紙の本
夏休みには展覧会に行くのもいいなぁ
2011/07/28 09:10
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今東京六本木にある国立新美術館で開催されている「ワシントンナショナル・ギャラリー展」の宣伝惹句は「これを見ずに、印象派は語れない」です。実際本邦初公開の印象派の名作が50点あって規模としては大きな展覧会といえます。
印象派といえばフランスのイメージがありますが、どうしてその作品がこれほどアメリカの美術館に集められていたのか。
「アメリカなかりせば印象派の隆盛はなかった」と著者も本書の中に書いていますが、当時(1870年代後半)新興国だったアメリカは「何とか新たな、自他ともに誇れる文化を形成したい」と考えていました。そのためには手っ取り早く「文化」を輸入するしかない。そんな時、ひときわ目をひいたのが印象派の作品群だったわけです。
印象派の作品を世に生み出したのは、1874年に開催された展覧会に出品された、モネの「印象―日の出」だということは有名な逸話です。
その時、多くの批評家がそれらの作品を「さぞかしここにはたっぷり印象が入っているのだろう」と揶揄します。まさに権威がこれからでようとする若い力を押さえようとしたわけです。
しかし、印象派の作品は半信半疑ながらも時代に受け入れられていきます。そこにアメリカの富豪たちの目が集中したのです。
当時のアメリカ人に印象派がどのように写ったか。おそらく彼らには光をふんだんに使った作品としてしか見えなかったはずです。
本書のなかで著者は何故日本人が印象派の作品を好むのかという理由として、「まだ西洋美術の学びの途中」だからと書いていますが、同じことが当時のアメリカ人にもありました。つまり、「まだ西洋美術の学びの途中」だったアメリカ人には印象派の作品は理解しやすいものだったということです。
そんな印象派の作品たちですが、多くの画家を輩出しています。マネ、モネ、ドガ、ゴッホ、ルノワール、といったように、誰もが何人かの画家の名前がいえるはずです。
そんなことを思えば、印象派というのは個性的な画家たちの時代だったといえます。
彼らがどのような生涯を過ごしたかということについ興味がいってしまいますが、本当に印象派の作品を鑑賞しようと思えば、それらの作品がどのような時代背景から誕生したかを知っていることは、鑑賞をより深めてくれますし、愉しくもしてくれます。
著者はそういう鑑賞の仕方を薦めれています。
今回の展覧会で実際に見ることができる作品のことも何点かこの本に紹介されています。
この本を読んでから展覧会を見に行く方がいいか、展覧会を見てからこの本を手にすべきか。
前か後ろかという問題はありますが、どちらにしても本書を読めば、印象派への理解が高まることでしょう。
展覧会の宣伝惹句ではないですが「この本を読まずして、印象派は語れない」ということです。
紙の本
絵画に落としこまれた市民生活をひもとくことで近代独特の価値観を浮き上がらせる
2011/09/12 07:08
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
『怖い絵』シリーズで西洋絵画の見方を平易に解説してくれた著者・中野京子が、印象派について昨年(2010年)秋に行なった講演をまとめた一冊です。
これまでも印象派の歴史を記した美術関連書を手にしてきたので、時のアカデミーとの鋭い対立や、金属製絵具チューブの発明、絵具をまぜないことで光を表現するという新しい手法、浮世絵の影響、そしてモネやマネ、ルノワールやドガといった画家たちのプロフィールなどは分かっていたつもりです。
しかしこの本は、そうした絵画という芸術の歴史だけでまとめられたものではありません。
印象派とは「絵から物語や歴史を切り離そうとした絵画運動」のこと。ですから何かを批判したり称揚したりすることなく、目の前にある市井の人びとの日々を実直に、とはいえ時代の権威が求めたのとは異なる形で、描いていきました。そこに描かれたものが、まさに近代という時代の姿であることを、今回も著者は分かりやすく教えてくれるのです。
ドレフュス事件をめぐって印象派の画家たちが意見の対立を見せていたこと、識字率の高まりがおバカな読み物に侵食される女性を増やすと考えられたこと、子どもを乳母に任せることがブルジョワの女性たちの本当の育児とみなされたこと、オペラ座は観劇よりも社交の場であったこと、などなど、現代に生きる私たちから見るとにわかには信じがたく受け入れがたい価値観が近代にあったことが披露されていくのです。
美を愛でるための絵画、からは一歩も二歩も距離を置いて、人間が築き上げた時代性をその清濁あわせて目いっぱい味わうための手引きともいえる好著です。
電子書籍
印象派の時代
2024/01/06 08:09
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投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
印象派の画家たちが活躍した時代背景がよくわかる。現代から見ると危うい価値観のもののあるがそういったことを踏まえても美しいと思えるのが印象派が人気な所以だろうかと感じた。
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投稿者:ペンギン - この投稿者のレビュー一覧を見る
絵の物語もいつもどおり面白かったけれど、第8章のところで印象派を支えた美術市場に触れられていたのが印象深い。美術も消費者(パトロン)なくして成立しないと思うと、芸術家でないただの人の私が絵画について学んだり、展覧会に足を運ぶことで美術の発展に貢献していると思えてくる。
紙の本
わかりやすく、面白い
2019/10/31 19:55
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
印象派以前の絵画と印象派絵画の違いなどとてもわかりやすく、面白いです。特に、エミール・ゾラをめぐる群像の章は興味深いです。
紙の本
めっちゃ面白かったです~!
