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紙の本
ミステリとしてはとてもよくできています。出色、といってもいい。でも、少女の設定が異常すぎて、スマートな論理が霞んでいます、これって勿体無いです、はい
2008/05/02 18:03
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ともかく、このカバーは出色でしょう。このサイズで描かれたセーラー服姿の女子高生としては。特にカバーの右下半分、右手と左肩のあたりの髪のぼかし、これだけで参っちゃう男性も多い気がします。長女などは、早速「これを書いたのは誰?」と聞いてきますし、夫などは涎をダラダラ流しっぱなし。高二の次女はそんな父親を見て馬鹿にしています。それほどに魅惑的。装幀については石川絢士(the GARDEN)とだけ記載がありますが、この少女を描いたのも石川なんでしょうか?
このカバーを飾る美少女が斎宮瞑、清稜高校の二年生です。彼女は彩吹駅前の有名な大手の進学塾・雙羽塾の問題児で、授業にもほとんど出ず、いつも塾のどこかで一人、死んだようになって横になっています。そのせいか彼女の担当となった教師は長続きせず、次々と塾をやめていくのです。いつもシルバー色の大型ヘッドホンを装着しているというのはカバー画のまま。
カバーの美少女から話を始めたので、このまま主人公周辺の人間を紹介しておきます。皆瀬梨夏は昨春、主人公のいる大学に赴任してきた30過ぎの、異常犯罪の研究をしている特任准教授。美人の部類に入りますが、派手な服装と言動で大学生にしかみえません。主人公をスカと呼び、コーヒーをたかったりしますが指導教官でもサークルの先輩でもありません。友達の従妹というのが瞑です。
その皆瀬に塾のバイト、というか斎宮の担当になることを紹介されたのが主人公、僕こと高須賀克司で、この地区では名門と呼ばれる大学の三年生です。実は、趣味というのが、人が殺された現場の写真を集めている、というか自分で撮影することでその現場で皆瀬と遭ってしまったのが腐れ縁の始まり。高須賀のスカと腐肉食動物(スカベンジャー)の二つから、皆瀬はスカと呼びます。
お話はそのスカが斎宮瞑の周辺で起きる謎に挑むお話で、美少女とダメ男との組み合わせは今までにも沢山の例がありますが、ビルの屋上で横になったまま身動きもしない美少女というのは、結構、猟奇的というか変態的というか、今までに見ないタイプです。体が弱いというより病気だよ、なんて思ったりもして。
以下に各話の内容を紹介しますが、何故か英語のタイトルが二つ混じっているのは不思議です。
1 Crumbling Sky (「ジャーロ」No.23 2006年春号):式典の最中に、空からふってきた何かが頭に当たって、担任教師が死んだ。そんな経験を持つ僕の推理は、そして美少女・瞑は・・・
2 四番目の色が散る前に (「ジャーロ」No.24 2006年夏号):第一の犠牲者、笹沼茜が殺されて四日目、僕は納戸愛美と出会った。瞑と同じ高校の二年生で演劇部の彼女、そして町で連続して起きる不可思議な殺人事件・・・
3 Fallen Angel Falls (「ジャーロ」No.25 2006年秋号):僕が屋上で出会った少女は、手首に一筋の傷痕を持っていた。彼女、名門女子校の学生で藝大進学を希望する浦澤華菜は、何者かに呪われ何度も事故に遭い・・・
4 あなたを見ている (「ジャーロ」No.27 2007年春号):何年にもわたってストーカーに付きまとわれた女子学生・森澤恵里が相手を刺してしまった。駆けつけた警察官の前には刺されたはずの被害者が・・・
5 静かな密室 (「ジャーロ」No.28 2007年夏号):予備校で試験中に僕と同じ大学の女子大で監督官のバイトをしていた名上遥香が殺された。疑われたのは、同じ部屋で監督をしていたスカ。その彼は事件の翌日、火災に巻き込まれて・・・
不可能犯罪オンパレードなんですが、斎宮瞑の存在が異常すぎて事件の特異性が伝わらないのは三雲だけではなく、読者である私にとっても驚きです。事件は結構、特異なものですが、謎解きは無駄がなく理解しやすい。逆に、分り易いために三雲の努力が読者に伝わらないということもあります。
瞑とスカとの関係なんかもギャルゲーにありそうなものなので、フツーっていう印象。繰り返しますが、よくできているんです。でも、設定が拙いためにそれが当たり前にしか思えない。これってスッゴク、勿体無いです。
最後に出版社のwebの宣伝文句のコピペ。
少女ノイズ
三雲岳斗/著
ミステリアスなヘッドフォン少女の美しく冷徹な論理
欠落した記憶を抱えた青年と心を閉ざした孤独な少女。彼らが出会った場所は無数の学生たちがすれ違う巨大な進学塾。夕陽に染まるビルの屋上から二人が見つめる恐ろしくも哀しい事件の真実とは――。
気鋭の作家が送る青春ミステリーの傑作!
欠落した記憶を抱えた青年と心を閉ざした孤独な少女。彼らが出会った場所は無数の学生たちがすれ違う巨大な進学塾。夕陽に染まるビルの屋上から2人が見つめる恐ろしくも哀しい事件の真実とは?。青春ミステリー。
紙の本
もっとこういうの書いてくれないかな
2008/01/27 21:57
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編ミステリーの連作。推理物として新味があったりはしないが、この作者の作品は、筆致抑え目の真面目な短編の方がボクの好みにあっているので結構好き。
何故か塾の屋上で屍のようにいる天才少女斎宮瞑と、その世話係のバイトをすることになった高須賀克志。それぞれ少し欠けている部分は二人が共に行動することで埋まっていっているのかもしれない。犯罪の動機が自分の生活をより良くするためであることを考えると、それを解決することによって自分の欠落を取り戻しているなら、その構造はちょっと歪んでいる。
ちなみに、皆瀬梨夏が登場するので、レベリオンやi.d.後の世界なのかもしれないけれど、全く物語的な関連性はない。
紙の本
一を聞いて十を知るミステリー
2007/12/26 11:27
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にい - この投稿者のレビュー一覧を見る
無気力で正義感の強い天才少女と殺人現場好きな大学生塾講師のミステリー
正直普通につまらなかった
キャラクターは中途半端で設定が碌に生きてない
ストーリーも雑
一連の事件から次の事件や犯人像を予測するわけではなく、一つ二つのヒントで犯人そのものやその心理・思惑、次に起こす事件や起きるであろう事態まですべて読み取ってしまう超展開
譲れない信念があるわけでもない相手の心理を読み取り、その行動まで予知するのは超能力でしかない
どこに面白さを求めていいのかまるで分からない「劣化乙一」みたいな作品でした