紙の本
numberでもっとみたかった
2017/03/06 19:52
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投稿者:鯉狂い - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めて奥田英朗の文章を初めて読んだのは2006年の日本シリーズ観戦記をnumberに寄稿されていた際。えらくスポーツ好きな直木賞作家もいるものだ!!と、彼のユーモアを楽しく読ませて頂いた。件の連載が始まった頃には奥田作品にどっぷりハマった読者と私はなっていたが、初対面の観戦記のトーンで持論を展開する本作の隔回連載は本当に心待ちにしていた。
何かの事情なのか(無責任に宣い過ぎた?本書参照)、契約満了なのかは分からないが、連載終了は今でも残念でならない。
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文章については何ら文句のつけようもないが、やっぱりnumber本誌で読むほうが良いと感じてしまった。あのツルツルの紙であのイラスト込みで読むのが「どちらとも言えません」なのだ。せめてイラストは単行本にも入れてほしかった。残念。
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相変わらずの奥田節全開のスポーツぶった切り面白エッセイだ。野球でもヒールが居ないと盛り上がらないのだから、落合監督に金を払ってでも横浜を貶させて遺恨試合を作り出せ、日ハムの中田翔は名前が身体に会っていないので勝男と改名しろ、中年にさしかかりかつてのように身体が動かないが学生時代の雄姿のビデオが有れば買いたい、とかツボにはまること間違いなし。私が巨人史上最高の外野手として評価するバーフィールドの肩を認めているのも嬉しい。小説も良いのだが奥田英朗のスポーツエッセイは完全に一つの芸として成立している。もしも初めてであれば「泳いで帰れ」「延長戦に入りました」も併せて読むべし。
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いやほら、たかがスポーツなんだから。キツい野次に無責任な噂、好きに言わせてもらってます。でも、そう興奮しないで、大目に見てください。ちゃんとアスリートたちを尊敬してるんですから。オクダ流スポーツから覗いてみるニッポン。
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読み始めるまでエッセイとは知らなかった。しかも音痴な分野のスポーツエッセイである。やはり小説の方が好みではあるが、語り口といい、切り口といい、気持ちいいくらいさっぱりとしていて、好感が持てた。わたしでも「そうだそうだ」と頷かされる部分も結構あって、国民性とスポーツの向き不向きなど面白かった。スポーツに詳しい人はもっと面白いのだろうな、という一冊。
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特にスポーツに興味はないのだけど、知ることは楽しいし、奥田さんは面白くて好きなので読んでみた。思ったより、スポーツに造詣が深く驚いた。私でさえ耳にする選手の話題や、事件や、その裏話w 青空の下、野球観戦しながら、ビールでも飲みたい気分に♪
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「Number」誌に、2009年~2011年3月まで掲載されたエッセイ。
サッカーワールドカップ南アフリカ大会もあった時期なので、サッカーに関するネタも多いのでうれしい。この毒舌は思いっきり笑える。
腹の底で皆思っていることをズバっと指摘されると、笑うしかない。
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スポーツエッセイ、いつもの奥田節です。最近の話題が多く楽しめました。日本人はやっぱり、何と言っても野球が好きなんだと納得した。
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これはおもしろかったー。笑ったよ。
最初の方にこうある。
「ええと、この先わたしはいっぱいスポーツ関係者をおちょくると思いますが、皆さん広い心でお読みくださるよう、ここにお願いする次第であります」
いやほんと、次から次へといろんな「スポーツ関係者」をおちょくるワザが繰り出され、これが「Number」連載だというのに驚く。「Number」ってなんか選手に過剰な思い入れのある記事が多いという印象があるのだけど、意外に懐が深いのかも。
どれもこれも面白いのだが、「スポーツにおける悪役の経済効果考」「WBCでわかってしまったアメリカ式の行く末?」の二編が特に笑える。「江川・ピーマン・北の湖」ってわたしは初めて聞いたよ(子どもが嫌いなものだって。もちろんこれは「巨人・大鵬・卵焼き」の反対ね)。
また、「スポーツの階級と門外漢のジャパニーズ」「スポーツは報復合戦の宝庫なのである」などでは、思わずウーンと唸ってしまう国民性への言及もあって実に刺激的だ。本当に日本人には「階級」ってピンとこないもの。サッカーについては色々不思議に思うことがあるが、そのいくつかは腑に落ちた。
著者の好きな野球についての話題が一番多くて、これは本当に楽しい。来季は絶対広島球場に行くことにしようと固く決意した。
あははは、と楽しく読めるものをお探しの方にこれはオススメです!
