紙の本
豊太郎は最悪に悪い奴
2019/01/26 22:38
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「舞姫」の主人公・豊太郎は、夏目漱石の「こころ」の主人公・先生以上に最悪な主人公であり、田山花袋「蒲団」の主人公・竹中先生がモテない男の醜さ(それでも、失恋経験がある身にとっては感情移入が可能で、かわいいとすら思ってしまう)が絶妙に表現されているとすれば、豊太郎にはモテる男の醜さが全開している。留学先の独逸で女性を妊娠させて、出世欲のためにその女を捨てて、その結果、その女は正気を失い、挙句の果てにその責任を手切れの手はずを整えた友人・相沢に「我脳裡に一点の彼を憎むこころ今日まで残りけり」と擦り付ける始末。まさに大悪党である。しかも、鴎外の自伝的作品とは・・・・。でも、名作である。
紙の本
阿部一族・舞姫
2020/04/19 18:42
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投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
教科書にも載っている有名な作品を収録。
「阿部一族」は、東大の山本博文先生も講談社学術文庫の中で、この作品をもとに武士の精神構造を解説するほどの作品。しかも面白い。
「舞姫」は、鴎外がドイツ留学中に体験した実体験をもとに作られている。古風な文体なので、読みにくいかもしれないが、美文調で、内容も面白い。
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投稿者:カオル - この投稿者のレビュー一覧を見る
言わずと知れたとても有名な作品です。
「舞姫」は高等学校の教科書で読んだ人も多いのではないでしょうか。
意外な結末にびっくりさせられます。
ぜひ読んでおいて損はない作品だと思います。
新潮文庫で比較的お手頃な値段で手に入るのもいいです!
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阿部一族より舞姫を読んで欲しい!!舞姫のロマンチックさはいいよ。古典派の代表作では?クラシックなロマンチックな…
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舞姫:欧州留学中にみすぼらしい少女と恋に落ちてしまう高級官僚の姿を描いている.欧州のかの地で今まで勉学一筋だった青年が恋に落ちるという設定がなんともロマンチックだ.留学が現代ほど一般的ではなかった時代にはずいぶん驚かれたのではないだろうか.ただ,文体を「石炭をばはやつみはてつ」のように敢えて古典的に書いてあることで,日本の文明開化をになった人々の中にもこのようなロマンスがあったということが逆に新鮮にうつった.
阿部一族:解説を読むと「封建的権力への反抗を歴史小説を題材として描いた」とあり,「なるほど」とは思う.解説がないと,単純に「お殿様の殉死で不遇にされた家臣の一族が結局お殿様一家に逆らって成敗された物語」になってしまう.少し救いのないお話である.
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友達が高校の授業でやって二人で話をしてたので。負けるかっ!ってことで買って読みました。さすが、国語で取りあげられるだけあっていいです。感動です、エリスに涙しました。
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舞姫は高校の頃教科書で読んだことがあったけど、かなりうろ覚えだった。やっぱりなんかちょっと苦手だなぁ。
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舞姫は高校の時に取り扱いました。独裁帝国主義の崩落、自我の芽生え、様々な煩悶で苦しんだ天才軍医・森鴎外の内面に迫る小説です。擬古文なので非常に読みづらいですが、一度読みきった後に再度「石炭をば、はや積み果てつ」を読み返すと、溢れる涙を堪え切れません。この感動は、現代小説では到底成し得ないものです。
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「舞姫」の文章とか空気感とか、大好き。
何度読み返しても飽きないし。
でも「阿部一族」は映画の方が面白い・・・。
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許されぬ殉死に端を発する阿部一族の悲劇。
ドイツ留学中に知り合った女性への恋情をふりきって官途を選んだ主人公を描いた自伝的色彩の強いロマン『舞姫』『うたかたの記』『鶏』『かのように』『堺事件』『余興』『じいさんばあさん』『寒山拾得』を収録。
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中学か高校の頃、模試で抜粋された部分を読んでから猛烈に気になっていた『阿部一族』。そこ以外読んでませんが…。
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ドイツの留学中に知り合った女性への恋情を振り切って官途を選んだ主人公を描いた自伝的色彩の強いロマン『舞姫』ほかを収録。
『舞姫』では漢文調の文章の中に漂う情緒溢れる異国の雰囲気に酔います。
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当時の書生たちは揃って「エリス萌えー」と叫んだに違いない。よし、今度のスピーカーは文語体で解説文を書くことにしよう。男子たるものそれくらいのサービス精神と遊び心を持っていて当然だ。
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「舞姫」と「うたかたの記」は擬古文のため、内容をあまり理解できなかった。再読の必要あり。
※「舞姫」「うたかたの記」「鶏」「かのように」「阿部一族」「堺事件」「余興」「じいさんばあさん」「寒山拾得」の9編を収録。
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江戸時代に存在した「殉死」制度。使えていた主君の死に対し、許可をもらって後追いで自害することだ。主従関係を絶対とする封建制度を象徴する行いだが、必ずしも、主君を慕ってのことばかりではなかった。殉死によって一族の地位を高めるという打算や殉死しないことで人から後ろ指を指される恐怖などの感情も入り交じっていた。
そんな殉死を主君から認められなかったことをきっかけに、滅亡の道へ進んでいった阿部一族の悲劇がドキュメンタリーのような淡々とした文体で描かれている。
殉死についての著者、森鴎外の意見が書かれていないのは、残念だ。「自己の死」より重いものが多くあった武士道の時代を理解することはなかなか難しい。江戸時代はともかく、著者が生きた明治時代でも、死して子孫を助けるという考え方があったのだろうか。