紙の本
記憶と心、忘れるのはどちらだろう
2012/01/01 05:03
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:asura - この投稿者のレビュー一覧を見る
まんまことシリーズ3巻目。
拳で挨拶を交わす親友三人組は相変わらず。かつての勤勉からお気楽者にがらりと豹変した町名主の跡取り息子高橋麻之助。愛しい女房の懐妊にさらにめでたく優しい男になったので、支配町ではないよろずもめごとまで引き受けてしまう。
「おさかなばなし」
江戸本所の“置いてけ堀”に河童が出た!?
お堀に引きずりこまれたのは頼りなはずの町名主というからさあ大変。
「お江戸の一番」
狂言と書画を合わせた番付が売り出された揉め事が麻之助に持ち込まれた。
畑違いの勝負と恋の鞘当ての行方は。
「御身の名は」
町名主を呼び出す文は来るのに会えはしない。
女狸の正体は。
「おとこだて」
旗本の妻女に貢がせる色男。
悪友吉五郎に男惚れする貞吉らがさも犯人のようによみうりに書かれた。
団子を食われた麻之助も高値な櫛を売り払った男を追いかける。
「鬼神のお告げ」
富くじを当てた古着屋に囁いた“三戸の虫”のお告げには。
あの富興行。あの場に縁の者が、もうすぐ死ぬ。
こぼれる命に麻之助は間に合うか。
「こいわすれ」
ふわりふわりと糸の切れた麻之助。橋から落ちる町娘と一緒に川に落っこちた。
親ばかの大店の娘との破格の良縁を破談にした件の暦とは。
裁判というほど厳正でなく皆の落ち着きどころへ落とす采配には人柄や人情が感じられ興味深い町名主という仕事。支配町以外からも麻之助を慕う者から相談事が持ち込まれ、飄々と解決してしまうのだから面白い。若だんな大事の妖怪が賑やかな「しゃばけ」とは異なり、生々しさではない残り香のような恋しい想いが全編に漂うシリーズです。
しかし今回は過日の恋の痛みとは別種の悲しみが麻之助を襲います。
幸福な日々にぽっかりと開いた落とし穴。麻之助を慕う者たちが多いほど痛ましく、自然に口にする名前が哀しいです。
紙の本
お気楽麻之助なのに……
2012/02/22 11:17
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
『まんまこと』『こいしり』の続編。
町名主の跡取り麻之助、同じく町名主の清十郎、
見習い同心の吉五郎。
幼馴染で親友で悪友の三人が町の騒動にぶつかり
探偵役の麻之助が解き明かします。
謎が三つも四つも重なって
さっぱりわからないのが愉快。
最初の謎はおいてけ堀。
おいてけ掘で行方不明になった小さな子。
そのおいてけ掘に清十郎は落とされる。
その周辺には金を盗む者が現れ
本当に「魚をおいてけ」と声が聞こえます。
また「御身の名は」では、麻之助に
見知らぬ女から相談事の文が届きます。
しかし、指定されたところに女は二度、現れません。
そんな折、懐妊して実家で静養していた麻之助の妻お寿ずが
婚家に戻る途中、具合が悪くなります。
一緒にいた幼馴染のお高の悩みを聞いていたとか。
格式高い武家の妻女となったお高の悩みとは――。
また同じ頃、町役人の預かる入用金が帳面と合いません。
町のために使う金なので、合わなければ大変です。
お高騒動が尾を引いて
お寿ずの身体はだんだん弱っていったのでしょうか。
こんなことになるとは思わなかった。
その他、三尸(さんし)の虫に教えられた
富くじの番号が当たる男の話もおかしい。
いえ、これは人の命があぶないので
笑い話ではないのですが……。
ふらふらしている麻之助という設定ですが
頼まれた相談事はきっちり解決。
けっこう真面目だと思うんだけど。
だから、このラストはきついなあ。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
「まんまこと」シリーズ第3弾です。
麻之助の妻・お寿ずが懐妊!驚きつつ大喜ぶ麻之助だが。。
ラストが。。
ほか「おさかなばなし」などです。
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まんまことシリーズ第3弾
お気楽者の町名主の跡取り息子・麻之助の身にあんな悲劇が待ち構えていたとは予想外。第4弾ではどう展開していくのだろう?
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神田町名主の跡取り息子・麻之助シリーズ第3弾。
おいてけぼりの河童騒動・・・おさかなばなし
番付に悩まされる幼馴染3人・・・お江戸の一番
姿を現わさぬ手紙の主・・・御身の名は
武家の妻をたぶらかす謎の男・・・おとこだて
富くじのあたりを教えた庚申の虫・・・鬼神のお告げ
暦がもとで破れた縁談・・・こいわすれ
今回は以上の6編。
私は割と「しゃばけ」シリーズのキャピキャピ感あふれる賑やかな作品より、こちらのしみじみしっとりしたお江戸ものの方が好みだったんですよね。
でもちょーっとあちらのシリーズに引きずられてる??
麻之助がどんどんのほほんとしてきて、ちょっと心配。
おんなじような雰囲気の話なら、二つも読みたくはないですよ。
しかも話もとんでもない展開に。
畠中さん、プライベートでなんかあったのかしら??
