サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

「e-hon」キャンペーン 本の購入でe-honポイントが4%もらえる ~7/31

hontoレビュー

ほしい本の一覧を見る

王様は裸だと言った子供はその後どうなったか みんなのレビュー

  • 森 達也 (著)
  • 税込価格:7707pt
  • 出版社:集英社
  • 発行年月:2007.8
  • 発送可能日:購入できません

新書

予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー47件

みんなの評価3.7

評価内訳

45 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

このタイトルにピンときたら。

2007/11/05 20:37

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:求羅 - この投稿者のレビュー一覧を見る

そういえば、どうなったのだろう?このタイトルを見てそんな疑問が頭をよぎった人は、読むべし。
本書は、「桃太郎」といった民話からイソップ童話、「仮面ライダー」まで、古今東西の15の物語をパロディ化したものである。
これまで私は、パロディというものを一段低く見ているところがあった。所詮、オリジナル作品をおもしろおかしくアレンジしただけのものじゃないか、と。もちろん、オリジナルありきではあるが、既成の作品を借りて自分の思考やテーマを表現する、という意味ではオリジナル以上におもしろい。

パロディと一口に言ってもここには、物語に疑問を投げかけるもの、現代社会や政治を痛烈に風刺したものなどさまざまあり、全体を通してみると、著者の問題意識が浮かび上がってきて興味深い。メディアの「正義感」の功罪、個人と共同体の関係、暴走する危機意識など、示唆に富んでいる。
とりわけ、男女の恋愛になると、熱と力が帯びるように感じるのは、気のせいだろうか。好きだった「瓜子姫」が、愛に破れた悲しい男の物語としか思えなくなったのには困った。強烈なインパクトがあるぶん、副作用もキツイ。まずオリジナルを読んでから、本書を手に取ることをおすすめする。

とはいえ、子供の頃からおとぎ話というものにある種の「胡散臭さ」を感じていたので、痛快に斬り込んでいく著者の筆に、「よくぞ、言ってくれました!」と拍手を送りたくなった。
多分、私が嫌いだったのは、ちっともめでたくないのに「めでたし、めでたし」で終わることや、「だから嘘をついてはいけませんよ」という、読み聴かせてくれた大人たちの押し付けがましさだったのだろう。解釈する人によって、同じ物語でもこんなに印象が変わるのか、と新鮮な気持ちがした。
例えば、有名な「コウモリ」のイソップ童話がある。獣と鳥の双方に取り入って結局どちらからも相手にされなくなった、卑怯で哀れな生き物である。そんなマイナスイメージが、ここでは180度転換されている。著者はタブーに対して鈍感な自身のことを、「王様は裸だと言った子供」になぞらえているが、どちらかというと、コウモリの姿に近いのではないだろうか。
著者の森達也さんは、オウム真理教信者のドキュメンタリー映画を撮った人、というぐらいしか知らなかったのだが、ものの見方・考え方が多面的で、鋭い。本書は、メディア・リテラシーを養う上でも、とても参考になる一冊である。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

裸の王様も昔は子供

2008/04/03 12:40

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る

王様の耳はロバの耳、王様は裸だ、そう、無邪気に何の遠慮も無く言い放った子供はその後、どうなったか?その「子供」こそ森達也自身を投影している。
余談だが、私は「心の闇」というニュースコトバが嫌いである。
不条理な事件、痛ましい殺人、変態としか言いようの無い奇行・・・
常任には理解しがたい事件が起こると、報道はその実情はもちろんのこと、加害者(もしくは被害者)の評判や人柄、生い立ちや環境を調べ上げ高名な心理学者だの元弁護士だのを引っ張り出し、
心理分析やらなにやらいかにもそれらしい薀蓄を羅列する。
そうして出来上がった犯人・加害者像をドラマチックに仕立て上げ、「この加害者はどうしてこんな行動をとったのか?なぜこれほど無残な仕業をしたのか?」など余計なお世話としか言いようの無い「理由」「動機」を作り上げる・・・さらには捏造すらする。