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ナンバーに連載されているエッセイをまとめて単行本にしたもの。ナンバーはたいてい買っているので、読んだことのあるエッセイが多かったけれども、あらためてまとめて読んでみても、かなり笑える。
奥田英朗は僕と年齢がほぼ同じということもあり、文中に頻繁に引用される、自身の若い時代のスポーツ観戦経験も似ていたりして、なおのこと面白さが増した。
映画「ロッキー」でシルベスタ・スタローンがコンバースを履き、霜降りのスウェットでトレーニングをしていて身体に良いわけないよな、っていうところなど、そうそう、そうだったよね、っていう感じで笑えた。「ロッキー」を観たことのある人自体が若い人では少ないだろうから、こういう話は、作者と年齢が近い人間にしか笑える話ではない。
作者と年齢が近くて、笑える軽い読み物を求められている方には、是非、お勧めしたい。
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奥田英朗のスポーツエッセイ、とても面白かった!
巻末にある通り、スポーツの楽しみは
1.自分でプレーすること
2.観戦
そして、楽しみの3番目は語ることである。
とおっしゃっている。
まったく同感。
奥田英朗の語りがおもしろくて、小説だけでなくますますファンになりました。
この方が思いを馳せていくと、本当にほんとうに可笑しくてたまらないし、う〜んなるほどー。心の中で何度うなったことか!
スポーツ界の悪役に目をつけたり、スポーツのヒエラルキーを語ったり、
日本人の芝生コンプレックス、野球を考えるにアメリカという国の成り立ちやメンタリティを示してくれる胸のすく文章。
どれをとっても面白いエッセイが満載ですごい。
個人的にいちばん好きなのは「中年男子は昔日の勇姿にむせび泣く」
すごく切実に身近なことから想像がぐーんと広がっていくおかしさ!
奥田英朗さん大好きです。
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奥田氏がNumberに連載をもっていることを知らなかった。
筆者独特の斬り込みで、各種スポーツを採りあげる。
特にサッカーについて厳しい指摘が多いが、
その内容には全く同感である。
Jリーグ発足当初のあのバブルな雰囲気で、完全に受け付けなくなった。
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シニカルな視線と歯に衣着せぬ物言い。作者のスポーツエッセイの真骨頂である。記憶にまだ新しい最近のトピックスが多く、いちいち思い出さなくても楽しめた。南アW杯の話など、結果が出た後で読むと感慨深い物もある。ナンバーで連載されていただけあって、スポーツを通した日本文化論的な要素を含んだ話も多い。ただもう少しバカ話も読みたかった気がする。中には中京大の少林寺拳法部と言う時代を感じさせるバカ話もあったが、さすがに毎週とはいかなかったか。
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中日ドラゴンズファンである作者のスポーツエッセイ。
自らを変わり者という作者のちょっとひねったスポーツ観戦が面白い。
スポーツは、やって楽しい、観て楽しい、語って楽しい、の説に、そうそうと思います。
同郷同年齢の私には共通する話題も沢山あって、また違った楽しみ方が出来ました。
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● アメリカのレストランの食事の量の異常な多さは、遠来の客から「足りない」と言われるのが未だに怖いからである。
● ワッセダ、ワッセダ、ワッセダ−−。だいたい最後の校名の七回連呼など暴力的ですらある。歌詞が思いつかなかったとしか思えない。一度言えばわかるだろう。
● リスペクトどころではない。知り合いでもない選手に向かって野次れるほど、別世界視している。所詮手が届かないから、遠慮もない。「サポーターは×人目の選手」などという考え方は、ファンの思い上がりであると、私は思う。甘やかしちゃいかん。
● だいたいわたしの中では、「中田翔」なんてのはプロ野球選手の名前ではないのである。Jリーグへ行け、Jリーグへ。あれが「中田勝男」とかだったら、いかつい顔ともマッチし、まあ応援してやってもいいかとなるのだが、「翔」じゃなあ。
● 中国の麻雀にはフリテンというルールがないという事実だって、決めごとをなし崩しにする彼らの特性が現れている。フリテンありなんて、アナタ、待ちが読めないでしょう。
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「Number」連載のスポーツエッセイ。(2009・2~2011・3)
これは面白いです!!そっか、奥田さんってこういう(どういう?(*^_^*))人だったんだ!
