紙の本
堂々とした「大学教科書」を新書形式で出版する心意気。
2010/05/16 08:25
10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
帯には「マサチューセッツ工科大学の全学生が学ぶ」とある。アメリカの生物学教科書「LIFE]の一部(本巻は細胞生物学の部分)の翻訳である。本書の「1:細胞生物学」では、「細胞」「細胞膜」「エネルギー法則」「呼吸」「光合成」などが説明されている。
各章の導入部は「ダーウィンはジレンマに直面していた」だの、「花嫁と花婿が入場してきたとき、テーブルについていたゲストたちは熱狂的に拍手した」など、どこに話が行くのだろう、と思わせる。しかし、中身は堂々たる「教科書」である。美しいカラー図版も豊富で、わかりやすく丁寧ではあるが、「教科書だなあ」とため息が出そうにがっちりと書かれている。それがかえって、単にわかりやすい手段に堕するのではない姿勢の気持ちよさとして感じられる。
「多くの・・は・・である」や「ほとんどの場合」「幾つかの・・は」など、直訳に近い翻訳文の調子もそういう雰囲気をつくっているのかもしれない。
前書きで翻訳者も触れているが、インターネット普及で「ちょっと調べれば情報は手に入る」ようになった。しかし、インターネットで「芋づる式」に集めてくる知識は下手をすると断片的で、まとまりがみえにくい。というよりは、まとめる力が要求される状態で提供されているのである。
きちんとまとまった基礎的な知識として、ちょっと手元においておく。本の価値はそんなところにもあるかもしれない。
この教科書は、あと(2)(3)が出版される予定とのこと。と。わかりやすく、に力点を置いた科学の説明書が多出する中、ブルーバックスという新書形式で堂々たる教科書を出版する出版社の心意気を称讃したい。
紙の本
他の号も購入しました。
2017/01/29 18:11
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投稿者:名探偵ママ - この投稿者のレビュー一覧を見る
大学一年生の息子です。
面白いようで、他の号も購入してほしいと頼まれました。
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図版を見ているだけでもいろいろなことが分かり面白い
2012/07/01 22:12
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投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の大学や高校の最近の教科書は見ていないので比較ができないが、フルカラーで見やすいようだ。色付きの説明図を見て、細胞内小器官やタンパク質や酵素がおのおの独自の色彩を持っていると誤解を生むのではないかと、老婆心さえも感じてしまう。図版を見ているだけでもいろいろなことが分かり面白い。
この第1巻は、細胞と細胞内小器官の構造と機能の解説である。とくに、生化学エネルギーの獲得と代謝の経路と、光合成の経路についての詳細が、丁寧に図解されている。生物学を専攻する学生向けではなく一般教養としての生物学のレベルの内容であるが、かなり細かく具体的なことまで説明されている。最近の生物学の進展もうかがえる内容になっている。各章末のチェックテストも、内容の再確認に有効である。
原本は57章からなるそうだが、本シリーズでは第1巻(細胞生物学)5章、第2巻(分子遺伝学)6章、第3巻(分子生物学)6章、の17章が翻訳されている。現在最も面白い学問である生物学の中でも、とくに興味深い分野が選ばれている。
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2010/2/20 メトロ書店御影クラッセ店にて購入
2010/4/13〜4/15
アメリカの名門MITで全学生向けに用いられている"Life"の日本語訳。特に良くかけている3つのパートを訳していくらしいが、これはその第一巻で細胞生物学。細胞の成り立ちから、エネルギー代謝、光合成まで平易で興味をひく記述と、豊富な図版で非常によく書かれた良書である。後続巻を買うとともに、原書も近々入手しよう。
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生物の基礎知識が古過ぎて、難しかった。ちょっとづつ読んで1年かかった。こんなにも細胞の働きとか呼吸とかが解っているとは…驚きました!
