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ローマ人は「インフラの父」と呼ばれている民族。紀元前三世紀に、万里の長城:ローマ街道が、垂直:水平 という形で造られていて興味深い内容です。下へ続く・・
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11/4/17
ローマのインフラ。街道、橋。紀元前3世紀前後、中国では交流を閉ざす防壁を、ローマでは交流を促す街道を作った。敗者との同化で栄えたローマの国柄が良く現れている。
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シリーズの中でもローマのインフラにだけを取り上げた他とは視点の違う巻である。カラー図版載っており、旅行気分を楽しめる。
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同時代人からも「特筆つべきことなし」と記されたピウス帝のもとで、
平和と繁栄を迎えたローマ帝国を少々離れ、ここから2巻はローマ
のインフラについて。
共和政時代から帝政時代まで、帝国の隅々にまで張り巡らされた
「ローマ街道」。そのなかでも「街道の女王」と言われるアッピア街
道の敷設が始まったのは、紀元前3世紀である。この頃、日本は
弥生時代である。
その時代に、対向2車線、歩道完備、排水設備まで備え、平坦な
敷石舗装の街道を作っちゃうんだものなぁ。
そして、同じ頃、中国では万里の長城が造られている。片や街道、
片や防壁。土木事業から見る中国人と、ローマ人の安全保障に対
する考え方の違いが面白い。
また、最初の街道であるアッピア街道の敷設責任者であるアッピア
ヌスの晩年が、格好いいんだな。
ギリシアの勇将ピュロスに攻め込まれ苦戦したローマは、ピュロスの
提案した講和に傾く。老齢の為にほとんど目が見えなくなり、歩くこと
も不自由になったアッピアヌスは久し振りに元老院に登院した。そこ
で居並ぶ元老院議員たちを叱り付ける。
「ピュロスがイタリアから出ていくことが講和の前提条件であり、われ
われの家の庭に踏みこんで居座っている敵は、講和であろうが何で
あろうが交渉の相手にはなりえない」
くぅ~~~。気高いじゃないか。これ以降、ローマの講和とは敗者
相手に結ぶものとなる。
十字軍の際、居並ぶフランス騎士たちを差し置いて敵地一番乗りを
果たしたヴェネツィアの元首エンリコ・ダンドロに並ぶ格好よさだぜ♪
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ローマの道路整備についての話。当時の技術や考え方が今でも通用するのがすごい。中身を書き出したら、延々と止まらなくなるくらい、深い。
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古代ローマにおけるインフラストラクチャをとりあげる。前編となる本巻では道路と橋を中心に考察されている。土木や社会工学の専門家がこれまで誰もなしえなかった題材に取り組み見事な筆致で全体像を描き出している。土木学会賞受賞作品でもある。
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この巻を読みたくて、この長編シリーズを読破しようと思ったと言っても過言ではない巻の上巻(文庫版なので)。
パクス・ロマーナを実現したローマ帝国のまさに屋台骨を取り扱う。上巻は道路と橋、そして郵便制度。なぜ、紀元前後にこれほどまでに合理的な帝国が豊かな人間社会を築き上げたのに、暗黒の中世という時代へ足を踏み入れてしまったのか、人間というのは不思議な生き物だと思う。
壁を作るのではなく、道を作り、橋をかける。コスト云々ではなく国家の安全保障を支えるものとして軍隊を動員して当たり前のように作る。それがローマ帝国のやり方だが、現代にも通じる考え方ではないだろうか。
インフラとは何か、誰が何のために作るのか。その議論の前に読んでおきたい一冊である。
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イタリア好きの俺。過去も現在もおそらく未来も丸ごと好き。街道をネットワーク化して栄華を図ったローマ人。万里の長城で内なる栄華を図ろうとしたChinaと発想が違う。再来月、行くからさ。イタリア、待ってろよーん。
