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2008年2月
共依存が悪い方向へいった典型例のような作品。なんのためらいもなく"真実の愛"とか書いてしまう作者に正直ちょっと腹がたった。ちなみにノンフィクション。
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悲しい。
とにかく悲しい。
衝撃が走った。
いやむしろ、どこからか悲しみがやってきて自分を覆い包んだといったところか。
でも、一体何が悲しいのか。
女の子の若さ?男を守っていこうとするその愛?それとも男の人生そのもの?
または、自分が男と同一化できるから?おそらくその全てなのかな。
でも、反発したくなる。
なぜなら、それは真理でないから。
でも、真理ってなんだ。
さまざまな諸条件はあれ、彼女にはこういう風にしか出来なかったはず。
彼女のだした人生の答えがこれ。
でも、彼女はそれに満足してたわけではない。
それは、彼女が最後に書いた文章。親へのうらみつらみからわかる。
だから、反発したくなるのかな。
やり方はまだいろいろあったはずじゃん!って。
でも、彼女の眼前でそれがいえるかといったら、、、。
誠実な人間ほどこういうことになる。
彼女は若すぎたんだという点は一つ指摘できるが、それもいかんともしがたい。
もう終わったことだし、、、。
でも、悲しい。
もう読んでから二週間以上たつのに未だに、、、。
人間とは一体なんであるのか。
なぜ、死に行く存在であるのに生きるのか。
私たちはどこから来てどこへ行くのでしょう。
このような問いが頭の中をぐるぐるととまらないのだ。
彼女に聞いたらソリッドな答えは返ってきたのではないかな。
賛同できるかどうかは別にして。
この悲しみの気持ちどこから来るのだろう。
辛いな、辛いね。
話は戻って、彼女の人生は充実していたのかな、彼と会ってからの数ヶ月間。
それとも、孤独である寂しさのみが行動原理だったとしてら、、、。
やっぱり、結局は私たちが何者であるのか、という問いに収斂して行ってしまう。
この自分の独善さ、浅はかさ。
自責の念で胸がいっぱいです。
はぁ、なぜかくも生きていくのはつらいのでしょう。
わからないな。
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改めて読み返してみて思うのは、
おんなのひとって強いのね、と。
19歳の女子大生・・・・って私も19歳の大学生♀だけれども、
この本のカミィちゃんは
明らかに「女の子」ではなく
ひとりの「女性」として
ひとりの男性を守ったんだなー。
このストーリーの中では明らかに、カミィちゃんは太陽で、サイコ気味の指揮者は月。
私にはできないな!
そしてそして、
「こういうひとの守り方もあるのか」と思う。
死をして、そのひとの人生を完結せしめて。。
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ノンフィクションだけど、フィクションっぽい。
きっとこの事件がフィクションのように
普通じゃ考えられない死だったからだろうなぁ。
孤独や恨み、裏切りってこんなにも人を苦しめ、最終的に死まで追いやってしまうんだ。。
なんども言うけど、
これが本当にあった話で、こんなに純粋でまっすぐな子がいたんだ…って思うと驚く。
大崎善生の小説が好きだから読んでみたけど、
ノンフィクションが苦手な人でも読みやすいと思う。
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ある日、喫茶店で目に止めた朝刊の小さな記事。「邦人男女、ドナウで心中 33歳指揮者と19歳女子大生 ウィーン」この記事は、曖昧で釈然としない。心に引っかかりを感じ、そして書く事を決めた大崎善生。調べていくと大崎さんが将棋連盟にいた頃に見かけた女性外国人棋士の娘だった。たくさんの人々の話と助けを得ながら、二人の足跡を追う。
19歳の少女の生い立ち。そこには、父親の浮気・同級生の死などの出来事が・・・。
大崎は、二人の足跡を求めウィーンに旅立つ。19歳の少女は、異国の地でどんな恋をして、何を思い、何を求め、そして追い詰められたのか・・・。
悲劇的な愛の軌跡を辿るノンフィクションです。
これは、文句なしで良い作品です。19歳の少女を追う事により、人生の大切さ、人の思いの大切さが伝わってくると思います。最後の方は、自然と目頭が熱くなりした心に残る作品は、こういう作品なんでしょう
しゅうさんのお薦めの作品です。俺もお薦めしますよぜひ、読んでください読むときは、ハンカチの用意を忘れずに・・・
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ノンフィクション。つまり、「私」とは筆者の大崎であり、この心中事件と、それに関わる取材と出来事は事実である。
ただ、本書は事実を並べた「記事」ではない。大崎のまなざしは、彼らの心の傍にある。
解説の川本の「心の物語」という言葉が、まさにしっくりくる。
日実を愛してくれる人はたくさんいた。
けれど、千葉を愛してくれる人は、日実以外にはいなかった。
だからこそ、日実は最後まで千葉の傍にいた。
それは、無償の愛。
自己犠牲の愛、彼らが最後に触れた、キリスト教的な愛だ。
心中という行為を肯定するつもりも、美化するつもりもない。
けれど、日実が千葉を愛したその心、その愛ただ一点において、何者にも否定され得ない、真実がある。
本書の中で、日実の写真が(その章の)最後に載せられている。
その写真を見たとき、自然に涙が零れた。
