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気が利かなくてちょっと間の悪いところのある主人公は、同じ大学で知り合った友人たちとの四人組で、それなりに楽しい青春を送っていた。――その事件が起きるまでは。
ある日、四人で集まっているところに、かれらの教授の息子である小学生の男の子が通りかかる。しばらく雑談を交わして別れたあと、主人公たちはまた別の場所で、再び少年の姿を目撃する。少年が散歩に連れていた飼い犬が、急にものすごい勢いで走り出し、少年はそれに引き摺られて、走行中のトラックの前に――
飛び出した犬の視線の先には、友人がいた。なぜ犬は急に走り出したのか。意図的に犬をそんなふうに走らせることが可能だったのか。もしそうだとしたら、なぜそんなことをしなくてはならなかったのか。主人公は謎を追い始めるが……
面白かった! いままで読んだ道尾さんの本のなかでは、『ラットマン』のつぎに好きかもです。キャラクターもよくて、主人公のお人よしでちょっと間の抜けたところが、話が進むにつれて、だんだん愛しく思えてきました。何よりストーリーの数々の仕掛け。巧みに誘われるミスリード、意表をつく展開とどんでん返し。青春と友情、疑念とすれ違い。そしてほろ苦い余韻を残しつつも、さわやかで心温まる結末。
いい小説でした。
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2日で読了。
だまされた。いろんなところでだまされた。細かな伏線…っていうか罠(笑)がばらまかれていて、それにすんなりはまっていく私は単純なのかバカなのか。真相が分かる前は「ぬえ!?」、分かった時「ホントだ!」など独り言も出た。
小説を読んだのは久々だったけど、その1冊目がこれでよかったなと。引き込まれていって、移動中にだけではなく昨日家に帰って一気に読み終わったくらいだったから。ただ「えぇーマジでー!?」の気持ちのまま一気にエンディング?になったので、心臓バクバク感が残ったままで、最後の流れにほんわかできたかと言うと…?
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私の読んだ事のある道尾さん作品は「向日葵の咲かない夏」のみ。
その1冊が持つダークファンジーが個人的にとてもヒットで
そんな型を頭の中で作っていたし、
表題の「ソロモン」という神話めいたワードから
今回もパーンッと"飛んでる"作品を期待して読んでしまった。
なので、この平和的(?)で爽やかな甘さ残る終盤に
「最後の最後でまだ裏(オチ)があるのでは?」
そう疑りながら読み進めてしまった。
それほどに青春ミステリでした。
しかし、一瞬「フェアじゃない」と思ってしまう程の外に追いやっていた真実、
意外を通り越して着いて行けなさそうなレベルでした。
細かくは検証してないけどさらっと読み返すと、
やはりさり気なく布石は残しているので
決して読者に公平じゃないともいえない。
私の凡人思考の斜め上を行き過ぎていました。
作中の恋人たち、京也とひろ子の修羅場で彼曰く
"ひろ子の優しさ"が現れているといった行動。
私は優しさじゃなくて未練と甘さの入り混じった
もっとグルグルしたものだと思う。
それが分からない男だから京也が好きになれなかったのかも…!
いや、分かっててそう評したから好きになれないんだね。
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新しいトピックが一つ出てくるたびに大体オチが見えてしまうのがちょっと残念だったし、夢オチもイラッとしたけど、ミステリーっていうよりも青春に重きを置いてみるなら、まぁまぁ。
最後のひっかけに引っかかった自分が悔しい。
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後半、謎解き部分の核心に入ってからは、
ぐいぐいと読み進むことができた。
が、この方の「うむ、今いいこと言った」感と言いましょうか、
作為的な言葉遣いがどうも鼻についてしまって、
核心に入るまでが長かった。
もちろん、人によっては長所となりうる部分なのだろうが、
これは好みの問題。
反面、超好みの表現者として、
吉田修一氏の「パレード」を挙げておく。
語彙の豊富さや縦横無尽の自由な発想力が
いかに文章を魅力的にするかを教えてくれた作品のひとつ。
犬好き、動物好きな自分としては、
オービーの行く末が気になって……。
タイトルからして、そこはしてやられたとするべき!?
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読み出してビックリ、道尾さん作品で2つ目の平塚作品(笑)何この人、地元民?