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今までの巻とは様相を変え、ローマを語る上ではずすことのできないインフラについての考察が書かれている巻。街道、水道、公共施設そのほかそれに付随して行われたインフラ工事について書かれてます。
しっかりしたものを作ることも凄いが、それを何十年何百年と残していくその気概のほうがもっとすごい。
また、インフラを整備することでそのメリットをしっかり引き出し継続するローマ人の考えがまた凄い。感心しきりでした。
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ローマのインフラを扱った巻。街道、橋、郵便制度などを扱う。街道は全8万キロメートルにも及び、石で舗装され、4メートルの車道と歩道に分けられ、地勢の影響がなければ、直線的につくられ、排水溝なども備えていた。マイル塚や宿泊施設、馬車のレンタルなどの施設が街道に付随して発生した。とくに「アッピア街道」の記述が多かった。橋は「街道の弟」と呼ばれ、街道と同様に作られた。これも軍事用なので、平らに作られている。街道や橋をつかったのは、軍団、商人、農民、伝令などで、とにかく誰でも無料で使えたのである。アウグストゥスが整備した郵便制度もあった。「インフラは豊かだからするのではなく、豊になるためにするのだ」とか、「インフラは国家の重要事項だから、厳密な優先順位をつけて行われた」という旨のことが書いてあり、開発について考えさせられる。それにしても、ローマの軍団兵はよく働いた。
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変わって、ローマのインフラの話をする巻です。当巻はハードのインフラということで、ローマ街道や水のインフラの話が書いてあります。ローマ街道の断面図が乗っていますが、よくもまぁ、ここまできっちり作るよなぁ、と思います。通常の道路だけでなく、橋でも排水まで考えて作っているんですから、大したものです。
橋脚の作り方をはじめて知りましたが、やっぱりかなり大変なんですね。考えてみれば当たり前な方法なんですが、今回はじめて知ったのでなかなか興味深かったです。
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他の巻とは異なり、インフラストラクチャーのみを扱った巻。上巻は、街道と橋、そしてそれを使った人々の話。共和政時代からローマ帝国まで網羅して書かれていて面白い。そして、ローマがいかにすごかったのかよくわかる。
ローマ街道を進む速度を人類が超えることができたのは、19世紀半ばから始まった鉄道の発展と、20世紀に入ってからの自動車の普及によってだったらしい。ローマ帝国滅亡からの1400年間、何も変わらなかったか、むしろ後退したようだ。
ローマ帝国時代の地図や、旅人が持っていたらしい、都市名や各都市間の距離などが書かれたコップは、当時の人々が旅をする様が想像できて、楽しい。
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カラー写真がたくさんついてます。
みてると行ってみたくなりますね、イタリア・ローマ。
この巻と次の巻は、インフラ特集といった感じで、街道と水道を主に扱います。
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当時のローマ人の凄さが凝縮している。
紀元前数百年に交流が最大の防御と説き、舗装の道を通していく。
とにかく理念が凄い。
勿論、防衛線という壁はつくるが一度防衛線の内側に入れば、舗装路が街の中心に通され、人と物資が交流するのである。
これが、今から2000年以上も前に政権・政体が変わっても貫かれた理念である。
原野、湿地、河川を貫通して走るローマ街道。
圧巻としか言いようがない。
ローマという時代がかくも長きに渡り存在しえた理由が本書には記されている。
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「すべての道はローマに通ず」というタイトル通りの,ローマのインフラについての話です。まずは,「ハードなインフラ」のうち,タイトルにもある「道路」と「橋」のはなしです。
ローマが街道を整備し,ネットワーク化することによって,直接的な役割として,広大な領土の移動効率が格段に向上しました。それに加えて,整備されネットワーク化された街道網を多くの目的で利用することにより,ローマの多くの面での活動の基盤が確立され,経済性の向上,そして広大な領土の「運命共同体化」や「一体化」にまでつなげていったという話は,現代のインフラストラクチャーの整備や重要性にも通じる話だと考えます。