紙の本
超能力を身近な問題として位置付けた傑作。
2023/05/28 11:02
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
超能力を身近な問題として位置付けた傑作。超能力は人知の枠を超えた魅力的な能力ゆえ冒頭から興味をそそられワクワクする。しかし本作の魅力は、超能力者にとってこの社会は生きずらい世界だという現実と結び付いた展開である。異なる生き方を模索する2人の超能力者の堅い絆が感動的だが悲しい結末に結び付く緻密に構成された展開は見事。超能力という魅力的な課題を要所で巧みに使い、大きな計画殺人という謎解きに収斂させていく構成力と文章の巧みさも流石。著者の作品は、現実的ではありながらも何処か「不思議」に通じる感覚がある。それは超能力や霊魂といったものに通じるものであり、人知の及ばぬ世界の存在を感じさせるものであるが、そうした感性が本作で強く感じられるのは私だけかな?
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宮部さんはすごい
2017/06/06 13:01
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投稿者:HIRO - この投稿者のレビュー一覧を見る
さすがは宮部さん。
サイコーでした。
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息を抜く暇もないほどスリル満点の展開
2016/11/21 21:30
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本推理作家協会賞を受賞した著者初期の傑作である。この頃から著者の物語の構成力はずば抜けている。息を抜く暇もないほどスリル満点の展開であり、そして意外性もある。物語の最後の方まで全体像がつかめない。この頃から宮部みゆきの作家としての力は完成されていたように思える。
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投稿者:本すき - この投稿者のレビュー一覧を見る
雨の日なんかに読むといいかも
宮部先生のワールドですね。
良くわからないうちに読んでほしい
意外性で 私は面白かったです。
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哀しい物語
2004/02/26 19:35
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投稿者:アリオス - この投稿者のレビュー一覧を見る
久しぶりに再読しました。3度目です。そしてまたも息苦しくなる程に号泣してしまいました。
宮部さんの作品は幾つか読んでいますが、きっとこの先もこの作品が私にとってのNo.1であり続けるでしょう。
ミステリーとしてどうなのかはわかりません。
私にとってこの話は、優しすぎる2人の少年の哀しい物語なのです。
だからこそ、2度目、3度目と、より深く心に突き刺さるのです。
終盤は涙が溢れて止まらず、滲む視界を拭いつつ読みましたが、それでも追いつかず、時々顔を上げて空を見なければなりませんでした。
今も、直也という悲しすぎる孤独な少年(青年)のことを思うと、鼻の奥がツンとしてきます。
ただただ、残された慎司の行く末が幸せなものになりますように…と祈るだけです。
最初「僕も、好きでこんなふうに生まれてきたわけじゃないんだ」と目を潤ませながら言った慎司が、最後には「僕、誰かの役に立てると思うよ」と言った時、私の中にも希望の火が灯った気がしました。
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嵐の晩、雑誌記者の高坂昭吾は、東京へ車で向かう途中、自転車をパンクさせ立ち往生している稲村慎司と出会う。 超能力者だという慎司は、二人が偶然出くわした死亡事故の真相を語り出した。 そして、二人はある事件に巻きこまれて行く。
いきなりの「超能力」ネタびっくりしちゃいますが(笑) そういうジャンルを越えて、面白い作品でした。 超能力を持っているがゆえの、少年たちの心理描写や ストーリー展開にぐいぐいと引きこまれていく感じ。
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超能力作品。読唇術を持った2人の少年の、非対称的な行動と思考から物語りは、ちょいもの悲しく終わっていく。
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(2004.08.14読了)(拝借)
「これは、ある決闘の記録である。」
このような書き出しで始まるので、拳銃を持って撃ち合ったのであろうか。刀を振り回して、戦ったのであろうか。そのようなものではなく、自分の中に眠る龍との戦いの記録である。自分の中に眠る龍に気付いた時の参考にしてくれというのだが。龍とは、超能力の事。
