紙の本
人生という名の舞台
2020/03/17 22:15
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
戯曲を執筆中の作家が、いつの間にか舞台に立たされているような奇妙な味わいです。誰しもが何かを演じていたり、役に成りきっているのかも知れません。
紙の本
二匹目の泥鰌は、そうは簡単に見つからない、っていうことで納得はできますん。『チョコレートコスモス』には遠く及びませんね
2007/03/28 20:48
6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
こういうことをいうと業界の人には叱られるかもしれないのですが、これが菊地信義の装幀だ、といわれたら納得する人も多いのではないでしょうか。さほどにこの本のデザインの完成度は高いです。基調の白、丸背とボリュームのバランス、新潮社らしい上質な紙、そしてちょっと乱歩の世界を思わせるシュールで妖しい装画。銅版画でしょうか、その作家は梅木英治、冴えを見せる装幀は、新潮社装幀室。
最初に、技も何もありませんが各章のタイトルを書いておきましょう。ちなみにこの本には目次は付いていませんし、章には番号もありません。全体の骨格を掴んでもうために私が勝手に目次化しただけで、本当は流れで読んでいくのが正しい、そう思ってもらうのがいいでしょう。
目次だけを見ていると、このお話が大きく三つの流れからできていることが分ります。
一つは「中庭にて」で、これは小さなホテルの中庭で対峙する二人の女が思い出す神谷華晴の死の光景から始ります。次が「旅人たち」で、これは緑の中を散策する二人の男が、神谷が実際に遭遇したという新宿のCビルの地下街であった娘の死を語るところから始ります。最後が『中庭の出来事』で、女優1、2、3が演じる殺人事件のアリバイ崩し劇。ま、最後の最後には「中庭にて、旅人たちと共に」というのがありますが、これがどういうものかは読んでみてください。
ちなみに、このお話、人名がはっきり書かれません。章によっては、一章中に固有名詞が全くでてこないこともあります。それによって、読者は不安定な、虚構性の強い世界を彷徨う感じを抱きます。まして、三つの話は、展開があいまいなままに関連しあう。でも章の流れ、長さには規則性がありません。ま、各々の流れは順番になっていますが、三つの流れが交代に出てくるわけではありません。
ま、本格的なアリバイ崩しみたいな部分が突然出てきますが、全体としては虚実が曖昧。嘘をつかれ続けていると、真実なんてどうでもいいような気分になってきます。文中にある最近の神谷の脚本の複雑さというのは、ちょうどこのようなもので、シンプルな流れをよしとする人には、何とも勿体ぶった話ということになります。
同じ芝居を扱った小説でも『チョコレートコスモス』は、素直に楽しむことが出来ますが、こちらは技巧が正面に出た分、いかにも何かありげではあるものの、中身は単なるエンタメ、そういった感を否めません。出版社のwebに『中庭の出来事』刊行記念インタビューがあって、この二作の位置付けが語られていますから読んでみては如何でしょうか。
その最後は「この複雑な話をケータイ文庫で読んでくださった方、あなたは偉いです(笑)。でも、まとめて本で読むと別の味わいがあるかと思います。もちろん初めてお読みになる方も。とにかく、謎が肥大しスパイラルしていく過程をクラクラしながら楽しんでいただければ嬉しいです。」となっています。
ケータイ文庫でどれほど読まれたか寡聞にして知りませんが、物語の複雑化というのは、案外、送り手の独り善がりの部分があるわけで、コニー・ウィリス『最後のウィネベーゴ』でも書いたことなんですが、私などは、偶には直球で勝負してみたら?って思います。ちなみに野球関係者の直球偏重に対して別役実が『さんずいあそび』で皮肉っています。併せて読めば、いっそう楽しめるかも・・・
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あなたがどちらだと思いますか?「芝居」「現実」。どちらともとれない中で、物語は進んでいきます。ただ、やっぱり恩田作品は最後に「ざっと」完結してしてしまうのですね。最初〜中盤まではものすごく不思議な感覚だったのに。。。
一気に読むのがベストではないかな〜
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空想と現実が交差して、サラっと1度読むだけでは何が何だか、頭の中が混乱してきてしまう。とはいえ、読み返ししても「あれっ!?」って思う箇所も何度もあった。
人物相関図とかメモしつつ読むのもありかも。
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手の込んだ作品。演劇とか役者とか、恩田さん好きだよね。一気に読まないと分からなくなる((←一気に読まなかった人)。。何度読んでも楽しめそうな本でした。
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ケータイで連載していたのですがパケット代がすごくなったので途中で読むのをやめたやつ。本になるのを待ってたよぉ!
