紙の本
漫画家は礼儀正しいのです
2010/12/21 08:23
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
文春文庫での東海林さだおさんの「丸かじりシリーズ」が200万部を突破しました。そこで文春文庫は三ヶ月連続の文庫化という暴挙(!)に出たわけですが、その解説に現役漫画家を採用するというのもまた今回の特徴でもあります。
その最後の回となるこの『おにぎりの丸かじり』では、東海林さんと同じ早大漫研出身でもあるけらえいこさんの登場です。
まず、けらさんは何年も前に西荻の西友で東海林さんを見かけたという裏情報を暴露。ある賞の受賞式で東海林さんにこっそり打ち明けたところ、東海林さんは「ややアセった顔」をされて、その時の買い物の中身をたずねたといいます。「あの東海林さんが、そこを気にされないわけがない」と、けらさんは分析しています。
この、「あの」という感じに、「丸かじりシリーズ」で延々と食べ物の極意を語りつづけてきた大学の大先輩への敬意があって、漫画家というのはたいそう律儀な礼儀正しい職業なものだと、変なところで感心してしまいました。
そういう礼儀正しさは東海林さんにもあって、特に食べ物への礼儀という点では東海林さんに敵う書き手はいないのではないかしらん。
どんなつまらない食べ物であっても、東海林さんは丁寧にその美味しさを描き、読者に食欲をもたらし、お店訪問もじっくりゆっくり観察していきます。
きっと東海林さんだったら、西荻の西友で買い物しても、缶詰のラベルをついそろえてしまいそうな印象があります。
そんなけらさんですが、食べ物について書かれた話は「ポルノ」に似ているという、奇抜な見解をこの文庫本の解説のなかで書いています。
まあそういわれたらそんな感じがしないでもありませんが、東海林さんの場合はさしずめ正統派保健体育の講座ではないでしょうか。東海林さんはなんといってもマジメなんです。
そして、そんな大先輩をたてるけらさんもなんとも礼儀正しい後輩漫画家なのです。
◆この書評のこぼれ話は「本のブログ ほん☆たす」でお読みいただけます。
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コンビニおでんはやっぱり正しい買い方が欲しい気持ちがしますね。
自分ではなかなかとりづらい気がするんだよねぇ。(^^;
あと、ここでらーめん缶のネタですか。
単行本の頃は最新の話題だったんだろうけど、さすがに今更って感じが。
時事ネタは賞味期限が短くてつらいですな。(^^;
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東海林さだおの本は寒い時期に読むと、余計に食欲がそそられる。
特に暖かい食事の話にそそられた。Tボーンステーキ、猪ラーメンが食べたい。
わらびの話が楽しかった。
MVP:なし
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コラムのようなエッセイのような(笑)感じで
おっさんくささがあるけどサクサク読めます!
逆にそのおっさんくささがいい味になっている気がする^^
タイトルごとにほぼ6ページづつの超短編になっているので
ほんとに気軽に読めます^ω^
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でた!丸かじりシリーズ文庫本。
大好きだー。
ほんとに何回読んでも癒される。
お腹が空く!
あー、鴨南蛮食べたい★
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何とも読んでいてお腹の空くエッセイ。
独特のゆる~い感性が面白い。
この本で味噌汁バーを知り行ってみたいと思ったのですが、現在は閉店してしまったんですね…残念です。
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おにぎりの具はこれまで闇に閉ざれていた。しかしここにきて「具に光を!」と主張する人権派が出現。その結果天むすが生まれるも、エビ天は半露出という中途半端な形にとどまってしまうことに…。おじさんにとっての“コンビニにおける二大冒険”、おでん購入と中華マン購入についに挑むジョージ君、渾身の第28弾。
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食べ物がテーマのエッセイ。
読むとおなかがすきます。
そして読むとにやにやしている!
笑えてお腹がすく本なんて・・・ステキ。
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丸かじりシリーズを何冊か読んで、イラストの部分にもテキストにない情報が多いことに気付きました。納豆にケチャップ、納豆にウスターソース、納豆に梅ドレッシングが合わないようです。
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読み始めで随分と経つシリーズの新刊。いつもながらに読みながら思わず笑ってしまうフレーズが何か所もある。日本が世界に誇る食べ物のエッセイ。
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「おにぎりの丸かじり」3
著者 東海林さだお
出版 文藝春秋
p183より引用
“つまりフランスパンは皮を食べさせたいのだ。”
漫画家でありエッセイストである著者による、食べ物に関する
雑誌連載のエッセイをまとめた一冊。
グミキャンディーの楽しさからラーメンの缶詰についてまで、楽
しい文章とイラストで綴られています。
上記の引用は、フランスパンについて書かれた話の一文。
なるほど確かにパリパリとして時には噛み切りにくいしたフラン
スパンの皮は、面白くて美味しい物です。同じ食感ではありませ
んが、皮を楽しむ食べ物としてキンカンを思い出しました。フラ
ンスパンはキンカンということでしょうか。
いつものシリーズと同じように食べ物が実に美味しく思い出さ
れ、思い浮かんでくる文章なので、読みながらお腹が空くこと請
け合いです。夜中には読まないほうが良いのではないでしょうか、
夜食が食べたくて仕方が無くなりそうです。
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おにぎりの他、ころもや串焼きや鴨南蛮たちの喜び悲しみ存在意義の探求を、じっくりと堪能させていただいた。またまたごちそうさまでした。
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くっだらんwww そしてそれがまた面白い。ビール飲みながらゲラゲラ笑って読めるお気楽本。東海林さんに食べ物を擬人化させたら日本一。
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こちらにも鴨南蛮が・・・なんの陰謀なのか?
バーに、美味しい味噌汁があったら、〆にいいなぁ・・・調べてみたけど、普通のバーになっちゃってました( ̄ω ̄;)
冷や汁、好きなんですよね。あまり食す機会がないけど。
ザーサイは、先日TVで、生姜と一緒に炊き込みご飯にするってのをやってて美味しそうだった・・・あー、お腹空くぅ~~!!!
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"フランスパンて、ちょっと気取ったりするところありますよね。買うときちょっと気取っちゃったりして、小脇に小粋にかかえちゃったりして、おコーヒーなんかもきちんと豆から挽いていれちゃったりして、小指なんか立てて飲んじゃったりしてみようかな、なんて思っちゃったりするというふうに、”ちゃったり”するところ、ありますよね。"
…フランスパンのちょっと気取った感じをこんなお茶目に書いちゃったりして!しかもこれエッセイの出だしなんですよ、こんなの間違いなく心奪われるじゃないですか。東海林さんの憎い”ちゃったり”なところです。