電子書籍
グレーゾーン
2022/01/02 16:19
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投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る
今回はいつもの紋切り型ではなく、何が正しいのか、誰が悪なのかとかはっきりしない感じの話が多かった。その意味ではIWGPシリーズとしてはちょっと異色の一冊といえる。
紙の本
作品のテーマを再認識~やっぱ名作。
2009/02/04 10:29
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投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
池袋ウェストゲートパークも、外伝の「赤・黒」(ルージュ・ノワール)を加えれば、本作までで7作。1作目から大ファンになり、本作に至るまで発刊の度に楽しく読ませて頂いて来た。主人公は池袋で家業の果物屋を手伝う、自称トラブルシューターの真島誠。彼の元に持ち込まれる、地元池袋だからこその色々なトラブルを、彼の機転と絆で解決していくのだ。と、こう書けばやけに浅く感じるのだが。いやいやさにあらず。本作品は池袋の街のずっと深い部分、人間たちのずっとずっと深い部分を描き出した作品である。
東京在住の私は池袋にも良く出向く。もちろん池袋西口公園も良く知っているので、この作品の楽しさはまたひとしおだった。けれど以前の書評でも書いたのだが、このところちょっと、マンネリな感があった。すなわち、トラブルを抱えた者がマコトの元に転がり込み、マコトは義の名の下に池袋の「少年少女のキング」タカシの力と、地元暴力団の交渉部長で幼馴染のサルの力を借りてそのトラブルを解決し、悪い奴を懲らしめるという形。正直「またか」的な感があったし、もうこの物語はこれ以上成長はしないのかな、とも思ってしまったのだが。
石田さんが変わったのか作品が変わったのか、いや読み手の私が変わったのかはわからない。がしかし、確かに読感が以前とは確かに違うのだ。以前は何だろう、数ある東京の街の中でももっともディープな池袋の街の風俗を通して「若者たちの今」や「世俗の今」を描いている感だった。ああ今の若者たちはもう、こんな事になっちゃってるのか…的な。それが段々と変化してきて、今回のIWGPでは色んな面から子供たちを、子供たちの未来を守ろうという意識が感じられたのは私だけだろうか。
作品中で起こる事件は、今回もやはり池袋のディープサイドの事である。表題になっている「灰色のピーターパン」では、盗撮した携帯写真をDVDに焼いて、違法に販売している名門小学生の物語。
ここで訴えかけられているのは、決して「こんな世の中になっちゃったんだよ」という事ではない。そんないたいけな子供たちが、そんな事が出来てしまう、危うい世の中に警鐘をならしているのだ。その小学生に金の匂いを嗅ぎつけてたかる、悪しき少年たちが象徴的に描かれている。そしてやはり守ってやるのもまた大人。守ってやらねばならないのだ、と。そう作品は訴えかける。
また兄の膝と夢を壊され、復讐を依頼してきた少女には、「そんな事をすれば、お前もケダモノになっちうまうぞ」とマコトは話すのだ。作品を通して、世の中の子供たち全員にそう語りかけているように感じたのは、私だけだろうか。目線が一つ上、大人の目線になっている。そして、以前の作品より暴力的なシーンが極力削られている感。マコトの解決方法も、力技ではなく、知恵と工夫でといった感が強い。本作品では決して直接拳を振り上げたりはしない。悪意に憤ることもあるけれど、ぐっとこらえてスマートに事件に対峙していく。いやマコトは決して弱腰でもなく、ケンカが弱いわけでもない。過去の作品には何度か直接戦うシーンもあったはずだ。
・・・いやそうか。主人公のマコトが変わったのだ。第一作では高校を卒業したばかりの少年だったマコトも、本作ではハタチを超えていた。視線が少年から大人のそれに変わっていたのだ。なるほど、さすがである。主人公の成長に合わせて、性格はそのままに、立場と目線を変えたのだ。
池田小学校での惨劇を耳にした石田さんは、涙ながらに「約束」を書いたという。また「4TEEN(フォーティーン)」では14歳の少年たちの、大人との戦いと成長を描いていた。考えて見れば、いつもいつも石田さんの作品は子供たちの為に書かれていたように思う。拙いからこそ迷いも失敗もする。でもそうやって成長していくんだ、手を貸してやろう救ってやろうよというメッセージが、強く流れ出てくるのだ。そしてふと思い出す。あの頃の自分を。拙かった自分を。何をエラそうな事を、と自分を笑いたくなってしまう。
池袋ウェストゲートパークシリーズ。目を覆いたくなるような現実を描いた作品もある。でもそれが今で、現実なのだ。目をそらしちゃいけない、知らなくちゃいけない。そして守ってやらねばならない。この作品から得られるのもは、老若を問わずに大きい。誰にも読んで欲しい、現代の名作である。
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ミノル・チヒロ・テツオ・イクミ・コウイチ。
マコトはいつも名前で呼んでくれる。だからすごく親近感があるんだ。
灰色のピーターパン
野獣とリユニオン
駅前無認可ガーデン
池袋フェニックス計画
『野獣とリユニオン』『池袋フェニックス計画』が良かった。
おかん最高!!