そうして断言するならそれはそれでまだ思い切りが良い。人の意見だからまあ、自由とも言える。
しかしひっぱりだした意見分析諸々に収拾が付かなくなったり象徴的過ぎたりすると、また当たり障りの無いことしかいえない事情があると、ニュースのコメンテイターたちやゲストの皆々様方は決まって「現代の心の闇ですね~」 と、一言付け加え、 一拍置いて 
「では、続いてのニュースです。」とさっさと移る。 なんと身勝手、やりっぱなし、無責任。

日本人にはわからないことが発生すると、その事象・出来事に「命名」し、理解したことにして不安を払拭するという「癖」がある。(日本人に限ったことではないかもしれないが。)
たとえば「妖怪」「幽霊」「神」の類。 昔の人は雷が鳴れば雷神様が・・・、風でスパッと切れれば「カマイタチ」・・・、人知を超えた出来事に妖怪や神の名を被せてそれらを「理解」し「不思議なし」として安心を得た。
 この「心の闇」というのはまさにそうした妖怪となんら変わりは無いのではないか?

理解しがたく複雑な人間の心理、それが暴走し事件を起こそうものならとても説明・解明できるものではなく、対するご立派な意見はタブーである。メディアはわかりやすい言葉、たとえば「心の闇」といった曖昧かつ安全な装置を使い、視聴者はそれを望むのだ。便利で不愉快な装置である。

そうしたタブーをあっけらかんと言い放ち、なんなく切り込めるのが森達也であろう。本書はいくつもの有名な文芸作品をモチーフに、何度でもいつの世でもくり返さす人間の過ち、そのおろかさをユーモアたっぷりに描いている。
権力に臆することなく王様は裸だ、といった子供はその後成長し・・・。自衛と戦略、どっちでもない(どっちでもある)コウモリのおろかさ。
人間の愚かしい行動、人間のサガ。くり返す過ちは戦争や宗教が絡み合い公による強迫とプロパガンダが蔓延する。

やらねばやられるという強迫観念もおなじこと(ふるやのもり)。赤鬼の挙動不審に不安を煽られやられる前にやる、という暴挙に走る民衆=集団脅迫観念による行動。(泣いた赤鬼)

実に様々な、解りやすい昔話を使って、我々現代人に見せ付けてくれる。
ただただ素直に現実に即し、いっそリアルに蘇る名作たちは、御伽噺の中では見せない・・・いや隠されていたユーモアと明確な共通性を提示してくれる。本書が面白い!と素直に喜べる所以である。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

鋭い諷刺と寓意を秘めた一冊

2009/03/04 21:18

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:東の風 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 誰もが一度は読んだことがあるおとぎ話や童話の寓意を逆手にとって、その話の別の見方を提示するとともに、現代社会のある側面と巧みに結びつけ、諷刺した現代社会論集。
 集英社の「青春と読書」に、2004年11月号から2006年12月号まで掲載した文章に加筆、訂正したものが収められています。

 自らを正義と思い込み、報道することによって悪を懲らしめるのだ!という過ちを犯しがちなジャーナリズムの危険と、この民話の寓意とはよく似てはいないだろうかとの考察が痛快な話。
 「当事者にしてみれば自衛なんだろうけど、視点を変えれば侵略ではないか」とする戦争への見方と、「加害者と被害者、どちらの要素もある」とする寓話のテーマとをうまく絡めた話。
 「それ」一辺倒になってしまうと、「これ」や「あれ」への危険が目に入らなくなる。一極集中のリスク・パラノイア現象への危うさを鋭く指摘した話。
 以上三つの話(話のタイトルは、内緒)が面白く、現代社会に潜んでいる真の危険といったものについて考えさせられました。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

2007/08/26 22:36

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2007/09/27 18:11

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2007/10/01 00:15

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2007/10/09 00:17

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2007/11/24 21:51

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2007/12/03 14:14

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2007/12/05 19:47

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2007/12/16 09:46

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2008/01/08 00:31

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2008/01/09 13:07

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2008/02/19 08:59

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2008/03/18 02:41

投稿元:ブクログ

レビューを見る

45 件中 1 件~ 15 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。