それ自体に意味はなく、それが引き起こす行動に意味がある
2009/09/19 19:51
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
見かけは三人称の文体なのだが、実際は浅井ケイと春埼美空、二人の高校生の視点で交互に語られている。
二人が住む咲良田は、一見するとただの沿岸の地方都市。ただ一点、住民の半数以上が超能力者だということを除くならば。そして、浅井ケイは全ての記憶を忘れない能力、春埼美空は三日だけ世界を巻き戻すリセットの能力を持っている。
超能力者といえばバトルものという展開を想像しがちだが、いきなりそうはならない。何せ二人の能力はバトルに直接役立てられるようなものでもない。だから彼らの下に来た依頼も、死んだ猫を生き返らせて欲しいという、一見平和で、でもある意味、過去を捻じ曲げるという無謀なもの。しかしそれが出来てしまうのがリセットという能力だ。
この依頼は単なるきっかけに過ぎず、それ自体に意味があるわけではない。すべてが終われば、まるで何もなかったかの様に世界は平穏を取り戻す。重要なのは、きっかけによってはじまる人との出会いであり、それが引き起こす悩みであり、過去の記憶を掘り起こして後悔することであり、何かを変えようと動くこと、それ自体である気がする。
本当は何も起こっていないのかも知れない。だから、どんなに能力を駆使しても、何も変えられないことはある。しかし一方で、少しは変わる部分もある。そしてその積み重ねは周りに影響を与え大きなうねりとなる、こともあるかもしれない。
派手な物語ではない。世界が決定的に変わることもない。ただ、静かな物語の中にも何か大きな動きがある。そんな感じの作品です。
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
超能力を持った少年少女たちと、全てをコントロールしようとする大人たちとの駆け引きがスリリングです。幾度となく巻き戻される3日間にも、掛け替えのない時間の流れが伝わってきます。
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投稿者:にい - この投稿者のレビュー一覧を見る
誰もがある種の超能力をもつ世界観だが、大きなバトルがあるでもなく「リセット」によって同じ時を繰り返すいわゆるループモノ
主人公もヒロインも淡々としていて、異様なほど静かに物語が進んでいく
時間を巻き戻し、ある種の失敗・不幸な出来事をなかったことに出来るが、その裏で別の誰かが不幸になっている
そんなメランコリックな雰囲気を持つが,正直に言えば読みにくい文章
ラストの展開で必要になるため、時折無意味にヒロイン視点に変わるのがめんどくさい
リセットにより「世界は三日分死ぬ」といいつつ、実際はセーブ地点に戻るという都合のよさ
現状でそれなりに面白かったけれど、文章のレベルをあげるとむしろ物語が陳腐化するかもしれない
説明不足で面白さ半減。。。
2019/07/12 10:49
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投稿者:たなかじゅぴたー - この投稿者のレビュー一覧を見る
リアリティ△・・・咲良田市の外についてよくわからなかった
主人公△・・・過去の出来事を最後まで語らなかったので結局感情移入できない
好きなキャラ◎・・・潔癖症が行き過ぎて能力になった少年
世界観・・・現代の日本
ハラハラ感◯・・・サスペンス要素は多い
文章の読みやすさ×・・・キャラが何を考えているかわからなかった
オチ◎・・・綺麗
本の構成・・・普通
タラれば・・・キャラの過去を知れたら、もっと面白かった
読後の余韻・・・ケイが自分の過去しか見ていないので、読者は置いて行かれる。
→それを防ぐための情報の共有も行われていない。
印象的な場面・・・ケイが皆実を眼中に入れてないシーン全般
続編読むか・・・未定
一巻だけでわからない話を書くべきではないと思う。
これを読んでつまらないと思ったら、二巻を読まないだろうから。
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「語尾がにゃん」
意外に強力です。あなどれませんw
…それは、さておき。
個人的に時間移動物は好きなので、一度に読めました。
伏線もちゃんと回収されており、よい作りになっています。
でも、それよりも、なによりも、このお話に流れるものが、気に入りました。
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やっと買えました!
