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大学の授業で読んだ。
「うぇっwwそれで終わり?!まじかwwww」って感じの内容。
すかって空振りして、終わり、みたいな。
途中まではいいのに。
え?そこゆわなあかんやろwゆえよwwってすごく思ったw
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しみじみとやるせない。人の縁は、ぞっとする程些細な出来事や思惑一つで育まれも、駄目になりもする。
余計な煽りは無いのに、その根底にどこか哀愁漂う鴎外の文体、やっぱり好きだなー。
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大学の教授が森鴎外とか夏目漱石とか研究してるって聞いてこれは読まねば、と最初に手をつけた本。以前学校で舞姫を読んだときに文語体が異常に読みにくかったので鴎外からは一歩引いていたのだが、これは文章自体は比較的読みやすかったので購入。
場所や時代の設定に加え、現代人には馴染みの薄い単語が五万と出てくるので背景知識か資料が欲しい。後ろにある注釈を引きまくりながら読んでもやっぱりなかなか理解しにくい点があるが、土地勘を掴みながら読むとまた味が出るだろうと思うので、時間があれば地図と資料片手に二度三度読んでみたくなる。寧ろこれが作品の奥深さというものなのだろうか。何にしても一口で語れないあたりが深いなあ、と思う。
大きな内容から物語を二分することが可能で、前半がヒロインお玉と父親のすれ違いの話、後半が主人公の親友岡田とお玉の淡いやりとりの話。
前半の心理描写は緻密かつ直接的でわかりがいいし、携帯でリアルタイムに居場所を知らせることができるようになった今もこういうことありそうだなあと頷ける。
後半はなかなか進展しない恋心と人間模様が繊細に描かれ、読んでいて一種のもどかしさと緊張感を覚える一般的な感覚と、当時としては恵まれた環境にあったであろう岡田という人物の夢のような話が混ざり合って何とも不思議な読後感を覚えた。
ラストシーンの数奇な運命は舞姫同様やはりどこか鴎外自身の人生を彷彿とさせるところがあり、この手の結末があと何作あるのか気になるところだったりする。
他の作品も見てみたいなあ、と思った。
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前作「青年」に比べて格段にこなれた文章・内容。地名が多く出るので明治時代の古地図を手元に置いて読むのも面白い。
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明治の話だが
現代の男の感情、女の感情、人間同士の感情の根底にも受け継がれているものがあると思った
なんとなくメタファーが多いような気もしたり
それは時代が違う故に、自分に勘ぐりが入っているのかとも思ったり
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読み進めるにつれ、タイトルの「雁」とはなぜに?などと思っていたけれど、終盤、物語は意外な方向へ転がり、そして意外な結末を迎える。そのきっかけとなるのが「雁」だった。
物語は語り手の友人である岡田という青年と妾に身をやつした美しい女性・お玉の淡い恋模様を中心に展開していくが、語り手の位置がなんとも定まりづらく、不思議な作品である。あるときはお玉の心情が切々と語られ、あるときはお玉を囲っている高利貸しの旦那と嫉妬に狂うその妻とのやり取りが生々しく描かれる。
主人公は後々お玉と縁があり、この話を聞いたことになっているので、元々伝聞の話を後から組み立てたのだ、ということになっているが、そうすると、旦那の部分だけ、旦那が物語の語り手となっているようなのが少し不思議な感じだ。その若干混線したかのような目線が、まるで近代を迎えて日本人が直面した自己と自我との関係に対する迷いのようで、この物語の顛末(「雁」が引き起こした結末)とともに、不思議な読後感を残した。
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高校で「舞姫」を読んで、あんまり好きじゃないなぁと思っていた森鴎外なんですが、これはちょっと面白かったです。
歳と共に好みも変わっているんだろうか(笑)
切なかったです。ほんの些細な偶然が大きく歯車を狂わせていくんですね…
お玉の身の上話がかなり長くて、やっと「僕」と岡田のところに戻ってきたと思ったら、急展開。「あら~~?」と、思う間もなく終わってしまいました。題の「雁」もなかなか出てこなくて、なんでタイトルが「雁」なんだろう?と思ってました。
なんとなく、タイトルは「青魚(さば)」でも良かったのかもね、なんて(笑)
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じーんとした。
お玉さんはその後どんな人生を歩むんだろう。
人を騙さない、しかも騙されない。
自我をようやく確立しつつあった時に、
自分の意中の人と結ばれなかったこと。
あまりに理不尽で、生を放棄することにもなりかねない。
お玉さんが乗り越えてくれていたら嬉しい。
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明治時代に書かれた小説ではあるのに読み易く、登場する人物の描写から、現代の人間となんら変わらないところに驚きでした。
いつの時代も末造のような男はやはりいるし、だからといって末造は憎むべきキャラクターでもない。
お玉のように妾として生きていくしかないという女性は今はあまりいないとしても、密かな恋に淡い期待をして、ほんの偶然、縁というそれだけのことでそれきり結ばれることのない恋、実は私たちの周りにこのような悲しい恋は毎日のようにはかなく終わっているのだと改めて思いました。
そう考えると、何気ない一瞬の出来事であっても、人の一生を左右していくんですよね。
岡田には多少イライラさせられましたが、だからこそこの物語は成立するのですし、結局のところやはり岡田のような男に女は惹かれてしまう。いつの時代も変わらないです。
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「偶然が重なり結ばれなかった高利貸しの愛人と学生」という書評から連想されるドラマとは裏腹に、その「偶然」はとてもささやかなもので、二人の思いも激しく物語を高ぶらせるようなものではない。女が学生を思う気持ちが次第に強くなっていく流れには、純情潔白に育ってきた女が次第に見せはじめる「湿度」が感じられる。反対に、学生は女に対して特別な感情を持ち得ていたのだろうか?
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昔ほどの嫌悪感はなくなったけど…やっぱり読んでいてイラっとしてしまうのは何故だろう森鴎外。森鴎外は育ちが良くって学もあるクソ真面目な典型的優等生タイプなんでしょうね。文体からもそんな臭いがプンプンするからなぁ。その辺が鼻につくのかな。
しかし森鴎外作品の登場人物は何故こうも煮え切らないんだろう。「行動するならとっととやれ!」と何回もツッこむはめに。合わないんだなぁ。
その時代の資料として読む分には面白かったけども。明治のお妾さんの生活はこんな感じか。
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自我に目覚める女の話かと思いきや、最後の方に雁を食べる話になってるじゃないか!?って思ったら素晴らしい終わり方だった。いや、オモシロい。
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ipadを持っている人は、i文庫というアプリがあるので、それで読むのが一番良いと思う。鴎外の味がわかるまで、読んだ。
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この本は英訳もされている。明治の初めの頃の物語だ。何と情緒あふれるすばらしい文学だ。人を引きつけて離さないストーリーの展開。だまされて高利貸しの妾にされたお玉の魅力的な事。江戸時代の女性の風俗画をみてるようだ。この文学には女性がよく出てきて、明治色の女性がどんな人生を送っていたかがよくわかる。
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意外なほど読みやすかったです。最近の小説と変わらないくらいの言文一致具合。
大好きな旧岩崎邸付近の、純情な美男美女がすれ違う話。岡田という名の男性はもれなくパーフェクトなのだろうか、と邪念が入ったり入らなかったり。
11.04.06