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女流作家によるアンソロジー。小川洋子さんの巨人の接待と、きっちりオチがある高樹のぶ子さんの夕陽と珊瑚が良かった。桐野夏生さんの告白は気の毒で辛い。小池真理子さんの捨てるは、淋しさとスッキリ感がなんだかよくわかる。
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有名な作家の名前が並んでいるので予備知識なく借りたものの(図書館)ほとんどの話が面白くなかった。
途中で返そうとしたら、その時読みかけていた話がたまたまスリリングで続きが気になる内容だった。
介護施設で働く女性が老女の恋を仲介する話。
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豪華な作家陣が並んでいるので、入門編にどうかな?という思いで手にした1冊。
1作品、約30pで力を発揮出来た方。発揮しきれなかった方。この量が限界と思わされた方。様々でした。
気に入った順に軽く紹介。
桐野夏生『告白』
この後味のスッキリしない感。好きです。
小川洋子『巨人の接待』
とても柔和な人格者の巨人と、どうしようもなく俗物な編集長。表現もいい。
高樹のぶ子『夕陽と珊瑚』
一番、一般ウケしそう。ミステリーとしては、そう、珍しさはないオチ。この分量じゃ仕方ないかな?!
高村薫『カワイイ、アナタ』
唯一、書簡体。分量はこの位が丁度イイ気がする。男として解らんでもない。
小池真理子『捨てる』
悪くないが、まるでインパクト感じなかった。表現は美しいものの、たんたんとし過ぎのような……。
江國香織『蛾』
どうしても、病んだおばさん、妄想系にしか捉えられない。
川上弘美『天にまします吾らが父ヨ、世界人類ガ、幸福デありますヨウニ』
このパターン、自分には、くど過ぎます。
林真理子『リハーサル』
女性の業と言えば、業。オチとタイトルだけはほくそ笑んだけど。
最後にこの『甘い罠』ってタイトルはどぅかな??
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8人の女流作家による短編集。
江國香織『蛾』:妄想系、意外に面白かった。
小川洋子『巨人の接待』:どこか人を喰ったような作品。
川上弘美『天にまします吾らが父ヨ、世界人類ガ、幸福デありますヨウニ』:初読みの作家、常体と敬体が混じった文体が馴染めない。
桐野夏生『告白』:辛すぎる、読むに耐えない内容でラストも残酷。「甘い罠」という本書タイトルが一番わかりやすい話。
小池真理子『捨てる』:オチはないが小気味好い。
高樹のぶ子『夕陽と珊瑚』:普通のミステリーとして、読んでて安心、ほっとした。
高村薫『カワイイ、アナタ』:想像するに一番怖い。
林真理子『リハーサル』:女の欲の深さ、残酷さ。さすが、素晴らしい。
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好きな女流作家それぞれの物語が読めてお得感があった。
桐野さんの作品は甘い罠なのかな~と思いつつ読みました。
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現代を代表する女性作家が短篇小説を競作。
恋愛小説から時代小説まで、8人8様のアプローチで女性の業があぶり出される贅沢なアンソロジー。
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「甘い罠」というほどには甘くない罠。そもそも罠なのか?という話もあったのでタイトルに期待して読むと外れるかもしれない。
面白かったと感じたのは以下の二作。
・桐野夏生『告白』
想像したものとは全く異なるラストに意表を突かれた。
不思議な老人の告白が昔話を聞いているようで面白い。
・高村薫『カワイイ、アナタ』
狂気を感じる。
山田某の、否先輩の、否(小生)の独白での少女を語る語り口の熱の入りようにドン引きだけれど、ぐいぐい引き込まれる。
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*現代を代表する女性作家が短篇小説を競作。恋愛小説から時代小説まで、8人8様のアプローチで女性の業があぶり出される贅沢なアンソロジー*
それぞれの女性作家さんの、独特の個性が詰まった短編集。心に響くかと言うと…ですが、様々な世界観を楽しめます。ただ、「甘い罠」と言うタイトルがどこから来たのか不思議。内容に見合っていないところが至極残念。