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久々に「IWGP」シリーズを読みました。長く続いているシリーズなので、物語の枠組みなどはシッカリしています。安心して読める小説です。ただ時勢を反映した事件を題材にしているとはいえ、ある程度事件解決のパターンが確立していて、悪く言うとマンネリ傾向があります。それでも読み続けているのは、間違いなく面白いからなんですけどね。安心、安定のシリーズです。
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石田さんから少しばかり離れてからもずっと読み続けてるシリーズ。
文庫でしか読んでないんだけど、ちょっと文庫化ペースが遅い気がするのですが。
これも結構待った。
まぁとにかく内容。
今回はなんとなく、可もなく不可もなく。って感じかな。
いつも通りテンポ良くて読みやすいけど、
いままでIWGPの味だった“正に今、このリアル時代”みたいな感じが薄かった気が。
ただ単に私が外界に対して無神経になってしまっただけかも。
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なんだかやるせない思いも残しつつ、やっぱりマコトはかっこいい。誰にでも真摯でいい人ぶったりせずにまっすぐ向き合ってる。なんでモテないんだろう。
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何か……なんとなく1から読んでいるシリーズです。
タカシが好きなんです。
でもわたし、未だにタカシがシュッとしたイケメンっていうのが信じられない。
初期にそんな描写ありましたっけ?
初期の時点でタカシを「キングコング体格で鋭利な男前」って風にイメージ定着させてしまい、何かどうもイケメン描写に慣れない……。
いや、キングコング体格云々は、単にお前の好みやないかって話なんですが!
あと今作でタカシが、ちくB透けてる服着てた、ってのに吹きました。
え、何、それは意図的に透かしてるの? ちくBを?
キングの考えることは分からんぜ。
石田衣良(一発変換でしたATOKすげえ……!!)の女性キャラの口調がいっつも気になるのはわたしだけであろうか……。
とくにマコトのお袋さんが、
「お前は〜なのかい」
「あたしは〜なんだ」
っていう、ちょっと古いイメージの「おかあちゃん」口調なのが、すんごい気になる……!
何でそんな……! 今っぽい口調のほうが、作風に合ってる気がするんだけどなあー。気のせい?
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小学生の盗撮・販売、加害者と被害者問題、シングル・マザー、街の清浄化とその影でしか生きていけない人々。
どれも現代社会で問題になりえるものばかり。
まだまだたくさんあるものだと、変に感心してしまった。
「野獣とリユニオン」では被害者と加害者が別の関係の中では逆転する。
現代のいじめと同じ構造が社会の中にもありえるというのが、表現されていた。
今後とりいれられる裁判員制度を少し意識されたような話だった。
「駅前無認可ガーデン」ではGボーイズの前キングが登場。
キャバ嬢の未婚の母の抱える現実問題がテーマ。
どの話の登場人物にもそれぞれに抱える問題がある。
勧善懲悪では絶対に表現できないことだから読み込めてしまう。
IWGPシリーズにしてはどれもきれいによい結末を迎えていたと思う。
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好きだったんだけど…最近だいぶマンネリになってきました。女子供の依頼を受けて、キングとサルくんの力を借りて事件を解決って、まあそれしか手札がないんだから仕方がないけどさすがにちょっと鼻につく。ますます説教クサイとこもアレだし。「フェニックス計画」の話は、中ではデカイヤマだったし、比較的こみいった作戦を展開しマコト自身も特攻してたしマシだった。解説者も同じこと感じてるみたいだけど。上手い私がさらっと書きました感が、文章から立ちのぼってくる感じもチョットナンです。
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IWGPシリーズ6作目。
シリーズものなのである程度スタイル確立しており、安心して読めます。
今回テーマになってるのは、盗撮、通り魔etc…世間でも話題になったことがある事柄を
取り上げてます。以前に比べ、勢いは落ち着いた感じですがおもしろさは保証済みなので
良いと思います。
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ついにデタ━━━゚(∀)゚━━━!!
IWGPの第6弾!
今回もバラエティに富んだ事件が起きましたね〜♪
マコトさん、相変わらずカッコ良いっす♪
「IWGPシリーズは文庫本で買う!」なんていう、くだらない自分のルールさえなければ(つд⊂)エーン
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常にアップデートされた最先端のトラブル。
WEBで一文レビューを書きました。
http://www.first-priority.yi.org/~siza/blog/2008/11/_iwgp6.html
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池袋のトラブル処理屋であるマコトが、いつもの如く、トラブルを請け負い解決していくという内容です。
池袋のギャングのボスであるタカシとヤクザのサルから例の如く力をかりて解決するというものがほとんどで、ワンパターンさは拭い切れないのかなと感じました。そろそろ違うパターンも欲しいと感じる6作目でした。
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10/27 相変わらずこのシリーズだけはおもしろい。時代の流れをきちんと書いているところはすごいと思う。
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IWGPシリーズ第6弾!灰色のピーターパン
『飽きない理由』
第6弾ともなれば、スタイルが確立されています。
主人公マコトの読者への問いかけから始まり、本編にはいるというスタイル。
この問いかけに面白さを感じる。そして現代とシンクロする事件の内容にリアルを感じる。
リアルな事件と話の構成、そこがIWGPを飽きずに読める理由だろう。