今まで読んだ奴の仲でも、確かにライトな印象。青春と言えば青春?某所でハラハラさせる伏線を、後で「何だよ!」とがっくりさせられるのが好きです。上手いよなぁ。
こうやって道尾さん作品読んじゃうと、まだ文庫化されてないのも一気に買いたくなっちゃうのよね。。早く文庫化されないかなぁ。
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道尾秀介はほんとに厄介な作家である。彼の作品だからどこかに罠があるだろうと読み進めていき、ある時もしかしたらと推測するのだが、彼はそれを軽々と飛び越えてくる。
この作品で文章の魔術師である彼の厄介さを改めて思い知らされた。
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がまくらの一冊目での伊坂との協力コラボレーションをみせつけられて意識していた作家さんですが。
出てくる人達のキャラはライトなのに、
え?と思いながらよみすすめると
えーっそうだったのー!?
っというような、伏線に伏線を重ねる感じがにくい。
今後も色々よんでみたいと思います。
短編しかよんだことなかったので感動でした。
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ここに出てくる犬・オービーの行動がキーポイントです。
大好きな飼い主の陽介を引きずってしまうほどのこととは…?
後半、パタパタと解明されて行く時、「えーーっ」とかなり動揺しました。
秋内たちの恋愛事情のからまりも微妙で、そこに陽介の死が関わってきます。
助っ人となるのが、間宮助教授。ちょっと…というか相当変な先生ですが、彼らのいい相談役です。
道尾さんの作品は、いっつもどんでん返しがあります。
今回、どんでん返しのどんでん返しでした。
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いわゆる道尾さん独特の暗さを感じる小説では無く、
比較的明るく読みやすい感があった。
ラストでは、恒例のどんでん返しもあったけれど
私個人的には、そんなに衝撃的ではなく
な~んだ!って感じでした。
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「カラスの親指」同様、各所に小さなしかけやギャグが満載で、くすくす、時には声を出して笑いながら読みました。
私の長女と同じ、大学生4人が主人公ということで、若さゆえのさわやかさ、劣等感、純粋さなど、なかなか楽しいストーリーでした。
人が何人か死に、何人かが殺害されそうになるなどサスペンスの要素もあり、また謎解き、どんでん返しも楽しめます。
とくに、メッセージ的なものはありませんでしたが、きらいな作品ではありません。
カッコイイ親友にびみょうなコンプレックスを抱きつつ、片思いをしている主人公の一人を応援したくなりました。
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軽い小説を読みたくて、なんとなく購入。
今上映中の月9ドラマ「月の恋人」の原作者の方だそうです。
私にとって馴染みのある地名が出てきて、景色を思い出しながら読破。
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最近、はまっている道尾秀介。
大学生4人を中心に、彼らが通う大学の助教授と、その息子陽介の死の真相を解明していくという青春ミステリー小説です。
少し色々な要素を詰め込み過ぎた感があり、ストーリーとしてのリアリティに欠けるかもしれませんが、コミカルな部分も合わせ持っており、とても面白かったです。
結末に向かって、「えっ、こんな終わり方なの?」と思いきや、最後にもうひと捻りあります。
大学生秋内が主人公なのに、事件を解決するのは、同じ大学の間宮助教授だったりします(そこには、それなりの理由がありますが・・・)。
そして、この間宮助教授が、いい味を出しています。
道尾作品の中には、ホラー作品や読後感が重たい作品もあるのですが、私は本作のよう作品が好きです。
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秋内、京也、ひろ子、智佳たち大学生4人の平凡な夏は、まだ幼い友・陽介の死で破られた。
飼い犬に引きずられての事故。だが、現場での友人の不可解な言動に疑問を感じた秋内は動物生態学に詳しい間宮助教授に相談に行く。
そして予想不可能の結末が...。青春の滑稽さ、悲しみを鮮やかに切り取った、俊英の傑作ミステリー。
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ひとりの少年が犬に引きずられて車にはねられてなくなった悲しい事故。大学生の秋内は、この小さな友人の事故に疑問を持つ。従順だった犬がどうして妙な行動に出たのか。そして友人たちのそれぞれ不可解な言動や行動が気になり調べ始める。
犯人はいないけれど、それぞれが自分の行動に責任を感じずにいられない、そんな悲しい話なのですが、秋内君のしょっぱい淡い恋が青春をかもしだしています。