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女性作家による8篇のアンソロジー。
告白
三島由紀夫のタイトルを思わせる。
舞台はゴア。
人を殺して海外に逃亡してきたヤジロー。
日本語など通じないはず、誰も知ってる人はいないはずなのにひょんな事から日本人の老人の話を聞くことになる。
人買いと言う制度が身近にあった頃の話は心が痛くてたまらなかった。
力の強い子供たちが弱い子供たちを踏み台にして生き残ろうとする。
しかし元気になった子供たちはずっと歩かされやはり死ぬ。
どうあがこうと生きることに希望を見出せない物語だ。
この物語の行き着く先は絶望しかない。
これは果たして甘い罠なのだろうか。
カワイイ、アナタ
一言で言ってしまえば気持ちの悪い話である。
よくもここまで気持ちの悪い話が書けるものだと思う。
しかもこれは特別な人間が特別な少女にと言うわけでもない。
女性なら、いや、男性でもこのような思いをしたことがある人はいるのではないか。
「アナタ」は気付いていないかもしれない。
でも、不穏な雰囲気は、漂ってくるものだ。
追いかけている方はかわいい愛しいと愛でているつもりだろうが、追いかけられている側は、ただひたすら恐ろしいだけ。
逃れたいだけなのだ。
少し谷崎潤一郎につながるような内容かとは思う。
ただあまりにも物語の舞台が現代に近すぎるのでそれは怪しい世界とは言えず、ただただ恐怖の対象でしかない。
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✳︎
甘い罠
8人の女性作家による短編集
贅沢な短編。
女が女であることを痛烈に実感させるような描写もあれば、性別などもはや超え、欲にまみれた人間の業を炙り出すようなーーー
とにかく濃密で重苦しいけれどおもしろい。
蛾/江國香織
本当にこの人は、夢と現実の境目のような話を描くことが得意だと思う。
熱に浮かされているような、靄がかかってよく見えない、そもそも自分が何を見たかったのかも、何を"見たくないのかも"わからない。そんな感覚にさせるのだ。
その日はすぐそこに存在する。(画像9枚目、10枚目)
告白/桐野夏生
悲しみの告白、甘い話には毒がある。それ以上に、何かを願ってはいけないことを願ってしまった、逆罰のような感覚を覚えた話。
唯一、女性がメインで登場しない作品
夕陽と珊瑚/髙樹のぶ子
含みなどはなく、淡々と進んでいく中で最後は、えっ?となるようなオチの短編。
欲にまみれて落ちていく人間の業の深さ…
リハーサル/小池真理子
夫がいないうちに、女が家を出ていく話。
人は何かを捨てる時、自分の一部を捨てるような寂しさに襲われる。馬鹿みたいにむちゃくちゃでぐちゃぐちゃなのはだれ?
ぜんぶ、捨てる。そこに正しさは必要ないのかもしれない(画像7枚目、8枚目)
カワイイ、アナタ/高村薫
男の目線で描かれる、若い女を通した別の人生との邂逅。
読みながら、もしかしたら起きてしまうかもしれない"何か"に、胸がざわつく。
男には、瑞々しい春。女にとっては特定の年齢の男性から注がれたことのある、ある種の嫌悪と優越感の同居。生々しさが光る短編(画像4枚目、5枚目、6枚目)
天にまします吾らが父ヨ、世界人類ガ、幸福デ、ありますヨウニ/川上弘美
川上弘美の描く女性は、とにかく淡いのだ。"性"が穏やかに見え隠れする描写が上手い。
時代なのか、わたしは波頭その六の女だ。(画像2枚目)六だからか、関谷くんが言うてることをわかってしまう
『セックスってさ、一度しちゃうと、もうそれっきりでしょう』(画像3枚目)
リハーサル/林真理子
最後まで読むと"何の"リハーサルなのか、"何が"リハーサルなのか
が、わかって、ある意味ゾッとする。林真理子は、女として生きるている女を描くのが本当に上手いのだ。
そして独特の背徳感のようなものを読者に纏わせる…
巨人の接待/小川洋子
薬指の標本を読んだ時の感覚と似ている。痛みを伴うような、それでいてひっそりとした愛。愛の描写を婉曲的に表現していて、濃密。
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うーん…表4にあるあらすじのような、
「恋愛小説から時代小説まで、8人8様のアプローチで女性の業があぶりだされる」ということは感じなかったし、
「甘く怖く、濃密すぎて苦しくなるような」話はいったいどこにあるのか?????何か別の本を買ってしまったのか?という印象。
・そもそもよくわからない話
・「甘い罠」というタイトルに沿ってないなという話
ばかりだなという印象。
私の読解力不足なのをさっぴいても、星1つでした。
豪華作家陣だけに期待しすぎたのもあるかな。