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[ 内容 ]
MIT(マサチューセッツ工科大学)を始めとするアメリカの各大学で採用される世界基準の生物学の教科書。
[ 目次 ]
第1章 細胞:生命の機能単位(細胞はどのような性質を持つために生命の基本単位となっているのだろうか?;原核細胞の特徴は何か? ほか)
第2章 ダイナミックな細胞膜(生体膜の構造はどうなっているか?;細胞膜はどのように細胞接着・細胞認識に関わっているのだろうか? ほか)
第3章 エネルギー、酵素、代謝(生物学的なエネルギー変換の基礎となる物理法則はどのようなものだろうか?;生化学のエネルギー学におけるATPの役割は何か? ほか)
第4章 化学エネルギーを獲得する経路(どのようにしてグルコースの酸化から化学エネルギーが放出されるのだろうか?;グルコース代謝の好気的経路 ほか)
第5章 光合成:日光からのエネルギー(光合成とは何か?;どのようにして光合成は光エネルギーを化学エネルギーに変換するのだろうか? ほか)
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[ おすすめ度 ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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図書館で借りたけど,難しすぎて2週間では全くもって読みきれず…。
1ページ1ページに頭フル回転で時間がかかります。
が,おもしろいので続きが読みたくて,購入。
ゆっくり読んでいこうと思います。
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かなり専門的な内容に踏み込むのですべての理解、暗記は難しい。
それでも教科書として非常にわかりやすく書かれており、概要を理解するためだけでも一読する価値はある。
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第1章 細胞:生命の機能単位
第2章 ダイナミックな細胞膜
第3章 エネルギー、酵素、代謝
第4章 化学エネルギーを獲得する経路
第5章 光合成:日光からのエネルギー
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高校時代に生物の勉強もしていない私には難しい、、、。
もうちょっと「高校生の生物」から始めないと、、。
しかしコラムはためになります。知的なコネタになります。
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講談社ブルーバックス編集のおススメの本。
理系の以外の大人の方も購入してくださっているようです。
生物学をわかりやすく解説した本です。
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平易な文章で細胞生物学の概略が解説されていて読みやすい。これから本格的なテキストを読んで生命科学を勉強するには丁度よい入門書だと思う。
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高校では一切勉強しなかった生物。
テレビでもたまに見たりするが、生物を模倣する工学というテーマがアツイ(気のせいかもしれないが)ので、購入。
新書ではなくあくまで教科書なので、若干とっつきにくい面もあるが、やはり絵がすばらしー。特に細胞膜なんかは目ウロコレベルです。
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これは安くて、絵も綺麗で、すごい。ちくま学芸文庫に触発されたんだろうか。書名の意味は、USAで使われている教科書を(抄)訳したものってこと。MITでは(学部に関わらず)全学生がこれで生物学を学ぶそうだ。僕は、理工書でも、物語性みたいのがないと頭に入ってこないようだ。物理だと、何が知りたくてどういうことを考えるみたいのが必ずあって、物語っぽさは自ずと出てくる。数学だったら論理の流れが物語的だし、歴史とかなら対象がまさに物語。さて生物の場合、単なる知識の羅列になってしまいがちのように思える。それでなかなか頭に入ってこない。なんとかわかりやすくしようと、カラーの綺麗な図表をいれてみたりするわけだけど、やっぱり物語性の不足感が拭えない。ここまで書いて、そのあとにこの本がこの難点を克服している、という流れなら、物語としてはきれいだけど、残念ながらそういう感じはしないかな。まだほとんど読んでないけど、やっぱり知識の羅列っぽい感じがする。でも、価格と図のきれいさは特筆すべき。これからのブルーバックスに期待。
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高校で生物をやっていませんでしたが、大学入学後は生命科学を学ぼうと思い春休みに購入して春休み中に読了。
分かりやすく書かれているので大学の細胞生物学の概観を掴むにも丁度良いかと。
大学入学後の学部生のうちはEssential Cell Biologyを読めばもっと詳しいです。大学で生命系をガリガリやる人はいきなりEssentialを読んでも良い気がします。