http://preciousdays20xx.blog19.fc2.com/blog-entry-385.html
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レビューはブログにて。
http://tempo.seesaa.net/article/117590884.html
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ちょっと期待して読んでみたがまぁまぁだった。日実の素直な愛し方にはすごさを感じる。でも哀しい真実だ。
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友人に借りて読む。
ドナウ川で日本人の心中遺体が発見され、その背景を取材していくノンフィクション。
ノンフィクションはほとんど読んだことがなくて、しかも、なかなか
取材に至るまでの動機に共感しにくくて、ちょっと取っ掛かりにくいなぁという印象。。
読み進めていくと、徐々にきな臭さが漂ってきて、おぉ?と思い、そこからは
割とサクサク読めました。
が、まぁ、特に感動することもなく、普通かな・・・
つか、ルーマニア、怖ぇ〜・・・
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実際に2001年にドナウ河で心中した、日本人の男女を題材に書かれたノンフィクション。
ノンフィクションでありながら、まるで小説のような"作品"でした。
子供時代の、特に多感な年頃を
両親に半ば振り回されてきたような少女、カミ。
彼女が自分の意思を貫いた、最初で最後の恋と心中という結末。
著者は、彼女が全身全霊をかけて愛した相手を救うために、
共に死ぬことを選んだのではないかと推測していますが…。
遺書に記されていたように
ふたりは理想郷へ辿りついているでしょうか。
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ノンフィクションです。
大崎さんが<邦人男女、ドナウで心中 33歳指揮者と19歳女子大生 ウィーン>という新聞記事と出会ったことから物語は始まる。
日本のナァナァな大学で学ばされるより、ちゃんとした教育を受けさせたいと、日実さんをルーマニアの学校に行かせた両親。
そこで日実さんが出会った無名の指揮者。
“事実なんかは無い”
インタビューを受けている人たちは「あの時わたしがなんとかしてあげれば……」と自分を責めている。
フィクションとは思えない世界観です。日実さんの親や友人に宛てた手紙の文章が愛らしくて切なくなります。最後に日実さんの写真が出てきて、固まりました。しかもお父さんが撮影しています。猫と一緒に写っていて可愛いです。本当にノンフィクションだったんだ、と再確認しました。
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19歳のカミと33歳の千葉がドナウで自殺した経緯をたどる。
ノンフィクションっぽくないノンフィクション。
絶対の事実なんてなくて、誰かにとっての事実しかないんだという渡辺マリアの言葉にはうなずかされる。
この本をカミの両親がどのように受けとめたのかが知りたい。
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★★☆ 命の意味、一つの人生について考えさせられます☆彡
(2008.07メモ→2010.04ブクログ)
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ノンフィクション。でも真実はわからない。千葉氏がすごく……ヤンデレでした……。ふつううにフィクションみたいでした。
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すごくキツかった。
ドナウに身を投げた日本人男女のノンフィクション作品。
同作家の『別れの後の静かな午後』を読み、別の作品も読んでみたくなって手に取った本。
本を手にして2日間、吐きそうになりながら涙を溢しながら読んだ。
19歳という若さで心中をした少女。
19歳という年齢は、今の私からしてみるといちばん不安定でいちばん危うくていちばん正直で純粋な年齢であるような気がする。それは自分の過去を思い返してみてそう感じるのだ。20歳という成人を前にして自分の生きる意味や生きてゆくということを真正面から受け止めなければならない時期。揺れ動く様々な思いと裏腹に付きまとう切ろうにも切れない両親との関係。社会に対する怒りや憤慨、両親に対する苛立ち、人間に対する不信感、そして初めて経験する人を愛するという気持ち。
私も同じような19歳を過ごしたから、作中の少女の気持ちが痛いほど分かる。
"少女はきっとこう思っていたんだよ" と、作者が感じたこととは違う思いがあって、そのせいで、まるで私がその少女を助けられなかった関係者のひとりであるかのように苦しく遣る瀬なく涙してしまったのかも知れない。
物語の舞台となる国々を過去に行ったことがあるということで、文字からその景色を映像と記憶で思い描くことができ、作品にのめり込んでしまったのかも知れない。
ドナウの流れるドイツ、オーストリア、そして近隣のフランス、スイス、チェコ、を訪れたことがある。舞台の主軸となるルーマニアには行ったことはないが、チェコに行ってみて社会主義国の独特の空気というものを肌で感じたから、より少女の辛さがわかる。
ルーマニアで18歳の少女が独り冬を過ごすというのは相当キツいと思う。
話が脱線しかけたが、この本は私にとって心に残る一冊となった。