紙の本
昔話とは違う伝説
2024/03/02 13:23
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投稿者:ちひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
伝説とは、ある土地に根差して成長していくもの。
日本の民俗が失われたのは高度成長期だと思っていたけど、昭和初期にはすでに失われつつあったというのを初めて知った。
伝説を語り継ぎながら、日本人は何を思っていたのだろうと想像が広がる。
紙の本
この本を読まない限り、誰も伝説なんて教えてくれない
2021/03/19 22:49
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
文章は易しく書かれている、それもそのはずで、もともとは昭和4年に日本児童文庫の「日本神話伝説集」として出版されたものだから。柳田氏はこの文庫の冒頭で「日本は伝説の驚くほど多い国であります。以前はそれをよく覚えていて、話して聴かせるようにする人がどの土地にも、五人も十人も有りました。(中略)次第に思い出す折が無く、忘れたりまちがえたりして行くのであります。私はそれを惜しむの余り、先ず読書のすきな若い人たちの為に、この本を書いてみました」と語る、これが昭和十五年のことで、そのころにはすでに土地での伝説の継承というのが困難になっていたことがわかる、令和の時代には誰もそんな話は教えてくれいから誰も知らない、柳田氏や折口氏の本を読まない限りは。
紙の本
伝説は植物
2002/06/09 20:24
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投稿者:mikancat - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔話とは動物のようなものであるのに対して伝説は植物のように各地に根付いたものだという。昔話の小鳥が各地に種を運び、同じような話が散らばるのだとか。柳田国男の持つ膨大な知識の中から特に読者にとって興味を引きそうな伝説をまとめてある。
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短い話がいくつもあって、本も薄いし、値段も安い。そんなわけで手にした一冊。
みなさん、「日本の伝説」って知ってますか?私はこの言葉では、ピンときません。ただ、なんとなく日本書紀に近い・・・とゆぅか、神の話とかなんかな〜と思っていました。
まぁ、いくつも伝説があるわけですが、日本の伝説、一度読んで知ってみるのもありだと思います。
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柳田国男の『日本の昔話』を読んだのでこっちも。
200頁あまりでも字詰め・Q数共に今よりぐんと密なので内容のボリュームはたっぷり。
資料性が高く反面物語性は低いので、勉強の一冊。
そういう意味でも図解や資料が転載されて無い文庫本はきつい。
やっぱ柳田国男は全集で集めないとだめじゃ。
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日本文学概論で紹介されたので、買ってみました。各地に伝わる伝承をまとめた貴重な本です。すてきな日本語。
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巻頭の「世におくる言葉」、「はしがき」に感動した。ひらがなをたっぷり使って活字でも流れるような文面。であります口調がこんなに柔らかいものになれるとは。ゆったりとやさしい声で語られる高いのぞみに、この国の伝説と昔話とへの心底からの愛着があふれる。
“ 伝説と昔話とはどうちがうか。それに答えるならば、昔話は動物のごとく、伝説は植物のようなものであります。昔話はほうぼうをとびあるくから、どこに行ってもおなじ姿を見かけることができますが、伝説はあるひとつの土地に根を生やしていて、そうしてつねに成長してゆくのであります。雀や頬白はみな同じ顔をしていますが、梅や椿は一本一本に枝ぶりが変わっているので、見覚えがあります。かわいい昔話の小鳥は、多くの伝説の森、草叢のなかで巣立ちますが、同時に香りの高いいろいろの伝説の種子や花粉を、遠くまではこんでいるのも彼らであります。自然を愛する人たちは、常にこの二つの種類の昔の、配合と調和とをおもしろがりますが、学問はこれを二つに分けて考えてみようとするのがはじめであります。”
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日本の伝説、ってタイトルを見て想像していたのとちょっと違った。
色んな土地の伝説が書いてあって面白くはあった。
特に、お地蔵さんは子どもと遊ぶのが好きで
それを咎めたおとなの方に天罰がくだるような話なんかは興味深い。
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むか〜し、読んだ事がある。本屋さんの文庫コーナーで、薄い本を探して、見つけた記憶。民俗学っていう事も『遠野物語』の事も、まだ知らなかった・・・愛知県の伊良湖岬に『名も知らぬ遠き島より〜』の島崎藤村氏の碑と柳田国男氏の記念碑もあり、見にいった事もあります。