奥田英朗さんの小説は結構読んできているつもりだったけど、エッセイは初めて。
で、小説に関しては、大きなものよりも「家日和」「我が家の問題」など、ちょっと緩めな(*^_^*)家族の幸せ話が好きだったんですよね。
で!!
今日から私にとっての奥田さんは、小説家というよりはエッセイスト、というかコラムニストに。うんうん、言われてみれば私もそう思ってたんだったよぉ~~、とピンポイントで自分の中のもやもやを気づかせてくれる角度からのエピソードの取り上げ方や、文章のリズム感には気持ちよく笑わせられました。
ほぼ三年分のスポーツ界のお話なので、今となってははるか昔にも思えるWBC二連覇やサッカーのW杯南アフリカ大会、相撲の八百長問題などの合間に、奥田さん自身の過去の体験談なども織り交ぜて、あぁ、こんなことがあったね、と振り返ったり、そっか、あの時の違和感はこういうことだったのか、と頷かせられたり。
どのお話も面白いのだけど・・・
「スポーツにおける悪役の経済効果」で、“冷静に考えると、スポーツの悪役というのは、大衆を不快にしても損はさせてないのである。”と、朝青龍や亀田兄弟、江川卓などを例にあげ、彼らのおかげでどんなにテレビの視聴率が上がったかを説く。確かに“内藤を一躍有名にしたのは、彼のパンチではなく、亀田家次男坊の投げ技だった”なんて言われると、誰でもが言いそうなことなのに、なんか自分の中の恥ずかしい気持ちを初めて公にされた気分で、あはは・・そうですね、なんて。
また、職業に貴賎はない、の日本では当然、スポーツにも階級はないわけなのだけど、世界ではそうではないのだ、という指摘。英国企業の駐在員に「好きなサッカーチームは?」と尋ねたらいかにも心外そうに「ナッシング」と答えられた、というエピソードが面白かった。つまり、サッカーはワーキングクラスのスポーツで、アッパークラスは興味を持たない、彼らのスポーツはラグビー、クリケット、ゴルフにテニスなんだよ、と。うん、ベッカムの英語の訛りのひどさや刺青も言われてみれば、そっか、そうだよねと、いい悪いではなくて、新しい視点を与えられたことがシンブルに嬉しかったりして。
そして何よりいいのは、奥田さんの筆調がご自身、スポーツを愛し、楽しまれた上でのものであること。皆さん、知らないでしょうけど裏側はこうなんですよ、みたいな、ただの事情通的な意地悪路線ではなく、スポーツ選手たちをリスペクトしつつも、この引っかかりだけはちょっと言わせてくれ~~みたいな可愛げのある(*^_^*)文章がとても好きでした。
これは楽しみが増えました。これから奥田さんのスポーツエッセイ、遅ればせではありますが追っかけたいと思います。