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いつもの様にお気楽麻乃助が困ったことをズバット解決が続くかと思ったら・・・。
涙が止まりません。なんでこんな結末なの??
麻乃助の今後がきになります。
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結婚したと思ったら・・・ちょっと残念。
町の仕組みが分かりやすくて大好きなこのシリーズ、とりあえずのところ、まだ続くのね、と思ったり。
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内容紹介
江戸町名主の跡取り息子・高橋麻之助が親友とともに様々な謎と揉め事に立ち向かう好評シリーズ第3弾。麻之助もとうとう人の親に?
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【収録作品】おさかなばなし/お江戸の一番/御身の名は/おとこだて/鬼神のお告げ/こいわすれ
のんきな麻之助の活躍をのんびり楽しんでいたら・・・・ なんだこの結末は。悲しすぎる。
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お気楽者の癖に,よどんだ空気がとてつもなく暗い~江戸・神田の町名主・高橋家の跡取りはお気楽者の麻之助,同じ八木家の当主・清十郎,見習い同心の吉五郎は幼なじみだ。深川七不思議の一つ,おいてけ堀に清十郎が落ちたと聞いて,釣り人の魚を奪ったり,金を掠める河童を捕らえるべく出掛けたが,川越の商人が堀に攫われた我が子を探し回り,奉公人も使っている姿が哀れだ。狂歌師の連と書画師の連を一枚で番付にしたことが発端で,両国に互いに小屋を掛けて,木戸銭で競う意地の張り合いが始まる。麻之助に内々に相談したいという手紙が届けられ,出掛けていくが振られてばかり,3度目は懐妊中の麻之助の妻・お寿ずの具合が急に悪くなって見合わせたが,妻の具合が悪くなったのには,妻の友で武家に嫁いだお高の告白がある。両国の顔役・貞は女の付け届けがあるが,武家であるにも拘わらず真似をするものがあるらしい。夫婦別れする際に妻の持参金は返還されるのが習いであるが,妻は持ってきた高価な簪を売り払って男に貢いだらしいのだ。神田天満宮で富くじ一等600両を引き当てた男は,三尸の虫のお告げで当たり札を買い,さまざまなお告げを触れているらしい。鬼神のお告げで誰かが誰かを殺そうとしているのではないかとの疑惑は,神社の神職に向けられる。妻の容態が悪化し駆けつけた麻之助は生まれて直ぐ死んだ娘の死に目に会えず,数日後には妻も亡くしてしまった。茫然自失となった麻之助は柳橋で川に落ちそうになっている娘の姿を見て,思わず救いに走って自らも水に落ちたるが,娘共々無事であった。礼を告げる大店の主人は,小さな古着屋と縁談がまとまったのだが,方角が問題となって破談になったのだと相談を持ち込む~お江戸の住民の中で苦しみを抱えている者がいるんだ,大変なんだ,どうしようもないんだ・・・という空気が重くて,辛くて,目に痛い。読むのが楽じゃないのは,書き手も苦しいのがわかるけど,このシリーズは止めにしても良いんじゃなかろうか
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江戸町名主の跡取り息子・高橋麻之助が親友とともに様々な謎と揉め事に立ち向かう好評シリーズ第3弾。麻之助もとうとう人の親に?
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表題作のほか、「おさかなばなし」 「お江戸の一番」 「御身の名は」 「おとこだて」 「鬼神のお告げ」
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きょうもきょうとてなんだかんだとつるんでいる幼馴染三人組の麻之助・清十郎・吉五郎である。お気楽者と言われている麻之助なのだが、違和感を放っておけない性質によって面倒ごとを引き寄せている感もあり、その都度真面目に解決に尽力する姿に好感が持てる。性格の違う三人がそれぞれの立場や気性を活かして助け合うのもいい眺めである。ただ今作にはどうにもならない切ないことも多く、読んでいて辛くなることもあった。これからどうなっていくのか案じながら次作を愉しみにしたい一冊である。
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まんまこと─こいしり(恋知り)から、こいわすれ(恋忘れ)。最終章のタイトルが示すように今までの「おちゃらけ・ほのぼの」とは打って変わった悲しすぎる内容。今後の話がどう転ぶのか、続きを早く読みたい。
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予想外の出来事が
あまりにもさらっと起きてしまい、
本当にびっくりしました。
途中までは、
新米パパになろうとする麻太郎が
微笑ましくて、
結婚っていいもんなんだなぁと
思っていたのに・・・
作者さんの狙いはなんなのか。
このシリーズはどうなってしまうのか。
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時代もの。しゃばけシリーズとは違う。
江戸町名主の跡取り息子・高橋麻之助とその仲間のお話で、シリーズ三作目。一、二作を読んでいれば、登場人物の背景がもう少しよくわかって楽しめたと思うが・・・。
それぞれ短編でまとまっているので、それなりには楽しめる。
主人公の身辺に大きな出来事が起きているので、今後のシリーズ展開にも影響してくるのだろう。
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まんまことシリーズ第三弾。
町名主の跡取り息子・麻之助とその仲間の謎解き物。
タイトルがこんな意味だったなんて…としばし呆然となる展開。
【図書館・初読・11/13読了】