよるに」)が書ける人なのに、「冷静と情熱のあいだ」以降、
また、エロスにお逃げになってばかりだ。」
というものでした。
お金があって、ステイタスがあって(「3高」とかにまだ縛られて、価値を見出して)。
そんでもって退屈だから不倫ぽいことしてみて…。
元々大人になりきれていない女性キャラが基礎にあるが、それも魅力があれば「少女性」と言われる。愛される。
けれども、この一冊でもうこの病みつつ寂しがりな女性キャラに懲りた。
同性から見ても彼女らは「重い」。
紙の本
女性向です。
2009/11/02 20:36
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る
泳ぐのに、安全でも適切でもありません 江國香織 集英社文庫
短編集です。この本は、やはりおじさんのわたしには向きませんでした。
「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」夜遅くまで働いたあとの帰宅途中の電車の中で読みました。書き出しはうまい。あざやかです。本から顔をあげると電車の窓の向こう、暗い夜の街を走りぬける新幹線の車窓が目に入りました。
「うんとお腹をすかせてきてね」鹿料理には、奈良公園の鹿を思い浮かべました。つい先日「鹿男あをによし」万城目学著を読んだばかりでもあります。愛し合うことに没頭する男女に食べられてしまう鹿やら他の動物が哀れな気持ちになりました。
「サマーブランケット」この短編集には、平凡な恋愛話はないのですね。
「りんご追分」言い回しがうまい。詩のようです。心に満たされないものをもった女性がいます。呑(の)み屋であるバーの空間は、無法地帯と感じました。
「うしなう」ボウリング場風景の描写から、作者の孤独が伝わってきます。
「ジェーン」若い高校生さんたちは、なぜ心理学に強い興味をもつのか。118ページ付近はなぜかしら主語と述語だけの小学生の作文になっています。遠い過去の作品を引っ張り出してきたのでしょうか。
「動物園」「犬小屋」標準化できない人間たちがいます。彼らは法令の外で自己責任のもとに暮らしています。
「十日間の死」作者と主人公は誰に向かって語っているのだろうか。女性は、男性に頼らず自立してほしい。
「愛しいひとが、もうすぐここにやってくる」ワンパターン化した一定の筋書きに登場人物をあてはめながら、自分の個性を出していくという手法で、各短編が作成されています。個性とは人間の本能である性欲となっています。前記の作品で、女性は自立して欲しいと書いたのですが、深く考えると、全体の作品をとおして、登場人物の彼女たちは、彼女たちなりに自立しているのです。
紙の本
切ない短編集です
2015/09/11 00:33
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題にもある通り、「安全でも適切でもない」恋愛をしている(あるいは、していた)女性達を描いた短編集です。
10作品が収録されていて、全て20~30ページほどです。そして他の文庫本作品に比べて、行間が空いているためか1文1文噛みしめるように読めます。初めてこの人の作品を読みましたが、短いフレーズと描写の切り取り方が巧いなと感じました。良く出来たCMを見ているような感覚になります。
紙の本
気だるげ
2019/09/24 04:33
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:K.ザムザ - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題作含め10編とも気だるい雰囲気の短編。個人的には「犬小屋」と「十日間の死」がお気に入りです。何を書くかより何を書かないかを考えて書かれたいい短編集だと思います。やや定型感がある作品ばかりだというのは否めませんが。
紙の本
好き嫌いにわかれそう
2016/02/13 17:31
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夜メガネ - この投稿者のレビュー一覧を見る
これを読んでまず思ったのが、
「あんな短編(「つめたいよるに」)が書ける人なのに、「冷静と情熱のあいだ」以降、
また、エロスにお逃げになってばかりだ。」
というものでした。
お金があって、ステイタスがあって(「3高」とかにまだ縛られて、価値を見出して)。
そんでもって退屈だから不倫ぽいことしてみて…。
元々大人になりきれていない女性キャラが基礎にあるが、それも魅力があれば「少女性」と言われる。愛される。
けれども、この一冊でもうこの病みつつ寂しがりな女性キャラに懲りた。
同性から見ても彼女らは「重い」。