長野まゆみ氏の不思議な魅力と雰囲気を醸し出した短篇集です!
2020/05/25 11:19
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、一貫して独自の世界を切り開いてこられた長野まゆみ氏の作品です。同書も独特の作風で、非常に興味をもって読み進められる作品となっています。同書には、4人の人物が登場します。一人目は、大学の求人にあった「猫シッター」という報酬が高額なアルバイトの面接に行ったはずだった一郎です。二人目は、貧乏な生活を送り、聞こえのよくない商売の登録者になって、雨の日、傘を持って相手を待っている剛史です。三人目は、提燈を売るアルバイトをしているのですが、兄を亡くしたことを認めたくなくて、醒めない夢の中にいつまでもいるような敦也です。そして四人目が、母のために菊の上に乗っていた真綿を盗んだ過去を持ち、ある日、部屋に泥棒が入り、母の形見のカメオをつけた部屋を出入りしている野良猫が来なくなってしまった寧です。こうした4人が、それぞれが必然的に訪れることになる「猫飼亭」という屋号のお屋敷には、美男な兄弟たちが住み、訪れた人を「猫」にしてしまうという、不思議なストーリーと魅力を満載した短編集です!
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投稿者:師走 - この投稿者のレビュー一覧を見る
BLの小説、それと気付かず初めて読んだ本。
表紙がかわいくて図書館で借りて、読んでびっくり。
(最初の、一郎と芳白の台詞が噛み合わなくて、「??」だった。
ていうか、BL云々というより雰囲気とか言葉とかきれいで好きになった。
それに芳白格好いい。
最後がとにかく好きで、あれだけ何度も読み返してる。
この続き、書いてくれないかなー。
あの家、他の物語にも出してほしい・・・
「猫飼亭」にたどりつける人は幸いです
2020/08/10 11:34
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投稿者:やじやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
長野作品だったので、その手の話には驚かないけれど
初読の時に自分自身がちょっとざわめいたのを覚えている。
(初読は文庫本の初版時)
で現在(2020年)再読した今の方がざわめきが強い。
内容はわかっているのにこのざわめきは何かな。
相変わらずの硬質な端正な文章で、素敵な品々のことが描かれて
「猫飼亭」自体が現実ではない場所の錯覚にとらわれてしまうようなこともあるけれど。
ある意味そうなのかも。
猫シッターではなく、猫になるところ。
比喩・たとえ・隠語があからさまで、ちょっと恥ずかしいくらい。
その恥ずかしさが淫靡でしてね。
むしろ最近の作家さんの直裁的な表現をしてくれる方があっけらかんと読める気がします。
猫のざらざらした舌でなめられている感じ。
鬱屈や思い出の話が連作で続きますが、
ちょっとざらっとした読み心地に座りが悪い気がしていたのですが
最後のお話にほっこりしてしまった読み終わりでした。
現実にないどこかみたいな気もするので
「猫飼亭」にたどりつける人は幸いです。
表紙が可愛らしくて
2017/09/01 18:58
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙とタイトルに惹かれて読んだ作品。猫ってそっちか!?と驚きました。乳白色の靄の中の出来事を垣間見てしまったような読後感。
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「ほしくてほしくてしょうがないものに手をやいてこその快楽じゃないか。それが好色の好色たるゆえんさ、」
幻想的で、官能的な匂いの漂う作品。
んー、でも、男の人には向かないかも。
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エロというより淫靡〜な感じ。そして、なんという嫌な兄弟(嬉)いちばんダイレクトにえげつない芳白が好きです。
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あまり人にすすめられないけど、個人的に大好きです
正直萌えますた
いちろうとほしの話がすきでしー
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タイトルと紹介文を読んで買ったので、著者を見てなかった。
長野まゆみさんだったんですね。
友人が学生時代に萌えてたのを思い出しました。
読んでいて、アレ・・・アレレ??
猫ってそっちのネコ?
飼うってそっちのカウ??
