紙の本
旧約聖書を知った気にさせてくれる本
2006/08/06 00:16
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
キリスト教系の学校に籍を置いたことがあるので、聖書の講義を受けたこともあるし、少しばかり読んだこともある。だが、それきりだった。正直どこから手をつけてよいものかわからなかったのだ。
それがこの本を読んで、非常にすっきりした。旧約聖書は神話と歴史書と預言書の3部構成の本なのだ。
と言い切ってしまいたくなるほど、阿刀田高の語り口は明快だ。もちろん著者の大胆な推測や解釈が織り込まれているので、ここに書いてあるものをそのまま旧約聖書として理解していいわけではないが。
それでも、古典と呼ばれるものをこれだけ明快に表わしてくれれば、少しは「原典に当たってみてもいいかな」という気になる。この感じをどこかで経験したことがあると思い返してみると、手塚治虫の『火の鳥』や『ブッダ』などに通じるものがありそうだ。
紙の本
わかりやすい
2016/05/26 09:20
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぽにょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
旧約を勉強、理解するための入門書のようなもの。エッセイなので非常にわかりやすい。楽しく、気軽に旧約聖書に触れることができる本。
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「アイヤー、ヨッ」
2016/02/16 19:55
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は「アイヤー、ヨッ(アブラハム・イサク・ヤコブ・ヨハネの頭文字)」の掛け声で始まる旧約聖書のダイジェスト版エッセイです。私のように、一般常識として聖書を知りたいけれど、原典を読む気はない方に打って付けの本です。
内容は、旧約聖書を、アブラハムからソロモン王(第1話から第7話)と天地創造等の神話(第8話)とその他(第9話以下)の大きく3つに分けて解説。砕けた文書で、かつ退屈させない工夫が随所に施され、370ページもある本ですが、あっという間に読み終わりました。
それにしても、「ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、世界の三大宗教がアブラハムから連綿と糸を引いていて(24ページ)」、今も全世界の多くの人々が信仰していることに、あらためて驚きを感じました。本書は、解説に書かれている通り、「おもしろくて、ためになる」本でした。
本書と併せて、里中氏のマンガ「旧約聖書」を読むと、さらに旧約聖書の理解が進むでしょう。また阿刀田氏は同様の手法で、ギリシャ神話・新約聖書・コーラン・古事記・百人一首等々の解説も手掛けているようですので、追って読んでいきたいと思います。
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手塚治虫氏の漫画版「旧約聖書」を読んで以降、無宗教の人間だが、「旧約」の世界、特に、文章中に出てくる人間達にも興味が出てきた。手軽な入門書としては丁度いいかと。同じ作者のシェイクスピアの解説書がとても読みやすかったため、期待大である。
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聖書には旧約と新約があるけれど、どう違うのかすら知らなかった自分でも楽しく旧約聖書についてある程度の理解が身につけられるように書かれた本。ダイジェスト版とはいっても、どこにも堅苦しいところはなく、阿刀田さんのユーモア溢れる語り口や身近な話題からの例え話などで最後まで楽しく読めました。次は「新約聖書を知っていますか」か「楽しい古事記」を読んでみたい。
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新約聖書よりは旧約聖書のほうが興味深い。普段何気に耳にしている話が、実は旧約聖書から来ている!なんてこと。よくあるんですよ。
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聖書を読んだことがなかった私が最初に思い出したのはこの本でした。
この方はクリスチャンではありませんがとてもわかりやすく旧約聖書を書かれています
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ヨーロッパを旅するといやでもキリスト教と付き合わなければならない。この本は本当に簡単に分かりやすく聖書の見どころを教えてくれます。
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もっと早く読んでおけばよかった…orz 滞英中に、「やっぱりキリスト教がわからないとヨーロッパ文化はわからない!」と聖書を入手して読んだもののわけがわからず、苦しんだ自分がばかみたいです…というくらいに、なんかわかりやすかったです。苦しんだからこそわかるのかもしれないけど。(と思いたい!)宗教としてのキリスト教ではなく、ヨーロッパ文化を理解する為のキリスト教に興味がある方で詳しくない方は、とりあえずこれを読んでみるといいかも。私はこれから「新約聖書を知っていますか」にも挑戦してみようと思います☆
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阿刀田高の入門シリーズにはまってます(笑)最近の単純なダイジェスト集を読むよりずっと面白いしわかりやすい。
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宗教としてではなく、物語として聖書を楽しみたい人向けです。
作者の個人的な意見などもあり、阿刀田高が好きな人にもいいと思います。
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勿論日本語だし、口語だしでやかりやすい旧約聖書のダイジェスト。面白く、とはいっても変な節をつけてるわけでもなく、話の語り出しが噺家のようで癖がなくてわかりやすい。
著者も作中で語っているが、あくまでダイジェストですべてを解説しているわけではないので、本当に学ぶなら原著を読むべき。だが有名どころの紹介は勿論、各章を記すことの時代背景や狙いなんかを推測も交えながら、そのあたりを解説しているというのはありがたい。私にはこれで十分だろうな。
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分かりやすく、時に冗談を交えて旧約聖書の主要な話が進む。
旧約聖書を読む前に一読しておくと、他の本での理解度が進む。入門の書としてオススメ。
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わかりやすくて、阿刀田さんのエスプリに富んだ部分もあり、最高です。導入本としてはピカイチ。阿刀田さんの本って、おもしろすぎて、逆に他の本がかすんでみえてしまうっていう欠点?があるかも(笑)
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以前読んだ「悪魔のささやき」内で、「コーランの一文にムハンマドはユダヤ教徒やキリスト教徒のことも同じ聖典の民と考え、殺してはならない、そして尊敬と親愛の情を持って接するように説いている」(P184)とあって、知らなかったなと思ったので、読んで見ました。
じっくり読みたい人向けではないですが、ジャンルとしてはエッセイなのかな?旧約聖書内の主だった物語(アブラハム、ヤコブ、モーセ、ダビデ、ソロモン、アダムとイブ等)を簡潔にくだいた書き方で紹介していてとても読みやすく面白かったんですが、嫉妬深く偶像崇拝も許さない神様のようで自分を崇拝しない人間は殲滅。やっぱりかなり怖い。
ヨブ記では”現世利益等見返りを期待して神を崇拝するのは邪であり、たとえ苦悶しか与えられなかったとしても、全知全能の神をただ崇拝し心に抱くこと自体を喜びとしなくてはならない”という解釈があるそうで。これはかなり難しい。たしかにこれこそが清い信仰心なんだろうと思いますが、実行するのは無理だなぁと思いました。