紙の本
王妃としての死
2002/05/22 22:58
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆうり - この投稿者のレビュー一覧を見る
遠藤周作が書きだす壮大な歴史絵巻の下巻にして完結巻。
天才的な作家が描くフランス王妃は、何よりもみずからを「王妃」と認識し、祖国を捨て逃亡を図ろうとする。
このほかにも、マリー・アントワネットはあらかんかぎりの力を振り絞り、革命に対抗する。彼女はついに家族全員と引き離され、死の監獄と別称される牢獄へ移送される。死を目前にしたマリー・アントワネットは、しかし死を恐れず、一足先に断頭台にのぼった夫の妃にふさわしい、王妃たる態度をもって死に臨む。
彼女が死んだのちの、長らく王妃を憎みつづけてきたマルグリットの心情描写は、どこか胸打つものがある。
紙の本
遠藤周作氏によるマリーアントワネット
2023/06/16 09:24
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投稿者:トマト - この投稿者のレビュー一覧を見る
結末は知っていても、この本ではマリー一家は助かっていて欲しい、と思ってしまう。
祭り上げられた王族のトップにすべての責任を押し付けられても、と思ってしまう。けれども、当時の王は本当の現状を知らされていなかった可能性が高いとはいえ、知る努力をしなければならなかったのかもしれませんね。
人は常に冷静に現状を学んでいかなければならない、と思ってしまいました。
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
陰鬱な空気が漂う下巻。たとえ愚かだったとしても、ここまで辱められ、残虐に殺されなければならなかったとはとても思えません。
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彼女はフランスのヒエラルヒーの象徴として夫ルイ15世とともに処刑された。最後までハプスブルク家出身として気丈に誇り高く振舞う彼女の心理が手に取るようにわかるの遠藤周作の傑作。
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舞台の終盤。アントワネットの周囲の余計なものがどんどんなくなっていくのがクリアーになっていく感じで好きです。
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:上下巻:東宝ミュージカルの原作になっているということで手を付けてみたのですが、面白かった。二人の女性を通したフランス革命が飛び込んできます。上巻の方がわくわく度は高く、下巻は全体的に漂う退廃的な雰囲気が魅力です。
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人が人の命を奪っていい理由などありましょうか。 とても悲しくて、なにか心にくるお話でした。泣きすぎて眠れなくなります。 とても読みやすかったです
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2006年12月読。
面白かったです。ただ、今まで考えてこなかった革命の狂気、恐ろしさに戦慄しました。マリー・アントワネットが王妃としての誇りを最後まで保とうとしていた姿に惚れ惚れしました。フェルセンとの恋は切ないです。
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血に酔っていく民衆の姿が圧巻。
そしてここへきてのマリー・アントワネットの変化はすばらしく誇り高くて素敵です。
そして彼女の処刑をみた後のマルグリットの涙とその感情の複雑さが胸にしみます。
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ラストまで読むと、マルグリットとアントワネットの対比が
いかに効果的なものだったかが分かります。
死刑執行人サンソンの存在も。
アニエスとフェルセンの
「もし、私がフェルセンなら、その私とこうカフェで話しているあなたも非難されますよ」
のくだりの会話が好き。
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映画をみてマリーアントワネットの生涯を知りたくなって手にとりました。物語になっているので、面白く読みやすいです。ただどこまで史実なのかがわからないのが、ちょっと戸惑うところ。もっとマリーアントワネットについて知りたくなりました。
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さすが遠藤周作先生!もう素晴らしいです。実話と平行して遠藤先生の架空の登場人物とが、描かれている。その人物とマリーアントワネットの対極した生き方を追いながら、読み手の心情も変化させていく。加虐の快楽、人間の持つ「悪」、遠藤先生のいつものテーマです。
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マリー・アントワネットの生涯に
架空のマルグリット、アニエス修道女を
投入してくるあたりがさすが。
おもしろい!
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これまた上巻は素早く読んだのに下巻、だんだん気持ちが重くなってきてだいぶ放置していた本。実在の人物に架空の人物を織り交ぜ、今そこにいるかのような存在感を持たせるあたり、さすが遠藤周作作品という気がする。民衆の集団心理の恐ろしさ、そして運命の歯車が狂っていく恐ろしさをひしひしと感じた。
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(下)の方がテンポが良かった。もうかつての豪華な生活はなく、ほとんど幽閉されっぱなし。でも逃亡しようとする場面は本当に緊張した。終わりに近づくにつれてマリーアントワネットがかわいそうになってきた。民衆よりむしろアントワネットを応援してた。