演劇モノなのですが、メタな作りになっていて非常に入り組んでいます。劇中でオーディションが行われている、という劇のオーディションが・・・・あぁ・・説明すると訳わからない。。。。
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・劇中劇中劇?みたいな?本当は二回くらい読むといいのかもしれません。メモをとりながら。チョコレートコスモスからこっち、演劇に興味があるのでしょうか。劇中劇がもともと好きなのでOKですが。・1.中庭で殺されてしまった脚本家と、そこに集められていた女優たち、2.偽証する女、3.オフィス街で死亡した若い女性、ポイントはこの3つくらいなのかな。
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現実と虚構が錯綜する、恩田陸の最新作。瀟洒なホテルの中庭で行われたパーティー。その席上で、気鋭の劇作家が毒死する。果たして犯人は誰なのか? パーティーでの毒殺、山中を歩く男二人、とある中庭で対峙する二人の女優。次々と場面転換がなされ、どれが現実なのか、どれが芝居なのかが分からなくなるような不思議な感覚でした。
新しい試みだとは思うけど、本当に難解な話;
ちょっと詰め込みすぎな感じがしました。
多分、いい吸血鬼になれる本じゃないと思います…。
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卒論書きながら細切れに読んだせいか、イマイチ理解できず。劇中劇というか…とにかく構成が複雑だった。同じ演劇を扱った作品でも『チョコレート・コスモス』は分かりやすく面白かったのになぁ。
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「中庭にて」「中庭の出来事」「旅人たち」という三つのタイトルの話が同時進行していきます。劇中劇を扱っていて、何処までが現実で、何処からが劇の中なのか、読者の感覚が麻痺していきます。
読み終わってからも、目が回った感覚が残り、自分の立ち位置が解らなくなりました。
物語は。半分まで退屈に感じましたが…。読了後の麻痺した感覚はナントも言えない後味です。
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芝居と現実の区別が曖昧になる入れ子構造。目の前で演じられているかのような鮮やかな文章は、さすが恩田作品ですね。ラストはどうやって閉めるのかと気になってました。淡々とした感じはありましたが、きれいな終幕で良かったです。
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『瀟洒なホテルの中庭。
こぢんまりとしたパーティの席上で、気鋭の脚本家が不可解な死を遂げた。
周りにいたのは、次の芝居のヒロイン候補たち。
自殺?それとも他殺?だとしたら犯人は誰?それとも、これもお芝居?
互いに交錯し、乱舞するシーン(場面)。
謎が謎を呼ぶ、物語のロンド(輪舞)。
今ここで何が起こっているのか?』
おもしろくてあっという間に読めてしまうっていうのはよくあるけど、「早く読みたい!そしてもう1回読み返したい!速読法身につけてない自分が憎らしい!もどかしい!」って思ったのはこれが初めてかも!
「あ、もしかして分かったかも」って謎が読めてきたように思ったら大間違い、またすぐに裏切られて。。。。頭こんがらがった。
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久々にこんなに頭を使う本を読みました。何度かに分けて確認しながら読む方が良いと思います。途中で頭が混乱してきて、考えてばかりでした。もう一度読もう
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内容(「BOOK」データベースより)
瀟洒なホテルの中庭。こぢんまりとしたパーティの席上で、気鋭の脚本家が不可解な死を遂げた。周りにいたのは、次の芝居のヒロイン候補たち。芝居とミステリが融合し、まったく新しい恩田ミステリの幕が開く―。
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内容は、中庭で起こった殺人事件の謎を解くようなカンジです(何)現実と劇中作(のオーディション)が交錯して、しかも女優が三人いるので、同じような台詞が何度も何度も何度も何度も(略)繰り返されます。
事情聴取のようなインタビューやのシナリオ様の台詞が次々に出てくる、恩田陸お得意の例の手法なので、正直読み始めてから「ああ…またこのタイプかよ〜この手のが得意(楽)だからって手ぇ抜いてんじゃね?」みたいな気になりました(爆)←その前に読んでた本がまんま同じような構成の「ユージニア」だったのがマズかった;サスガにインタビューが羅列された本を続けて読むと食傷気味になります(笑)
読み進んでいくと、ドコまでが現実でドコまでが演劇なのかの境界が分からなくなってきます。階段を上ってくと変なトコに出ちゃうような、なんかエッシャーの描いた建物みたいな小説…って印象です(笑)
ユージニアよりは断然コチラの方が面白いと思いました♪先にコッチを読んでたら、最初からダレずにもっと楽しく読めてたんだろうなぁ。失敗したなぁ…ちょっと期間を置いて読めば良かったなぁ(涙)よし、「Q&A」は当分買わないでおこう(←これもインタビュー構成らしいから。爆笑)