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なぜか、最初の数ページで止まったまま読むのを止めていた時期があった。少し間を空けて読み出すとのめりこむかのように読んでしまった。
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■感想
出たばかりのアフター・ダークを海外の電車の中でたくさんの日本人がむさぼり読んでいるという記述をblogめぐりでみつけた。
彼の本を村上朝日堂1冊しか読んだことがない私にとって村上春樹とは、村上朝日堂なわけで、私と感覚的に共通するところの多い現実感のある人という印象だったわけだが、この本を読んでみて その外国の電車の中で会う日本人会う日本人がみなアフター・ダークを読んでいるというその光景のあまりのシュールさが、この本にピッタリなのだった。
そう。もともと、この本は私にとって「これは読まない本だ」と思う本だった。 題名が「ねじまき鳥 クロニクル」だから。
大人の童話には興味がなかった。 なぜうちにこの本があるかというと話は長くなる。 もともと興味がないはずなのに、なぜか私は「読んでみたい」と言ってしまい、保育園の役員だったというつながりだけでほとんど個人的な会話もしたことのないある人からもらった本だったのだ。 この不思議な因縁?もこの本に必然としてあった出来事のようにさえ思える。 彼女については、夕闇の中保育園に迎えにいった娘さんと二人で帰っていく姿を思い出すくらい、後はまるでこの本の中で主人公に関わってくる人のように、単に、伝言を伝えていただいたり、その程度のことしか知らないのだった。
そもそもそれも、彼女の子どもさんが卒園した数年前の記憶だ。それ以来彼女には会っていない。そうして、本をもらって何年もして、彼女の顔さえ思い出せず、夕闇に歩く彼女と娘さんの姿しか思い出せない頃になって、ふと私はこの本を手にとることになったのだ。
さて、本を開いてみた。童話ではなかった。「ねじまき鳥」は実際は「ねじまき鳥」ではなかった。まずはそれに驚きながら読み進めるのだが、この本は静かで深い孤独に満ちている。現実とも夢ともつかない白昼夢のような長い物語が繰り広げられるわけだけれども、主人公は淡々と、まるで、今日見た夢を誰かにかたるがごとくにどこか自分をさえも離れた場所で見守っているかのようである。
自分を取り巻く人々との奇妙なズレを感じながら、どうみても現実とは思えない不思議な出来事をそのまま淡々と受け入れて物語が進むのである。
主人公は主夫をしている。熱烈な恋愛結婚をした末の結婚も、今では他人との生活のように心の交流がない。静かで孤独な世界だ。
そうして、どこか現実感のない白昼夢のような世界が勝手に自分の周りに繰り広げられていく。自分だけが取り残されているのか、自分だけが現実なのか...。
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不思議且つ奇妙な小説である。前半から中盤にかけてはファンタジックな展開で読んでいて何だか意識がぼやけて来るかのような錯覚に襲われる。
後半にかなりエグい描写がある。実際の戦争ではこんなことまでやるのかと愕然とした。まぁ、多分作者によって作られたフィクションだろうが。文章だけでそのエグイイメージを読者に浮かばせてしまうことがすごい。(´-,_ゝ-`)プッ
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長い、長いお話。
不思議な流れで進むのが心地いい、村上ワールド。
辛いと思ってないかもしれないけども、村上センセの本には辛い体験とかした人や今からそのような体験をする人が必ず出てくるような気がする。
それが悪い方向ではなく進む感じで。
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「イミわかんねえよ!」と高校生の私は思っていた。や、今もハルキさんの小説はよくわかんない。だけど描写が日常っぽいしとっつきやすいから、興味があまりなくても全3冊読み通せたのだと思う。今度読んでみたら違う感想になるかもネ。
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人はどこまで分かり合えるのか。自分を越えて、妻を取り戻す。これぞ純愛ストーリー。何度読んだことか。ちなみにあんまり入り込んで読むと、近所に枯れ井戸がないか探し出し、(幸か不幸か)あればそこに入ってみたくなる衝動に駆られます。気をつけよう。あと、上記のレビューはこの話の持ついくつもの側面の一つに過ぎません。おれは四回読んで毎回違う印象を受けました。ちょっとすごい小説です。
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大学時代の友達が、読んでいたのを覚えています。
そのときはなんとなく読まなかったんだけど、今なら読める気がして、読みました。
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「十分間だけでいいのよ、と電話の女が言った。いや違う、と僕は思った。ときには十分間は十分間ではないんだ。それは伸びたり縮んだりするんだ。僕にはそれがわかる。」(p41)
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高校のとき読んだ。この頃読んだ本の内容をあまり覚えていないのは、多分自分の生活がふわふわしてたからだと思う。リアリティ。またなくしかけている。
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オペラが好きだから読もうと思った本だが 大勘違いで冒頭から電話の主があの人だとわかっちゃった時点で読み始めるのにものすごく時間を書けた本
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最後のちょい前に「なるほど!」となり、最後に「え〜」となってしまう展開。あの人はどうなっちゃったの的な破綻もある。描写はどんどん内部に進んでいくにも関わらず物語は壮大っていう面白さはあったけど、少し僕にはわかりづらかった。『海辺のカフカ』に繋がる流れ。
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同じ研究室の人が卒論で取り組む作品は読んでおかねばなりません。
みんなが「わからない」というこの作品、なんとしてもなにか得て3冊読み終えたいと思います。
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めちゃ長文だが惹かれる、面白い!第二部をまだ読んでいないので気になる。
人間の皮を剥ぐ話が頭に焼き付いてしばらく眠れなかった、想像してしまう・・・。
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タイトルだけでずっと気になっていた小説。3部作。
ひとことで言うなら「不思議ちゃん」的な。
なにがおこっているのかははっきり言って漠然としかわからないものの、淡々としたパステル調、でも輪郭のしっかりした文体は読んでいて悪くない。
でも子供の名前にコルシカ、は、不思議ちゃんの極みと、いうかなんちゅうかもごもご。
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村上春樹さんの小説で、一番印象に残っている小説。第一部では、後半の「長い話」が凄いです。リアルすぎます。「井戸」。この恐ろしさ、さらに感じました。映画の『リング』に似ていると思ったけれど、この作品の「井戸」は極めています。
私なんかは、静寂とした深夜に読んだものだから、実際にそこにいる様な感覚が襲ってきました。