そういう方向の本なのですね!
直接的表現が多く、驚きましたが
どうやらこの本がイレギュラーなようですね。
他の作品はここまで直接的表現ではないようです。
言葉遊びや、軽快な文章運びなんか読んでいて世界観に引き込まれました。あぁ、そういう世界もアリなのかもしれないなと思わせる何かが
あったように思います。
文章が音楽を聴いているようで、心地よかったです。
余韻が軽めだけれど、想像の余地を残していて旨いなとも思いました。
サラッと読むにはいいかもしれないねー。
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久々再読。私はファンタジーっぽい少年ものより、ちょっと年齢層高めで現代ものの方が好きなんで楽しめましたが、しかし表現が直接的だよね!
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個人的には好きな話。
BL表現ありでした。BLと表現していいのか分かりませんが…
少年愛とは違いますし(笑
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やっぱりきれいな世界を表現できていると思う。この世のものではないというか、どこか別の世界と行き来できてる感じ。
今回のテーマは猫。芳玄(よしはる)・芳白(よしあき)・星・芳緑(かおる)の四兄弟が住む(星は別)「猫飼亭」を舞台にしている。彼らは、そこを尋ねる人たちを「猫」と呼ぶけど、彼ら自身が猫なんじゃないかなぁと思ってしまう。
登場人物の相互関係の鍵は、写真に見つかる。
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「猫シッター募集・短期・住みこみ/三食つき」という
学生課の掲示板の求人に応募した梓一朗。
同じく猫シッターに募集した日暮 星とともに
〈猫飼亭〉を訪れたものの応対に出た駒形芳白(よしあき)とは
会話が噛み合わない。
どうやら猫の世話をするのではなく、「ねこ」になり
兄弟の道楽に付き合うということらしい。
そっちのネコかよ!!
猫飼亭のレトロな家屋や美しい骨董品など
小物使いに関しては、文句無し!
猫飼亭の末っ子の芳緑(かおる)に関しては
今までの少年同様、美しくミステリアスな空気を纏っていて
表面描写に関しては文句はないけれど、兄貴がよくない。
諸悪の根源、イケメン兄貴 芳玄(よしはる)と芳白(よしあき)
これが青年なんですよぉ〜
せっかく怪しい雰囲気で進んでいくのに
この青年二人が出てきた途端に、あけすけにストレートに
あっけらかん?とオイタをしてしまうのですよぉ〜
ある意味、官能的なのかもしれない。
あのバスルームもステキだし・・・
バスタブが泡泡になっていく仕掛けも面白いし
漂う香りと眠気で理性も飛んでしまうんでしょ〜
しかしなぁ〜
嫌いではないけど・・・
初期作品ばかり読んでいたので戸惑ってます。
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学生課で紹介された猫シッターのアルバイトで、一朗は<猫飼亭>なる屋敷を訪れる。家主とその美しい兄弟の奇妙な注文に応えるうちに、彼は不思議な世界をのぞくことになり・・・<猫飼亭>を訪れる者たちが見た4つの「極楽」の物語。
長野まゆみ独特の美しく秘めやかな文体で描かれた、青年たちの性愛物語。猫好き(この本当の意味は、作品を読めばわかるのだけれど)にはたまらない、読んでいてドキドキしてしまう素敵な物語。
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昔は素通りしてしまったんだけれども。
此処最近、大人な長野(?)方面を再読していて。
改めて、これは「エロイ」と思いました(笑)
設定からして・・・ですが、女史の作品のなかではかなり直接的な表現が出てますよね〜。
子供には勿体無い。
大人のお姉さん達におすすめ。
最初と最後の話が好きです。
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変な性癖を持つ兄弟に囲まれて星は大変だなと同情していたら、星もおかしな性癖持ってた。
でもコンプレックスの塊のような星が可愛い。
そばかす可愛いじゃない。
雀斑でなく、星斑。うん、可愛い。
一朗と星のその後の話をもっと読んでみたいと思った。