2015/03/25 17:05
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投稿者:なつきちん - この投稿者のレビュー一覧を見る
以前日記に書いた「「怖い絵」で人間を読む」のノリのままに、購入してしまった1冊。
著者の本は何冊か読んでいるのですが、古典絵画のイメージが強かったんですよね。
近代に含まれる印象派の本、ということで驚き手に取った訳ですが。
そうかそうですよね、印象派とはフランス革命以降を契機に起こる絵画革命で、当然ながらフランスの歴史とは地続きなんですよね。
印象派絵画をキーに、近代へと移行していくフランスの歴史を興味深く知ることが出来ました。
すごく面白かったのが、エミール・ゾラという人物。
名前くらいは聞いたことがありましたが…こんな魅力的な人物だったなんて!
印象派の強い味方だったのに、のちにはその印象派画家達に非難されてしまうとは、何たる皮肉…。
しかしモネは余計好きになりました!えらいよモネ!
何も考えず、明るい美しさを楽しむのが印象派絵画の鑑賞のしかた…。
しかし、やはり印象派絵画の画面にも、現代の私たちには理解しにくい当時の世相、文化が反映されているのですね。
また1つ、鑑賞する楽しみが増えましたvv
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印象派の画家と絵を知っていても、印象派の時代背景まで知っている日本人は少ないかと思われる。私もそのうちの1人である。
本書は、マネ、モネ、ルノワールといった印象派の絵画解説を絡めながら19世紀中盤のパリの時代背景と風俗が理解できるような構成になっている。
著者の絵画や西洋文化に対する深い造詣と著者独自の主観を織り交ぜた筆力が素晴らしい。革命後、成熟した文化が花開いたパリの表舞台の裏に潜む闇。画家達はそれらをどのように見つめたのか。そんな想像をかき立てられる。
著者が女性だからか、どちらかといえば、女性にスポットを当てた内容にやや偏っている。特に、闇の部分に目を向けると、陰鬱な気分にもなる。しかし、たとえその闇に幻滅したとしても、「にもかかわらず美しい」。これが芸術の芸術たる所以であると締めくくっている。この最後の文章に著者の芸術に対する強い思いが伝わった。
読後、本書で紹介されている絵画が多く展示されている国立新美術館(ワシントン・ナショナル・ギャラリー展)に早速足を運んだ。展覧会の目玉の絵であるマネの「鉄道」の解説も本書で取り上げられている。
絵画鑑賞の予備知識が殆どない者にとって、本書を通じて、絵を鑑賞する感性は確実に変わる。
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絵の向こうがわには、人がいて、生活や歴史がある。
1枚の絵は隅々までメッセージに満ちている。
そういうことを、ていねいに体系的に教えてくれた本。
新書というと簡素なイメージがあるけれど、この本は絵が多くて文章も凝っていてすごくカラフルな印象です。
絵を見るのは好き。でも感想は「きれいだな~」にとどまっている、という人におすすめです。
1冊読むと、芸術が時代を超えて愛される理由に気づきます。
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ワシントンナショナルギャラリー展の帰りにミッドタウンの本屋で見かけて、のち購入。絵画の本でもあり、ヨーロッパ近代史のちょっとした解説でもある。世界史にうとくて、絵が好きな(わたしみたいな)人におすすめです。
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中野氏の著作はどれも面白く読んでいるが、今回も良かった。
印象派の絵画とその時代。元々モネやゴッホなど、この時代の絵画で好きな画家が多いので、絵画とその時代背景など、これまでの著作で取り上げられた作品よりは多少知識があったけれど、それでも余り興味のなかった画家については殆ど知らなかったので、今回もとてもお得な気分を味わえた。
ただ他の方のレビューにもある通り、本文途中で見開きで絵が入るのは若干読み辛い。今までの著作のように、章の頭に持ってくるのでは、話の流れ的に駄目だったのだろうか。
そこが残念だったけど、やっぱり★5つ。自分には面白くて堪らないのです。
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学術的に近代と美術の関係を追うなら、高階秀爾の新書「近代絵画史」(上下)を強くオススメする。格が違う。