高坂昭吾、雑誌記者。週刊誌「アロー」担当。9月23日台風のさなか霞ヶ浦方面から、車で東京方面へ戻る途中、佐倉工業団地の近くで、夜十時半ごろ自転車がパンクしたために困っていた稲村慎司、高校一年生を拾う。稲村慎司を拾ってまもなく、車が何かに引っかかる。確認したら、マンホールのふたがずらしてあり、大量の雨が流れ込んでいる。近くに子供用の黄色い傘が風に漂っており、子供を捜す父親が現れる。子供は、望月大輔、小学校一年生。子供は、マンホールに落ちたのかもしれない。慎司は、子供はペットの猫を探しに出て行方不明で、ペットの名前はモニカだという。警官が話しているのを小耳に挟んだのだという。後で、高坂が、母親に確認したら、ペットの名前はシロだという。子供はモニカにしたいと言っていたという。(この辺から、慎司という少年に何かあると匂わせている。宮部さんは、この辺の組み立てが実に周到だ。)
事件の取材もしたいので、その夜は近くのホテルに宿を取り、少年を泊め、翌朝の朝食の時、慎司は、「僕、オープンになっちゃったらしい。こんなことはじめてだ」と言い出した。
慎司は、超能力者で、人の記憶や考えていることが読めるのだという。信じてもらうために、高坂の記憶を読んで見せる。10歳のころの交通事故、小枝子という元恋人の名前。(後で小枝子さんに絡む事件が起こってくるのだから、宮部さんの話しの組み立てには実に無駄がない。)慎司が自分の能力に気付いたのは、小学校5年ぐらいの時で、父親にそのことを話したら、父親の叔母に会わせてくれた。叔母さんも慎司と同じ能力を持っている。能力のコントロールの仕方を教えてもらえたので、今日まで生きてこれたという。通常は、能力に押しつぶされて、育つことができない。
超能力は、相手の体に触れば確実だけれど、相手の体に触らなくてもある程度は、読める。これをスキャンというのだそうだ。オープンというのは、制御が効かなくなる状態で、情報がどんどん入ってきてしまう。人の記憶だけでなく、物の記憶、持ち主の感情や記憶も読めるという。
悪戯にマンホールのふたを開けておいた奴ら、赤いポルシェの川崎ナンバーで、若い二人組の男だ、というけど、これって何から読み取った?マンホールの蓋から読み取ったというけど。赤いポルシェで川崎ナンバーというのは無理がある。若い二人組は、マンホールの蓋に触っているけど、車のタイヤから、赤いポルシェの川崎ナンバーはどうしてわかる?マンホールの蓋から二人の男の会話が読み取れる?などということ言い出すと、この手の本は楽しめなくなるけど。深く考えずに受け入れるしかないのかも。
慎司の超能力を信じかけていたら、織田直也が現れて、慎司の能力を否定して見せる。読んでる僕も、何だそうだったのかと宮部さんの策略にすっかりはまってしまって、引きずり回���れてしまう。
高坂さん、慎司、直也、小枝子、といったところをめぐって、話が進められ、悲惨な結末?へと進んでゆく。
高坂さんに恋している、水野佳菜子はちょっとかわいそうだ。
超能力を持つ、他の人と違うということがいかに生きにくいか、人の心が読めるということがいかにわずらわしいかということを教えてくれる本。
宮部さんのストーリーは実に見事だ。「火車」も面白かった。住宅ローンの契約直前に読んでしまったので、契約をビビッテしまったけど。
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宮部みゆき作の超能力者もの第1弾。悲劇的だけど、少年達の素直さに救われる、宮部みゆき的王道を行った作品。
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超能力モノ。「宮部は好きだけど、超能力ものは嫌い」という友人が多い私。でも、こりゃやっぱ、面白いよ。
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雑誌記者の高坂昭吾は、車で東京に向かう道で、道端で自転車をパンクさせ立ち往生していた少年を拾った。何となく不思議なところがあるその少年、稲村慎司は「僕は超常能力者なんだ」と言う。その言葉を証明するかのように、二人が走行中に遭遇した死亡事故の真相を語り始める。それが全ての始まりだったのだ。って感じ(ほとんどパクリ)
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雑誌記者の高坂が、二人の若い「超能力者」と出会い、彼らの「生きざま」を自の身の上に起こった事件を通じて思いしらされる…。
とても切ない結末だけれど、「超能力」も「目が見えること」や「耳が聞こえる」ことと同じ「能力」なんだ…という、叫びが胸に響きます。
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宮部初期作品。この作家の本をたくさん思い浮かべて、一番好きなのがコレ。何年も前に読んだものなのに、土砂降りの雨の中、マンホールを覗く主人公と少年の出会いのシーンをすぐ思い出せる。宮部の「少年」「超能力」ものではダントツ。当時、読んで泣いた気がする。
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サイキックの能力をうまく制御するのは難しい。人には色んな能力がある。それに気づいていないだけなのかも。
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最近は全く読むことがなくなってしまったけれど、一時期宮部みゆきの本を読み漁っていた。中でも1番のお気に入りがこれ。中年男性が主人公というところもいい。切ないです。しっかし単行本は『龍は眠る』なのに、文庫本は『竜は眠る』になっているのは、アマゾンのミスかしら。