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ジーン・ワルツ みんなのレビュー

  • 海堂 尊 (著)
  • 税込価格:1,65015pt
  • 出版社:新潮社
  • 発行年月:2008.3
  • 発送可能日:購入できません

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みんなのレビュー270件

みんなの評価3.8

評価内訳

270 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

他の作品と登場人物を照らし合わせながら読めば、楽しさ倍増。そうですね、メモを取りながら読めば、それにみあう喜びを味わえます。ただし、私にはできませんけど・・・

2008/08/22 20:40

8人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

「頑張れ、理恵先生!」っていう思いだけで一気に読み終え、長女と次女に回して「ドーヨ、面白いでしょ」でいい気になっていたのですが、次女が「あの双子の片割れが『医学のたまご』の男の子だよね、あの試験情報を自分の息子にだけながしちゃったバカオヤジが離婚された伸一郎でしょ」と言うのを聞いて愕然。

な、なにそれ、もしかして貴女、現国の成績良くない?それだけ記憶力がよかったら大学受験一発?なんて騒いだ後で、でもじゃあ、どうして英語は学年の劣等性クラスにいて、数学ある試験は受けない、なんていう結論になるわけ?と現実直視し、そういえば長女にもこういった雲間の閃きみたいな一瞬があったわねー、なんて思わず学業そっちのけ、パンやさんのバイトに精出す長女をじっと見て・・・

とまあ、脱線してしまうんですが、それはそれ。気付かずにいても困りはしないんです。何故かって言うと、舞台が桜宮市ではありませんし、主人公がいる病院も当然、東城大学ではなくて帝華大学なんです。ただし、全く無縁かといえばそうではなくて、理恵は東城大学医学部卒ですし、『ブラック・ペアン』でスナイプAZ1988片手に勇姿を見せる高階講師は帝華の小天狗と呼ばれていましたから表裏の関係にありはします。

ま、そういったことは海堂ファンならば気付いて当然でしょうし、実はWebで新潮社のHPに入り『ジーンウルフ』の詳細で、[海堂 尊『ジーン・ワルツ』刊行記念対談]桜宮サーガの先へ(東 えりか×海堂 尊)のなかで、そういった各小説の関係性や、苦労、あるいはメリットについて海堂が触れていますので是非読んでほしいと思います。興味が湧いて全作読破の意欲が湧くの確実です。

話は、ともかく面白いので、内容については簡単にWebの言葉で代えてしまいます。

どこまでが医療で、どこまでが人間に許される行為なのか。強烈なキャラクターが魅せる最先端医療ミステリー!
美貌の産婦人科医・曾根崎理恵――人呼んで冷徹な魔女(クール・ウイッチ)。人工授精のエキスパートである彼女のもとにそれぞれの事情を抱える五人の女が集まった。神の領域を脅かす生殖医療と、人の手が及ばぬ遺伝子の悪戯がせめぎあう。『チーム・バチスタの栄光』を越えるドラマティックな衝撃があなたを襲う!

以上で十分でしょう。舞台と登場人物について補っておきます。

舞台は首都にある帝華大学医学部と、そこからメトロで20分の距離にあるという個人病院マリアクリニックです。マリアクリニックは院長の人柄や帝華大学から非常勤ながらも先生たちが来ているということもあって大変人気のあった産院でしたが、地方の病院の産科での死亡事故や独立法人化した大学病院の医者たちの引き上げもあって経営が成り立たなくなっています。

これは、現実の厚労省の後先を考えない近視眼的な政策や、親方日の丸的な考え方しかできない大学教授たち、あるいは少子化を問題視しながら、女性の不妊治療を白眼視したり、体外妊娠でも子供が欲しいと切望する夫婦の気持ちを古臭いものの見方で一蹴し何も感じない日本の有識者やマスコミ、政治家に対する異議申し立てのお話です。

主人公は曾根崎理恵、32歳の美貌の産婦人科医。先ほども触れましたが桜宮市にある東城大学医学部卒で、現在は首都東京の帝華大学産婦人科学教室に在籍し、発生学の講義を担当して3年になります。職場近くにある個人病院マリアクリニックで非常勤の医者として働いていますが、これは公認のもの。夫は曽根崎伸一郎ですが、現在、アメリカに単身赴任中。二人の間には子供がいません。

理恵の直属の上司にあたるのが、清川吾郎准教授。人当たりもいいですが、容姿もなかなかのもので、彼もマリアクリニックで非常勤の医者として理恵といっしょにバイトをしていました。現在は、状況が変わって大学での教鞭専門になっていますが、マリアクリニックの行く末を憂慮する、遊びも仕事もこなすいい役どころです。

理恵と清川の上に立つのが屋敷教授です。帝華大学の教授で、年齢ははっきりしませんが70代といってもおかしくない感じがします。考え方は古く、権威主義で厚労省の鼻息ばかりうかがっていますが、理恵に利用された形で三枝久広逮捕に抗議して、現場の医療関係者から喝采をうけたりしてしまいます。可愛げは微塵もありませんが憎めないジジイです。

三枝茉莉亜はマリアクリニックの院長ですが末期の肺癌を患い、余命半年と言われ、クリニック閉院の一因にもなっています。彼女の長男の久広先生は、一年以上前、極北市の病院で患者を死なせたとして業務上過失致死の疑いで逮捕されています。この背景には警察庁と厚労省との勢力争いがあったとされ、これも茉莉亜院長の気持ちを弱くさせています。

