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短編集。なにか起こりそう、始まりそう・・・というところで話が終わる。
もしかしたら何も起こらず、それまでのたらたらした日常が続くだけなのかもしれないけれど、日々のどこかの一瞬に、ものごとが進むキッカケはひそんでいる。
ただそれは、後から考えるとあぁあれが・・・と気づくような些細なこと。
考えなければ、気づかなければ、流れて止まらない日々の中で「なにか、なにか」と思っているうちにぜんぶ通り過ぎてしまう。
勿体ないようだけれど、じつは自分も含め大体の人がそうやって過ごしているんじゃないだろうか。などと考えてしまった。。。
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さて、困りました。
質の高さは感じるのですが、面白くは無いのです。
様々な登場人物の日常を切り取った10の短編集。
本当に切り取った感じで、物語としては「起」だけだったり、せいぜい「起承転」までで「結」が無いのです。ある人曰く「予告編みたい」。そう、それも本編の予測がつかない予告編のようです。「結」を読者に預けている感じも無く、淡々と情景を切り取っている。
言い方を変えれば、スティール写真を見たような印象。写真そのものは良いのですが、映画を見たくて行った私は戸惑ってしまった。そんな感じです。
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なんかなぁ。好きなんだよなぁ。
ストーリーのひとつずつにものすごく
面白いオチがあるわけじゃない。
ものすごく面白い設定でもない。
けど不思議と引き込まれて
その後とか勝手に考えちゃうし
周りと重ねちゃったりして。
初めて吉田修一さんの作品を読むときに
1冊目がこの作品だったら他作品を読もうとは
思わないだろうけど、もっともっと
読みたくなっちゃうんだよなぁ。
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吉田修一の短編集。なんでもない日常を切り取るのがホントに上手い。表題のキャンセルされた街の案内が一番好き。
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10篇が収められているが、最後の表題作以外は短編だ.どれも脈絡のない話が多く、あまり集中して読めなかった.「台風一過」でゲームセンターで知り合った大学生に泊めてもらう設定が何故か気になって読み進めたが、平凡な内容で終わった.なんだこれは! 表題作は軍艦島が出てきて、具体的な話が展開していたが、居候の兄の存在の意味が不明だ.
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一周回って吉田修一。
私にとって吉田修一さんはそんな存在です。
いろんな作家さんを読んでも、
結局戻ってきてしまう。
最初感じてた物語のなにも起こらなさに
何故か心落ち着きます。
全く明るくなくて、逆にダークな空気を感じるけれど
それが何故か心をリラックスさせてくれます。
ほんとに、この空気感が大好きです。
どんなにやさぐれた人物でも
色っぽく感じてしまいます…吉田修一マジック。
きっと吉田さんはうつくしいものにたくさん触れてきた証でしょう。
感性が素敵です。
最初の「日々の春」はクセがなく、府に落ちて印象的。
「深夜二時の男」は不気味だけど癖になる。
「奴ら」も話の設定が面白い。
「大阪ほのか」は、ちょうど今週出張で梅田に行ったから奇遇さに勝手に興奮。
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図書館で借りて読んだ。
面白くなかったわけではないが、どれも印象に残らない短編。数週間前に読み終わって、今コメントを書こうとして、全然覚えていないことに驚いた。さらっと読めるけれど、ただそれだけ。