どんどん気になって読み進めちゃいます。
駅一駅乗り過ごしたりしたし;;
もうちょっとで読み切れそうです。
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某所でお薦めされていたので衝動買いしたけど、期待以上の内容でした。
全編通して感じられる透明感が心地よく、「リセット」によって生まれた小さな齟齬が段々大きな歪みになっていく手法も面白い。
最後がこういうオチなのは・・・だけど、次巻の発売が予定されているそうで素直に楽しみです。
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伏線の回収の仕方とかはすごく上手いし、設定もなかなか面白いし、文体も読みやすいんだけど「優しくて爽やか=薄くてまったり」というかねー。ひっかかりがない分、気負わず読めて良かったけどね。
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ラノベも読みます^^;;。
ということで評判の良かった「サクラダリセット」読了。
読後感は悪くないんだけど・・・・うーん、うまく設定活かし切れてない感じ・・・。
消化不良というか・・・なんというか・・・。
次作に期待・・・かな
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2009年10月18日購入。
2009年10月19日読破。
書店のポップと挿絵、乙一さんの帯コメに惹かれて買いました。
「リセット」すると3日前に戻れる能力が登場します。
便利そうだと単純に思ったのですが、案外難しいものなんですね。
色々な規制とか使用条件もあって、設定は作りこんであるなぁと感じました。
そんな使用条件を考えながらリセットを使いこなしていくケイはすごいですね。頭良い。
ストーリーは、戻ったり進んだりを繰り返していて、今がいつでどこまでの記憶があるのかということがだんだんわからなくなっていました。
私の理解力が低いのですね……orz
1ページめに「生きているということは、いつでも死ぬということだ」と書かれています。
とても当たり前なことなのに、なんだか感心してしまいました。
完全に私の主観ですが、わくわく感はとてもありました。
好きな本は何度も読み返したくなる派なのですが、そこまでではなかったです。
でも続きが気になって楽しめました。
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生きているということは、いつでも死ねるということだ。
「僕は神様になりたい。いちいち人に試練を与えたりしない、
人間不信じゃない神様に。
お腹がすいている人にはパンをあげて、悲しんでいる人は幸せにする。
毎日、そんな仕事をして暮らしたい」
「今の世の中は、ちょっと悲しいことが多すぎると思うんです」
「全ての人が欠落しているなら、
そもそも欠落した状態が人間としての正しい姿ではないのですか?」
正論に感情論を返すのは、気の進まないことだった。
でも、結局のところ人が判断の基準にするのは感情だ。
「ねぇ、ケイ。ボクはとても悪いことをしたんだ」
「そうですか?」
「そうだよ」
「じゃあ、そうなのかもしれません」
「うん。ありがとう」
それはシンプルに、ケイの名前を呼ぶ声だった。
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ライトノベルと一般文芸の曖昧な境界線上に
あるような作品スね。むしろ一般文芸に近い気がします。
ラノベ嫌いでも絶対イケると思います。
ラノベではよくあるタイムリセットもの。
高校生たちの特殊能力や非現実な設定ですが
はしゃいだ文章じゃないし、軽いSFやファンタジーの
ように自然にその設定に入っていけます。
主人公ケイのやや斜に構えた雰囲気や会話なんかは
伊坂幸太郎のソレに近いもんも感じます。
タイムリセットものの多くは人の死がゲーム感覚で
何度も再生されたりするリセットが多い中、今作は
逆に生の為のリセット...それも痛みをしっかりと伴っている
ところに好感が持てます。やはり通常の文芸書として
充分面白い作品だなぁ。乙一の絶賛コメントも納得ス。
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タイムリープもので過去をやり直すことで未来を変えるお話。
設定はありがちだけど、過去に戻るにしても色々制約があるらしく、
それがストーリーをうまく合わせています。
面白いは面白いんだけど、何かが足りたい気がします。
たぶんそれはストーリーが平坦すぎるし、キャラも濃さがない。
マジメな話だからしょうがないけど。
題材はいいだけにちょい残念でした。
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透明感のある文章だけど、ちょっと淡々と過ぎてしまったのが残念。
淡々は嫌いじゃないのですが、タンタン過ぎるというか…
好みの問題ですね、すみません。。
でもまさか超能力バトルものとは思わなかったw
いやそんなでもないけど。
設定はまあ、ありがちだけど、面白かったです。
面白いよ!読んで!っていうほどの絶賛な感じはなかったですが。
とりあえず2巻も買ってみようかなと。
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帯(乙一絶賛!と描かれてました)と椎名優先生の挿絵で
かなり得をした作品なんでないでしょうか。
自分もまんまとそれで面白そうだ、と思って読んでみたのですが、
確かに独特の作風・物語は惹かれる部分もあるのですが、
その部分が同じくらい鼻にもつきました。
どことなく主人公・ケイは「文学少女」シリーズの主人公・井上心葉を
彷彿とさせるのですが、
「文学少女」が断然良いと感じた。
今作は今作だけでは、ケイが今の気持ちに至った理由、そして
ヒロイン・春崎の独特のキャラなど、この2人の関係の土壌が
断片だけで深い部分がまださっぱりわからないんですね。
なのでどうにも感情移入しにくい。
主役2人の関係に入り込めるようになれば一気に奥行きが出て
面白くなるのではと思いますが、
この本だけだと微妙な感触。
続刊もでたばかりですが、読むかは未定。