本書は図版がきちんとしていて、好感を持てる。そして、本書は、印象派を覚めた目で見る本である。背景を知ると、えーってなるような、テンションが下がるツッコミが満載。「にもかかわらず美しい」という一言に著者の芸術に対する立ち位置がはっきりしています。
しかし、当時の歴史に遡ることも、また、今の時代性に基づいて鑑賞することも、双方私は大事だと思います。芸術は時代を超えたものではない。常に時代と向き合い続けられる作品のみが真に価値のある作品だと感じているからです。
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わたし、疑問だったの。何でこんなにも日本で印象派が受け入れられるのか。
いや、嫌いじゃないんだ。ドガとかロートレックとか割に好きな人結構いるし、モネの絵はやはりこう、ボーっと眺めて時間を過ごすとものすごく幸せな気持ちになれる。あのさざ波のような移ろいゆく時の変化をおさめた絵は傑作以外の何物でもないと思う。
それでも変よ。だって、世の中にはもっと分かりやすい傑作がいっぱいあると思うの。宗教の背景が分からなくたって、神様の名前を知らなくたって、美しいものは美しいんだと言えるような絵はいっぱいある。でも日本ではとかく印象派の人気が根強い。
ジャポニスムによる親近感?
ぼやっとした曖昧さが似ているとか?
どーもイマイチ納得できない。
でもこの本読んで、もしかしたらって思う仮説ができたの。
印象派って、当時新興国だったアメリカが、自身の文化的歴史の脆弱さに劣等感を抱き、「新しい価値観」として、古き伝統を持つフランス国内で批判を浴びていた印象派の絵を買い上げることで自分たちの脆弱さを補おうとした的なことが書いてあったの。
アメリカと言う国を介して、フランス国内の新しい絵画に価値を付けた。だからこそ、画風が違うように見えても(モネ、ゴッホ、スーラは根源は近しくても同じような芸風の絵には見えないもの)「印象派」という一つのくくりができた。
脱線するけど、それでも脆弱さって変わらないわよね。抜け道探して、これならばって思ったのが印象派なのかもしれないけど、絵画の歴史を思えばぽっと出のよく分からない新人(しかも他国のね)をベースにその気分を受け継いで歴史にしていこうって、なんか自分の脆弱さをさらに証明している感じがするわ。その点において日本ってもっと自分たちの持ってるもん自慢していいと思う。本当に。
話を元に戻しましょう。まぁ脱線が関係なくもないんだけど。印象派よ。
なんでここまで日本で人気があるか。
この本読んで思ったのは、アメリカが価値を認めたものだからよ。価値を認めたと言うと語弊があるけど、「これらを価値のあるものとする。」としたから、日本はそれに従ったんじゃないかしら。
おかしな話だけど。印象派は、ジャポニスムの影響を受けている。でも本にもあったけど、極東の文化に余りになじみがなくて浸透はしなかった。で、そのような新しいものに目を向けている気来の人たちをフランスは認めなくて(当時はね)アメリカにたんまり現在で言う傑作を持ってかれてしまう。そのアメリカの「価値」を、日本は西洋化を進めるにあたって取り入れたんじゃないかしら。
だって、ジャポニスムを契機に、欧州との交流がより深まっていたら、絶対にもっとアカデミックなものが日本に導入されて然るべきじゃない?でもそうじゃない。西洋化に当たってそんな風にアメリカからフランスの美術が紹介されて行ったかどうかはまだよく分からないけれど、「アメリカがいいっていうものだから。」という理由は日本人にはと���も納得のいく言い訳な気がする。
バカみたい。なんか自分のコンプレックスに気付いちゃったみたい。印象派は好きよ。でもアメリカが挟まってそう思うのかもしれないなんて、ほんとバカみたい。だって、アメリカはフランスみたいな長い美術の歴史のある国に劣等感を持っていたからこそ、新しいものに目を向けて行ったのよ?日本にもあるのに。すごくすてきなものが、たくさんたくさんあるのに。
わたしのこの考え方こそ、バカみたいなものなのかもしれない。
でも思う。
わたしはもっと、自分を知りたい。日本を知りたい。持てるものを差し出して、今の脆弱さを補えるような強さを持ちたい。
日本はアメリカに従うしか生き方を見出せないような思考を植えつけられてるのかもしれない。そこから逃れるのは並大抵のことじゃない。
でももっと、日本にしかないものや、日本人にしかできないようなこと、客観的に知って、トレードできるような図太さ、持っていいと思う。
と言うようなことを思った。
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[追記]
こないだ頂いたポストカードがドガだった。