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日本各地の伝説・昔話を整理すると、全国で似たような話がたくさんあり、全く違う主人公の話が元は同じエピソードからきていることが見えてくる。箸を地面につきさせば、後にはその箸が二対の大木となり、杖を地面に突き立てればその衝撃で井戸水がわいてくる。各地にそんな話があるけれど、主体は各地ばらばらで、弘法大師や源頼朝、空也上人と、有名な人なら誰でもいいようだ。
伝承というのは勘違いの歴史である。語り伝えるうちに一部が欠けたり付き足されたり、2つの話がごちゃ混ぜになったりする。誰かの業績も他の有名人と混同されて主人公が入れ替わる。
柳田の巧みな構成によって(?)、前に提示された伝説と新しく出された伝説が1つの物語として有機的につながっていく。
読んでいてとても面白かった。
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一冊の本として初めて読んだかもしれない柳田作品。丁寧に全国から集められた伝説の中に、おおいたの姫島や飯田こうげんの話があると嬉しく感じます。特に、豊後富士=由布岳と富士山に絡む西行法師の伝説は知らなかった分、感銘を受けました。
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単純で色彩の鮮やかな日本の伝説を、柳田国男の柔らかな筆致で世の若い人のために。初学者向けながら「咳の姥さま」から始まる子供・ウバの一連の伝承、片目の魚、大師から論を展開していく手法は健在。
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買ってからおそらく20年以上放置していた本。
ようやく読めそう。
咳のおば様
咳 関 姥 子安 道祖神 奪衣婆 姥甲斐無い
驚き清水
空也上人という名前を、昔聞いたような気がするが初めて認識した。
大師講の由来
たいし 大師 太子 大子
姥 うば おば 叔母
片目の魚
片目のものを恐ろしくまた大切に思う昔の人々
機織り御前
御箸成長
行逢坂
袂石
山の背くらべ
神いくさ
牛込の赤城神社と日光の話が興味深い。
伝説と児童
綺麗にしたり、大切にしたりすると怒る地蔵の話が面白い。
伝説分布表
解説 池田弥三郎
民話という言葉を批判している。
年譜
ようやく読み終わった。もともとは日本児童文庫として子供向けに書かれた本であることが解説に書かれているが、昔の子供はレベルが高かったとあらためて思う。柳田国男の蔵書が成城大学に寄贈されたことも初めて知った。
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“伝説と昔話とはどう違うか。それに答えるならば、昔話は動物の如く、伝説は植物のようなものであります。昔話は方々を飛びあるくから、どこに行っても同じ姿を見かけることが出来ますが、伝説はある一つの土地に根を生やしていて、そうして常に成長していくのであります。” と著者の柳田国男氏はこの本の冒頭で述べています。以前同著者の作品「日本の昔話」を読んだことがありますが、実際に面白味があるのは「昔話」の方で、そういう事があったと記載されているのが「伝説」という感じです。解説でも昔話は言語の形式を外しては語れない言語芸術のようなものであると書かれている一方、伝説は伝える内容が大事なのであって、その伝え方はどういう形でも一向に差し支えないと説明されています。
この昔話や伝説ですが、現在はあまり聞かれなくなったように感じます。小さい頃に母親ないしは祖母などから聞いた記憶というものは大人になっても印象として残ると言われていますが、自分自身、有名なおとぎ話は記憶に残っていても、生まれ育った土地の「昔話」や「伝説」については全く記憶にありませんでした。幼少期に語り継がれることで残されていったものが消えかかっているのかとも思います。この本を読んで初めて自分の身近にある「伝説」というものにふれた感じがします。伝説や昔話はその土地の風土などとも密接に結び付いているものだと改めて感じましたが、自分たちの世代は生まれ育った土地との関係性が極めて薄くなっているようにも思いました。
追記:生まれ育った土地の「昔話」や「伝説」については全く記憶にありませんと書きましたが、レビュー記載後思い起こしてみたら、小さい頃によく祖父に連れられ近くの夜泣き石がある城跡や、狸伝説が残っている寺に行ったことを思い出しました。
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日本各地に伝わる、不思議な言い伝え。それらを分かりやすい文体で比較考察した一冊です。
何故人々は、石や湖、山を畏れ、大切にしてきたのか。各地に伝わる様々な伝説は、どのようにして生まれてきたのか。これらの伝説が衰え、だんだんと失われつつある今、この本は改めて私たちに"伝説”の面白さを教えてくれます。
章も豊富でさくさく読める、学問の書。