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途上国のスラムで生活しながら取材したルポタージュ。
あまりこういうテーマに関心のない人に読んでもらいたい。
筆者が実際に路上だったりスラムで寝泊まりしながら見たもの、
ってところで、深いとこまで書けてるのかなぁとも思う気もする。
けど、まぁ、ルポタージュだからしょうがないのかもしれないけど、
どうもセンセーショナルというか、なんかしっくりこないとこもあった。
でも、私がそこに行って見たわけでもないので、なんとも言えないけど・・・
やっぱり女性や子供は貧困下だと犠牲になりやすいよね。
戦後の日本もバラックみたいなとこで暮らして、まさに、ここでいう
スラムみたいなもんだったと思うんだけど、実際どうなんだろ。
でも、その日本が今これだけ豊かになってるんだから、
途上国ってやっぱ伸びしろもあるよね。
1人でも多くの人が生き方を選べるような社会が作れたらいいなぁ。
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著者の功績は、ノンフィクションをエンタメにしたこと。
ただ、「悲惨な現実」ってやつを見せることに終始せず、そこに生きている人間のドラマが描きこまれている。
だからこそ、想像できる。この先の人生を生きている人が、確かにこの世界に存在する、と。
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この講義を読み終え一番心に残ったのは、「日本人は物乞いに対して喜捨をしない。そんなことをしても解決にならない、キリがないと。しかし、十円あれば彼らの食事をまかなえるのだ、何を高尚に考える必要がある」とのような文章だ。そう、物乞いにいくら喜捨しても世界の貧困は無くならない。だからどうしたんだ、十円を物乞いに喜捨することによって、目の前のにいる一人の人間、その命をつなげるのだ。それはとても誇らしいことではないか、一人の力じゃ世界は変えられないかも知れない。だが、一人の力で一人の人間を、一人の人間の世界を救うことは出来るんだ。
それは同情から来ているのかも知れない、見下しての事かも知れない、自尊心のためかも知れない、それらの卑しいといわれる感情から金を施したのかも知れない。だが、俺は思う、寄付や喜捨をするのに尊い感情が必ずしも必要なのかと。必ずしも慈愛の精神で喜捨をする必要はないだろう。卑しいとされる感情から十円渡そうとも、尊いとされる感情から十円渡そうとも。受け取った物には同じ価値を持った十円だ。そして、それで飯を食うことが出来る、命をつなぐことが出来る。それが例えどんな気持ちから生まれた金銭であろうとも、受け取った物からすればそれは命の糧、未来への糧となる。深い考えなど無くても、軽い気持ちの寄付でも命は救われる。
現地を知ることなく、「少年の労働、反対」や「不法入国者の取り締まり」、「路上生活者の追い出し」や「売春の取り締まり」を指示することは簡単だ。そして、それで全体が向上に繋がることもあるのだろう。しかし、それで生活を、命を失う者もいる。国のことを、世界のことを考えたら正しいことでも、それで何かを失う人間はいる。統計上ではただの数字でしかない人間だってみな必死に生きている。全体のために見捨てられた数字――人間。彼らを見捨てることが全体で見れば正しいのだとしても、その数人を、個人個人を見つめて、知って、出来ることなら救いたいと思っても間違いじゃないと思いたい。数人の人間を助けるために大勢の人間を犠牲にするのは間違っているかも知れない。目の前の一人を救うために十人を犠牲にする。それは、間違いなのかも知れない。しかし、一人の人のために十人を犠牲にする間違いを犯すなんて、――人間らしくて良いじゃないか。
この本を読み終わり、俺は貧困地帯のために寄付をした――なんて事はない、俺がこの本を読み心に残った言葉は、「目の前の人を救う」だ。高尚なことなんて関係ない、全体の利益なんて関係ない、深い理由なんて覚悟なんて無い、「ただ目の前で困っている人がいて、ただ助けたかったから、助けた」それで良いじゃないか。目の前にいたから、単純に心が動かされたから助けた。そんな行動が人間らしくて良いじゃないか。目の前に困っている人がいたら、助けて、自分が助けられたら、ありがとう。そんな素直な人間に俺はなりたい。――いや、なれる。
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画一的な捉え方しかできていなかったな、貧困。いかに自分が恵まれているのか痛感。あとがきの言葉を胸に刻みたい。ひとからげにしないこと、個と向き合う姿勢をもつこと、いろんな角度から物事をとらえること。
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東日本大震災の津波の被害を描いた「遺体」の著者である石井光太のルポルタージュ。
実際に現地を周り、経験したことをベースに纏めているので、心に迫る衝撃度も高い。
想像を絶する中で生き抜く人々の姿を知り、自分として何をすべきか自問自答するしかないのだけれども、全ては事実を知ることからスタートするのだと思う。
以下引用~
・今、地球には約67億人の人々が住んでいるといわれていますが、このうち本書のタイトルで使った「絶対貧困」と呼ばれる一ドル以下で暮らしている人は12億人以上にのぼると推測されています。
2ドル以下ですと30億人以上。つまり、世界の半数の人達が一日二ドル以下で暮らしている計算になるのです。
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貧困問題を考える時、いつもざっくりとした統計データだったり、売春婦やストリートチルドレンなど抽象的な思考でしかみていなかった。
本書を読み、ストリートチルドレンにも色々なタイプがありそれぞれ背景も違って大人がビジネスとして絡んでいるなんて知らなかった。これは、いくつかある問題の一例でしかなく、私はこれまでイメージでしか捉えていなかったことに気づかされた。思考が浅い。統計データから考えることも大事だけど、現地で生きる人々の目線で個々が生活の中で抱えている小さな問題から考えることも大事だと思う。
今、自分に何ができるかわからないけど何をすべきか見つけ出したい。
