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紙の本
怪獣記
2020/07/13 15:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
トルコのワン湖という湖で目撃されたジャナワールという未確認生物についての取材と調査の記録。ジャナワール問題だけでなく、一般の未確認生物問題についても示唆があると思う。また未確認生物だけでなく、現地の文化なども知ることができる。
最初は半信半疑だった高野さんが、自ら目撃してから、立場が変わっていく様子も面白い。
紙の本
うわぁ、これは!
2013/09/11 02:29
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投稿者:ひるね - この投稿者のレビュー一覧を見る
UMA(未確認動物)ものの本の中でも、高野さんの著作は「世界のシワ」みたいな地域のそのまたシワのような聞いたこともない「幻の」動物を追いかけることとか、結果ではなくドラマ性のある過程の中に抱腹絶倒させてくれることとか、そんな部分に共感してきたんですが、この「怪獣記」はその意味ではかなり異色作です。
ジャナワールという、UMAファンでもない僕でも聞いたことのある幻獣をトルコのワン湖まで探しに出かけ、おしまいに彼ら一行は……(結末は伏せておきます)。
とはいえ、いつもの高野節で、あっという間に彼の世界に飲み込まれ、手に汗を握ったり、(家族に怪しまれながら)腹を抱えて笑ったり、人々や風景の描写にときめきながら、彼と一緒に旅立つことができるのは、他の著作と同じです。
いや、UMAものでは最も熱くなれるかも。
紙の本
トルコの湖に棲息すると言われる未知生物ジャナワール調査の旅。トルコの民族問題にぶつかった末に著者たちが遭遇したものとは。おもしろ可笑しい怪獣取材旅行記。
2010/10/07 18:38
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、2006年に著者高野秀行が、トルコ東部のワン湖に棲息すると噂される怪獣ジャナワールの真偽を確かめるべく、実際にトルコを訪れた調査旅行の顛末を収録したものである。
『既知の未知動物』には興味が無く、『未知の未知動物』に興味があるという著者。
その点でジャナワールは『既知の未知動物』であり、琴線に触れるUMAではなかったのだが、著者は、元々ジャナワールのフェイク感に胡散臭さを感じ、その存在に懐疑的だった。
それでもトルコへ行く決意をしたのは、存在の真偽をハッキリさせたい思いと、ジャナワール映像を撮影した本人による宝の詰まった著作「ワン湖のジャナワール」を発見したからだった。
かくして著者高野秀行、カメラマン森清、トルコ遊学経験のある大学院生末澤寧史の三人は、トルコを訪れた。
そしてジャナワール調査旅行の果てに彼らを待ち受けていたのは、とんでもないできごとだった。
エンターテインメントノンフィクションを標榜する高野秀行氏の著作だけあって、軽妙な筆致の本書は、間違いなくおもしろ可笑しい。そして著者の未知動物への情熱が詰まっている。
『ジャナワール?映像見たけど、あんなのフェイクでしょ』と思いながらも、その真偽を確かめにわざわざ現地まで行く、馬鹿らしさ。
『ジャナワールを探しに来た』と言っては現地の人々に大笑いされ、それでも取材を続ける痛々しさ。
40代のおっさんである著者が、子供用ゴムボートに乗って手で水をかき、ワン湖の調査に向かう滑稽さ。
その一方で、現地取材の様子や、トルコに内在するイスラム復興主義やクルド人問題にぶつかる、シリアスな一面も。
そういった緊張感のある民族問題に触れながらも、著者の描く現地の人々はとても親しみを感じさせる。
それは、同じ人間として彼らに触れる著者の親しみと、鋭い人物観察から描き出される生き生きとした人々の姿があるからだろう。
特に、現地ガイド二人への親しみのこもったユーモラスな描写は最高。
こんな魅力の詰まった本書は、怪獣探しなんて馬鹿らしいと敬遠している人にも、ぜひ読んで貰いたい一冊だ。
■おまけ
著者たちをトルコに導いた書籍「ワン湖のジャナワール」を発見した末澤寧史氏のブログ
「Istanblog-末澤寧史のイスタンブル流学記-」
「ワン湖のジャナワール」というカテゴリに、末澤寧史氏の怪獣探しに巻き込まれた顛末などが公開されています。
きっとジャナワール取材旅行の世界が広がりますよ。
紙の本
写真がいい
2017/02/21 10:06
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投稿者:tamayo04 - この投稿者のレビュー一覧を見る
写真が所々に挿入されていますが、自分も旅に出たくなるような異国情緒あふれる写真が多かったです。デビュー作の荒削りな感じの怪獣さがしとはまた違った感じでよかったです。
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見つからないけれど面白いというスタイルの確立
2016/03/18 01:33
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投稿者:わびすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
おそらくこのあたりから高野氏の探検スタイルが確立したのだと思う。未確認動物が見つからなくても、旅自体が魅力的なのである。本作もトルコ奥地の政治的に危うい感じと、その中で飄々と振舞う著者のおかしみが感じられる。でもそろそろなにか発見してもらい気もする。