マリアクリニックで働いているのが妙高みすずという50代の看護士で、しっかりものですが考えがときに堅すぎることがあります。

閉院の危機にあるマリアクリニックに今も通いつづける5人の患者について書いておきましょう。

まず三人の自然妊娠の妊婦です。

甘利みね子は結婚して八年になる34歳の主婦。すでに秀樹という三歳になる男の子がいますが、二人目を身ごもっています。

神崎貴子は海外出張を控える28歳のキャリアウーマンで、妊娠は予定外。産むかどうかで迷っています。

青井ユミはもうじき20歳になる、男遊びがはげしいヤンキータイプの女の子。妊娠は勿論予定外のことなので、おろそうと思っていますが、まだ19歳ということと相手が逃げてしまったためにそれもままなりません。代理の父を募集中。ちなみに、彼女に利用されてしまうのがコージという好青年です。

次が不妊外来の人工授精患者、二人です。

荒木浩子は理恵の赴任外来に通院して五年、やっと今回着床して、これがラストチャンスだと思っている39歳の女性す。

山咲みどりは二個の卵を着床させた55歳の女性で、双子出産の可能性がありますが、年齢もあって客観的には難しい状態にいるはずです。ただし、この人はそういうことで動揺する姿を全く見せません。

ちなみに『医学のたまご』はこれから14年後のお話。薫のシッターの山咲さんは、『たまご』では60過ぎ、となっていましたがこの話と関連付けると69歳、60代であることは間違いありませんが、ちょっと辻褄があわないかもしれません。海堂が「張り巡らせた蜘蛛の糸に自分の首がからまって、最近ちょっと苦しくなってきましたけれど」というのは、こういった部分の辻褄合わせかもしれません。

ただし、私は敢えて指摘したまでで、少しも気になりませんでしたし、違和感も感じませんでした。ま、同じ人だと気付きもしなかったんですが。

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紙の本

命はそんなに簡単に枯れない

2009/02/14 09:12

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る

産婦人科医が抱える問題、地域医療、代理母など
現代的な医療問題をはらむ社会派サスペンス。

ヒロインは、海堂尊の愛する桜宮市東城大学医学部出身で
現在は東京の帝華大学に入局した曽根崎理恵。

彼女がアルバイトで務めるマリアクリニックは
院長の病気と、極地医療に取り組む息子の事件によって
閉院に追い込まれています。
その最後の5人の妊婦と、理恵が行う発生学の講義によって
日本の医療問題を小説は語り始めます。

前半、やや饒舌すぎるのがいつもながらの欠点なのですが
後半のドラマチックな展開は見事。
本当に海堂尊はロマンチストですよね。
理想主義であり、抒情的。

理恵につけられたあだ名は「クール・ウィッチ」。
論理で、上司にあたる清川医師、教授など男たちを黙らせます。
まるで悪魔のように。

そしてマリアクリニックのマリア院長がいい。
人間の命はそんなに簡単に枯れない。


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紙の本

妊娠、出産、母親になるということを考えさせられる作品

2010/04/28 04:02

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:依空 - この投稿者のレビュー一覧を見る

主人公の曽根崎理恵は帝華大で講師として働く傍ら、産婦人科病院「マリアクリニック」に非常勤の医師としてサポートに入っています。この病院の息子は極北市の病院に勤務していましたが半年前に術中死問題で不当な逮捕を受け、院長はガンで余命いくばくもなく、医院は閉院が決定しています。この病院の最後の患者は5人の妊婦。この中の1人が日本では認められていない代理母出産らしいという話が理恵の先輩である清川准教授の耳に入り、清川は理恵とクリニックを探っていきます。

本書は現代の婦人科医療や産婦人科医の不足、不妊治療、代理母問題のことを取り上げていています。現代の産婦人科が抱える多数の問題を提起し、メッセージ性が強い作品でしたが、妊娠という分野は非常に興味深く楽しく読むことが出来ました。
こういった医療小説を読んでいると自分の知識のなさと興味の薄さを実感します。生きている以上医療には必ずお世話になるものですし、産婦人科となるといつかは自分も関わるところです。本書はフィクションとは言え、自分が今まで知らなかった産婦人科医療の抱える問題を目の当たりにし、もっと真剣に考えていかなくてはいけないなと思いました。

正直なところ、私は五体満足の子供が生まれてくることを半ば当たり前と言う感覚でいました。けれど、本書を読むことでそれは本当は奇跡に近いことなのだなと思い知らされるようでした。自分が未経験のことだからこそ、妊娠・出産の怖さと神秘を感じます。
「母親になる」ということに関しても興味深かったです。作中で始めは中絶するつもりだったのに、最後にはどんな困難も受け入れる力強く愛情ある母親になっていく少女がいます。母親になったことがない私からすると、彼女の変わりようはいささか極端ではと思うところもありましたが、その反面母親になるというということはそういうことなのかと感じる部分もありました。私が彼女の立場になった時、果たして彼女と同じ決断ができたかどうかわかりません。理恵が中絶の意味を詳しく語っているシーンでも頭を殴られたようなショックを受けましたが、このシーンも色々と考えさせてくれました。

クール・ウィッチとあだ名される理恵のことを、産婦人科医療と真摯に向き合いそのためには権力に屈することもしない立派な医師と、そう途中までは思っていました。ところが最後に明かされた真実に背筋がゾッとしました。理恵に好感を抱いていただけに、後味の悪さがぬぐえません。お話は最後までぐいぐい読ませてくれるものだったのですが、この最後は衝撃的で、改めて医療のすごさと怖さを感じました。

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2008/03/23 14:47

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2008/03/30 22:44

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2008/03/31 21:21

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2008/04/07 09:22

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2008/04/09 10:46

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2008/04/13 18:31

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2008/04/20 00:50

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2008/04/21 23:55

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2008/04/24 00:05

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2008/04/28 17:56

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2008/05/01 02:14

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2008/05/07 14:32

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