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発展途上国における貧困・劣悪な環境の中で生活する人々の実態を、スラム編、路上生活者編、売春編に分けた上で、そこで生活している人々の中に分け入り、その視線からルポルタージュしたもの。
どんな環境にあっても、人間が生きているところでは常に、食べていくこと、男女・性、子供についての営みが基本になる。スラムに暮らす人にはそれなりの、路上生活者にはそれなりの”システム”が形成されていて、綱渡りのような生活ではあるものの、そのようなものがあることにわずかながら安堵を感じた。
とは言っても日本に暮らす私なんぞには想像を絶する世界で、とりわけ心を痛めたのはストリート・チルドレンについてのレポートだ。
戦争や災害、病気などで親を亡くした子供たちは”仲間”で路上生活に入る。
子供が路上で生活するということは、単に決まった生活場所がないというだけでなく、保護してくれる存在がないこと、常に暴力や強姦、飢餓などと隣り合わせの生活で、寂しさや不安から逃れるため薬物へ沈溺していってしまう子供も多いという。そもそも路上生活に転落していってしまう経過において、戦争や災害、親の病気などから満足な愛情や養育経験がない子供たちが多いため、精神的・情緒的・知的な発達に問題がある場合も多く、犯罪組織などに絡め取られて金儲けの手段にされてしまうなど、読んでいてもっとも辛くなる部分だった。
だから先進国に住む我々はこうすべし!・・・というような説教がましいことはなく、こうした現実を知ったうえで、一人一人が自分で考えて行ってほしいという説得力ある終わり方。
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タイトルほど重い内容ではない。
読みやすい文章で、体験踏まえながらありのままを書いている。
貧困に対して深く重く考えさせられたというよりは、こうした現実が確実にあるのだということを知らせてくれるもの。
こうした最低レベルでの生活を送っている人と共同生活をしただけあって、細かいところまで知ることができる、見えてくる。
路上生活者や物乞いというのは単純にかわいそうだと思っていたが、理由や背景を知れて、単にかわいそうという気持ちではなくなった。
改めて、今自分がどれだけ幸せな恵まれている国にいるか思い知った。
海外ボランティア、貧しい国の子供たちに教育という分野で興味があり、試しに読んでみた本だった。
著者の言ってる通り、自分はTVの中の貧困問題しか知らなかった。浅はかな知識で単にかわいそうと思うのは間違ってるし、勝手な押し付け。
実際にボランティアに行く前にこの本を読んでよかったと思う。多少なりとも、今までの自分の考えが誤解だったとわかったし、考え方も甘かった。
日本人は平和ボケしているな(笑)
貧困問題を通して国際化、遠い国の出来事ではないというのを考えるためのすごくいいきっかけになった。
買春、臓器売買、人身売買、麻薬売買。必要悪、それをしなきゃ生きられないということを知った。
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体験ルポではある。が、副題にあるような「(貧困)学」ではない。もちろん、いろいろ参考になる。たぶん何度も講演する中で、聞く人を飽きさせないようにするなかでこうした本が生まれたのだろう。ただ、それは読者に深く考えさせるような書き方ではない。贅沢な注文かも知れないが。
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中高生などを対象にしたような、話し言葉口調で進んでいく、まさに「講義」。読み始めた最初はなじまなくておかしな感覚だったけれど、噛み砕いた感じが堅苦しくなく身近な問題として貧困を捉える事が出来たように思う。
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TVで見るだけでは、知ることの出来ない貧困層の実態がリアルに書かれています。読んで良かったと思います。
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「現場」に身を置いて
自分の目で見て
自分の耳で聞いて
自分で匂って
自分で味わって
自分の言葉で語る
筆者のスタンスがすばらしい
きちんと まっとうに 「これから」を考えさせられる一冊です
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テレビニュースで見かける途上国のスラム街。大勢で路上暮らしをしている家族もいれば、物乞いをしている少年、売春の営業をする少女もいる。そんな彼らの一瞬だけを見て、かわいそうと同情するテレビ視聴者へ送る、本当の貧困についての講義。
1日1ドル以下で生活を送る途上国の貧困者たち。彼らはどうやってお金を稼いでいるのか、就寝は、風呂は、トイレは、セックスは、出産は、治療は、葬式は・・・。こうした当たり前の疑問に、様々な貧困者たちと共同生活を体験した著者が答える。
著者の講義は自分がホラれそうになった話などのネタをちりばめ、決して貧困者を悲劇のヒーローとして、同情させるような方向には行かない。
障害者であることを武器に物乞いをする少年や売春で子供を育てるシングルマザー。それぞれの現実は過酷だが、それは我々の価値観での話。途上国の障害者やシングルマザーには物乞い、売春が唯一の収入の糧だ。彼らにそんなことはダメだと説教するのではなく、そんな現実を知っておく方が大事なことなのだ。
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今こうして過ごしている時も世界のどこかではこんな生活をしているのか、と改めて認識した。こんなにも貧困は近くにあるのだと。
ただ、とても読みやすい文体でぱっと読めるので、重い話という印象は受けない。貧困を詳しく知ろうとするならば向かないけれども、貧困を知るきっかけにふさわしい本だと思う。
中高生の時に読んでいたらぁ..と思う。
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我々は発展途上国の貧困やスラムで生活を営む人々に対する思い込みや偏見が強い。この本はそういう思い込みや偏見に複数の視点を与える。
最後に印象に残った一部を簡略化して抜き出す。
「こうすべき」という決まりはなく、あるのは、それぞれが抱く「こうしたい」という思いだけである。