今までだったら、単なる「ドガのバレエの絵」だったが、
この本をよんだおかげで、この絵の背景や登場人物が何を表現しているかが、わかって絵の見方がかわった。
知識というのが、見方をかえる。ということがよくわかった。
---------------------------以上 追記------------------------------------
「怖い絵」シリーズの印象派の解説版。
今回は印象派と呼ばれるドガやモネ、マネ、ゴッホ等を中心に、
印象派とは何かがかかれている。
フランス革命がおわり、ナポレオン3世の時代に今までの
宗教画や人物画ではなく、感じたままに、
思った通りに書くという絵画の革命がおこった。
なるほど、印象派の絵画は内容がわからなくても
なんとなく良いとか、直感的、感情的にみることができる。
絵画が貴族たちの教養のひけらかしから
一般市民が見ることになってきたという時代背景もあるようだ。
歴史を重んじるヨーロッパよりも、新しい歴史を作りたいアメリカによって買われ、結構な数の絵画がアメリカの美術館にあるのはそのためらしい。
最後のし目の言葉がぐっときた。「にも関わらず美しい」作り手がどんな人間だろうが、芸術は美しいものはうつくしい。それこそが芸術の毒とのことだった。
美術館にますます行きたくなった。こういう本を読むと楽しみが深くなる。
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[図書館]
読了:2011/12/16
なぜ、「だ・である体」と「です・ます体」がこんなに混在しているの??
すごく気になっていらいらする…。
あと、ハプスブルクやブルボンはメインでない小さい画像もすべてカラーだったのに、こちらは白黒。値段は大して変わらないのに…。
ヨーロッパ近代史の読み物として面白く読めた。ただハプスブルクやブルボンと比べると、印象派の絵自体にはあまり惹かれないので買いたいとは思わなかった。
印象派、中学生のころまでは好きだった。特に、ルノワールの「イレーヌ・カーン・ダンベール嬢」。
でも、「感じる」ことはできても「わかる」ことができずにだんだんと離れていった。一年ほど前、オルセー美術館展を見に行って(ポスト印象派と銘打ってあるが印象派の絵もちょっとあった)、はっきりと「自分は印象派が好みではない」ということが分かった。
何となくいいな、と思っても、その「いい」という感覚は、輪郭が印象派の絵のごとくぼやけたままで、それ以上深まらないのだ。
今は、自分が好きなのはベラスケスだとはっきり分かるが、印象派が日本人に好まれるのはやはり分かりやすさのためなのか。知識はいらず、アトリビュートやアイコンの解読の必要もなく、「明るいね」「きれいだね」と感じていればそれでいい。でも、主張がなにもないのですぐ飽きる。それが今の自分にとっての印象派、の理解。
ただ、モネの『散歩、日傘をさす女性』は初めて見たけど良いな。
中野さんの描写通り、「陽光のぬくもり、そよぐ風、草の匂いまで漂ってくる画面」
保存しておける絵の具の開発、Who was Claude Monet? にも載ってた。
ワシントンナショナルギャラリーにやたら印象派の絵がある理由。
文化的に出遅れていたアメリカが「フランスものだからネームバリュー的におk」って理由で買い占めた。
しかし、アカデミーの権威主義によって拒否された印象派たちもまた、成金の新大陸を軽んじた。
アメリカからこれほど恩恵を受けながら、モネなどはあまりアメリカに自作を購入されたくない、とまで公言している。
最後のページの、「にもかかわらず美しい」。この言葉がすべてと思う。
主題も、主張も、問題意識も、解釈の余地もない。
にもかかわらず美しい。
「それこそが芸術の毒であり魅力。またそれでこそ、絵画は鑑賞者のものとなる」
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さすが 中野京子さんの本
多角的に絵を読ませてくれる
今回は、社会や当時の環境について が焦点かな
マネの『オランピア』や『草上の昼食』が、それぞれ
ティツィアーノ『ウルビノのヴィーナス』『田園の奏楽』の
女神や神話上の人物を 生身の人間にした絵
というのには驚いた
そうだったんだ!!
しかし、一番最初に 『草上の昼食』を見た時の衝撃は
忘れられない。
びっちりと礼装した男性と 森の木漏れ陽の下
ピクニックしているのは 全裸の女性!
(うわ、何なんだ、コレ?! ・・・だった)
中野さんは これは現在を見越した未来図だったかも
なんて 書いてる
ヌーディストビーチのピクニックね。
そう見ると、なんか笑える